驚愕! 5.8『SUPER J TAG』参戦、“メヒコ版真壁刀義”!? バリエンテはこんなに凄い!!
“ミスティコ以上の天才”マスカラ・ドラダと5.8『SUPER J TAG』JCBホール大会に飛来するバリエンテ。身体に似合わない奇跡のムーブの数々を今回も、“ルチャの伝道師”大川昇カメラマンが徹底解説!!
——大川さん、前回はマスカラ・ドラダの“脅威の新鋭”ぶりをうかがいましたが、今回はバリエンテ選手の凄さを教えてください!
大川 わかりました! このバリエンテは……僕らの年代だとスペル・アストロっていうぽっちゃり系の選手がいるんですけど。
——ええ。ぽっちゃり体型に似合わない、スゴ技の持ち主ですね。
大川 その「アストロみたいな、凄いヤツがでてきたな」というのが第一印象です。初めて見たのは、真っ暗な地方会場だったんですよ。でも地方の大会前半って、僕らは写真を撮らないわけです。
——いわゆる前座ですから。
大川 でも、客席で観てたら、「いま、すっげー跳び方をしたヤツがいる!」と。「誰だアレ!」と身を乗り出したんです。それが、バリエンテだったんですね。
——“ルチャの伝道師”も身を乗り出す飛びっぷり!?
大川 それが7~8年前ですね。だから、CMLLに入ってきたときに「ああ、やっと辿りついたか!」という感慨がありました(しみじみと)。
——じゃあ、知る人ぞ知るルチャドールというか。
大川 ええ。「なんであんな凄いのに売れないんだろう?」「メジャーに行けないんだろう?」と疑問でしたね。ただ、彼は体重を背負っているぶん、ケガも凄く多いんです。彼の得意技の三角跳びのトペコンとか、映像で観るとひょうひょうとやってるように見えるけど、けっこう“墜落”もしてるんですよ。
——つ、墜落ですか?
大川 あの体重で、高度な跳び技をやるのでロープですべったり、凄い高さから落ちたりするから、すぐケガをする。ただ、ムチャはするけど、ケガをしても絶対に躊躇はしない……日本でいうザ・グレートサスケ選手タイプというか。
——サスケさんタイプ! 一発で理解できました(笑)。
大川 ケガしてもケガしても、ためらわず危険な跳び技にチャレンジする。ルチャって、どうしてもアレナ・メヒコ(ルチャの殿堂的な大会場)で見せるものと、地方会場で見せるものって、普通は違うんですよね。
——普通はそうでしょうね。
大川 でも、バリエンテだけは、いつ何時も全力投球なんです。日本で言えば、両国国技館でも、後楽園ホールでも、地方会場でも絶対に手を抜かず、お客さんを絶対満足させるタイプ。だから、会場人気は圧倒的です(キッパリ)。
——観客の信頼度はハンパない。まさにピープルズチャンプというか。
大川 ええ。「こんな会場でも飛んでくれた!」と。そういう信頼の積み重ねで、支持率がグングン上がっていった選手ですね。逆に、ミスティコなんかは、地方会場なんかではブーイングされることもたまにあるんですよ(笑)。
——ああ、「今日は飛ばないのか!」と(笑)。
大川 バリエンテは地方でも身体を張りますから。そういう地道な会場人気で上がってきた。新日本でいうと、真壁刀義選手みたいな苦労人タイプなんですね。
——日本人好きするタイプというか。じゃあ、かなりヒヤリとするような技も見せる?
大川 ええ。写真を見てほしいんですけど、リングの中のセカンドロープにちょこんと乗ったあと、次の瞬間にトップロープに上ってケプラーダしたり。
——うわ〜。これをこの体格で!?
大川 トペだって、凄い勢いで飛びますから。まさに弾丸トペというか。これもビックリすると思います。いまは少し身体を絞ってますけど、跳び技の重量感はズバ抜けてますね。個人的には、マスカラ・ドラダは技のオリジナリティではいまダントツの選手なんですけど、その前の一押しは完全にバリエンテでしたから。
——ドラダの前はダントツでバリエンテ!
大川 最初にアレナ・メヒコに初登場したときも大変なインパクトがあったし。あの〜、ルチャリブレでは、よく「おひねりが飛ぶ」って言われてるじゃないですか?
——ええ。言いますね。
大川 でも、ルチャも観てる人も熱心なマニアなファンが多いから、実際はほとんどそういうことはないんです。でも、バリエンテは、2007年の『TORNEO REYS DE AIRE』という空中ファイター王座決定トーナメントの試合後、ひさびさにおひねりを飛ばしたんですよ。
——マニアも認めたおひねりファイターでしたか。
大川 ただ、いまは新世代ファイターの台頭で、最近はもう一歩メイン戦線には食い込めてないんです。ただ、メヒコには「日本帰りは出世する」という神話がありますから、今回は相当に入れ込んでくるでしょうね。
——ヤル気マンマンで来日する、と。
大川 それに、彼はかなりのベテランなんです。でも、いまのCMLLは若い選手が中心なので、かなり異例のケースなんですよ。昔は、体重も重くて動きも遅いベテラン選手……たとえばシェン・カラスとかエル・カネックとかクラシックな選手がメインをとってたんですけど、ここ3〜4年でミスティコ体制になってから、そういう選手を全部一掃したんです。
——ミスティコ中心のニュージェネレーション体制になった。
大川 加えて、昔のCMLLはキャラを作ることはなかったんですけど、ミスティコあたりから、団体側がキャラをドンドンプロデュースしてるんです。たとえば、ブラソ・デ・オロという選手の息子が、ブラソ・デ・オロJrだったのに、ラ・マスカラという名前に変えさせたり。
——そんな状況で、ベテランのバリエンテがそのままのキャラで食い込んでいるというのは、大変なことなんですね。
大川 ええ。あと、フィニッシュホールドの重量感でいけば、ドラダよりもバリエンテのほうが断然、勝機はあるでしょうね。
——体躯的にもApollo55にもヒケをとらない、と。
大川 ええ。ハングリー精神も凄いですし、いい意味で日本スタイルをとりいれて再浮上を狙ってるでしょう。……とにかくね、このマスカラ・ドラダとバリエンテが受けいられないようなら、新日本プロレスはCMLLと提携してても意味がないですよ!(キッパリ)。
——おお〜、そこまで断言しますか!
大川 二人ともそれだけの選手ですから、大いに期待してください!
——ムチャクチャ幻想が広がるなぁ〜〜!! ビバ・メヒコ!
■参戦チーム
・獣神サンダー・ライガー&吉橋伸雄
・フジタ“Jr”ハヤト&野橋太郎(みちのくプロレス)
・金本浩二&エル・サムライ(フリー)
・デイビー・リチャーズ(ROH)&タマ・トンガ(フリー)
・田口隆祐&プリンス・デヴィット(Apollo55)
・マスカラ・ドラダ&バリエンテ(CMLL)
・飯伏幸太(DDT)&オースティン・クリード(元TNA)
・外道&KUSHIDA(SMASH)
■5月8日(土)
「SUPER J TAG TOURNAMENT 1st 」東京・JCB HALL
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