「噛み付かない虎は虎じゃない」(丸藤)5/8「SUPER J TAG」IWGP Jr.囲み会見
5月8日「SUPER J TAG TOURNAMENT 1st」(JCB HALL)にて、急遽開催が決定したIWGP Jr.選手権試合。7日に開かれた調印式で、王者・丸藤正道(プロレスリング・ノア)と、挑戦者・タイガーマスクがそれぞれ意気込みを述べた。そして、その直後に行なわれた囲み会見では、両者がさらに突っ込んだコメントを連発。決戦へのムードが最高潮に高まった——。
■丸藤選手の囲み会見
–1月4日東京ドームでタイガー選手を破ってIWGP Jr.王座を獲得。それ以来、負けしらずで新日本を凌駕している気分は?
丸藤「もう“2周目”に入っている感じなんですけど、どんどんやるごとに新日本プロレスの必死さというか、獲り返そうという姿勢が強く感じられる今日この頃。前回(5/3福岡)、タイトルマッチをやってから5日後にタイトルマッチって、『これ、なんぞや!?』という感じなんですけども(苦笑)。しかも、なんかタイガーマスクも(タッグトーナメント戦に)出るはずだったんですよね? カァ〜〜、すごい、新日本プロレス。この追い込みのかけ方(苦笑)。びっくりですよ、もう」
–正直言って、少しあきれている?
丸藤「いや、あきれはしないですけど、スゲェなーって思いますね。こういう手段でくるかという。見習おうかなと(笑)。ウチ、タイトルマッチって、なかなかやるまでに期間がかかるんでね。『こういうやり方もあるのか?』みたいな(笑)」
–逆に燃えますか?
丸藤「そうですね。なんかタイガーマスク選手と試合をするんですけど、今回は“対新日本プロレス”というか“対菅林(直樹)社長”という気持ちもありますね」
–それだけに、ここで丸藤選手がタイガー選手を倒せば、新日本プロレスにとっては痛手になりますが?
丸藤「もう、最終兵器の吉橋(伸雄)でしょう。いつになったら出してくるんだっていう。もうそろそろ吉橋かなと思ったんですけどね。まぁ、俺がタイガーマスクを挑発したからだけど、あそこで吉橋が『俺が行きます!』みたいな感じでくりゃあよかったのに。…・・・まぁ、そんな中でも俺は負ける気しないですけどね(キッパリ)」
–5/3福岡の試合後は、タイガー選手を猫よばわりするなど、かなり辛らつな言葉を発していましたが?
丸藤「噛み付かない虎は、虎じゃないでしょう」
–たしかにタイガー選手は、敗戦以来ずっと沈黙を守っていました。
丸藤「まぁ、セコンドにはずっとついていたと思うんですよ。俺はそれも見てるし。でも、そこにいた虎は虎じゃなかったよね。ニャアニャア言ってないで、ちゃんと虎らしく吠えろって」
–同日、「SUPER J TAG」トーナメントが開催されますが、気になるチームはいますか?
丸藤「(出場メンバー表を見ながら)タマ・トンガは名前が気になりますねぇ。プリンス・トンガ(キング・ハク)2世なの? じゃあ、ウチの玉麒麟(※田上明の相撲時代の四股名)社長と同じ“玉”ってことですか? へぇ〜〜(と興味津々)。ディビー・リチャーズもウチに来ていて、非常にいい選手なので、彼にも頑張ってほしいですし。でも、吉橋(伸雄)が気になる」
–パートナーの獣神サンダー・ライガー選手よりも?
丸藤「敵ながら言うのもおかしいけど、ライガーさんが素晴らしいのはわかってるじゃん。『ライガーさんに優勝してほしい』って、そんなレベルの人間じゃないからね。吉橋でしょ〜。伸雄。“ノブオ”って字がちょっと違うけど、俺の親父と同じ名前だからね(笑)。“ノブオ”の名に恥じない闘いをしろってことですよ。あとはタマ・トンガにも頑張ってほしいです。優勝したら、ウチの玉麒麟社長と、“タマタマタッグ”でいいじゃないですか(笑)」
–トーナメントの行方は気になりますか?
丸藤「(再び出場メンバー表を見ながら)なんか逆に、俺をこれに出してほしかったなと思うんですけどね。賞金500万円? マジっすか? 新王者に新しいタッグベルトも? へぇ〜! なんか初物っていうのがいいじゃないですか。これに出て優勝したら、また“SUPER J TAG”なんたらとかの冠がつくわけでしょ? 出たかったですね。誰かの代わりにマスク被って出ようかな。あれ!? これ、1日でやるんですか?」
新日本広報「ワンデートーナメントです」
丸藤「やっぱいいや……(笑)」
■タイガー選手の囲み会見
–王者・丸藤選手の挑発で激怒していた5/3福岡と比べ、今日の調印式では一転しておだやかな雰囲気ですが、心境の変化があったのですか?
タイガー「まぁ、誰でも怒っていれば、ああいうふうになると思うんで。落ち着けば、僕も大人ですから(笑)。僕は丸藤選手というのは、物凄く立派なチャンピオンだと思ってますよ。だって、日本にある全団体の世界最高峰のチャンピオンなんですから。僕は彼を認めてる」
–むしろ、今は強いチャンピオンを倒すことに集中していると?
タイガー「倒すというか、危機的状況ですよね。だって、もう僕で2周目ですよ、新日本Jr.。対ノアどうこうじゃなくて、丸藤選手と新日本の闘いですし、それはドームで(ベルトを)獲られたということで、僕が一番よくわかっているしね」
–2連敗は許されないという状況で、さらに記するものがあるのでは?
タイガー「まぁ、それは当然のことであって。2連敗うんぬんじゃなく、ベルトを取り戻さなければいけないという会社の思いも背負い、新日本のファンの思いも背負い、自分のタイガーマスクとしての重いものを背負って試合をしたいなと思う」
–これまで静観していた状況のタイガー選手を、丸藤選手は「噛み付かない虎は虎じゃない」「猫だ」と言っていましたが?
タイガー「まぁ、今までさんざん色んな人が色んなことを言ってきたし、そういうのは慣れっこだから。そんなことはどうでもいいんですけど、やはり『今、ここで俺がいかなければ』という自分のチャンスは、みんな各選手が把握してるし。ドームで負けて、当然、次も行きたいという思いはあったけど、僕ばかりが優遇されているわけじゃなく、みんな平等だからね。静観というよりも、次のチャレンジャーにすべてを託したいという思いがあったわけですから。それは、丸藤選手がどう捉えようが、痛くもかゆくもないし、なんとも思わないし、猫だと言うんだったらそれでけっこうだし、関係ないですね(微笑)」
–急なタイトル戦により、不出場となった「SUPER J TAG」トーナメントについてどう思いますか?
タイガー「気にならないと言ったらウソになりますよね。楽しみで出たかったというのはあります。外の選手(デイビー・リチャーズ)と組めるというのは、僕にとってチャンスだというのがあったので。正直いってまったくわからない選手だったんですけど、逆にだからこそ気持ちが高まった部分があったんですね。今回は、自分の希望が通って丸藤選手とのタイトルマッチになったのでそれはいいんですけど、やはりJr.タッグトーナメントというのも見ていきたいですね」
–タイガー選手から見た優勝予想は?
タイガー「やっぱり田口(隆祐)と(プリンス・)デヴィットは、チームワークに関しては一番だと思っていますから。ただ、その最初の相手がマスカラ・ドラダ&バリエンテということで、どう切り崩されるかも見てみたいし。あと、みちのくプロレスから、フジタ(“Jr”ハヤト)選手と野橋(太郎)選手が出てくるということで。野橋選手は小さいけど、突貫小僧みたいなものを持っているし、楽しみな部分もあるんですけど、僕の中で優勝は、デイビー・リチャーズとタマ・トンガかな」
–トンガ選手は、タイガー選手の代打ですしね?
タイガー「いや、こういうところから上がってくる選手というのは素晴らしいと思うし、侮れないと思いますよ。僕は、決勝はリチャーズ&トンガvs田口&デヴィットだと思います。大穴でドラダとバリエンテかな」
「SUPER J TAG TOURNAMENT 1st」
5月8日(土)
東京・JCB HALL