9月18日(日)、東京・日本武道館で開催された 『全日本プロレス50周年記念大会』に、新日本プロレス所属のタイガーマスク、そして永田裕志が出場した。
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■“外敵王者”タイガーマスクが全日本ジュニア“最後の砦”青柳亮生に惜敗し、世界ジュニア王座から陥落…!
タイガーマスクはセミ前の第10試合で、世界ジュニアヘビー級王座を懸けて全日本の青柳亮生を迎え撃った。
6.19大田区総合体育館で同王座を佐藤光留から奪取して以降、タイガーは田村男児、イザナギ、大森北斗を相手に3度の防衛に成功し、“外敵王者”として堂々君臨。
そのタイガーに対し、「全日本プロレスジュニア“最後の砦”として、あなたのベルトに挑戦したい」と宣戦布告したのが、弱冠22歳のハイフライヤー、亮生だ。今年の4.16『後楽園ホール 60周年 還暦祭』では兄・青柳優馬と共に、L・I・Jを相手にイキのよさを見せた亮生が、全日本ジュニアの至宝奪還に名乗りを上げた。
タイガーと亮生は全日本の9.11鳥取で前哨戦(タイガー&宮原健斗vs優馬&亮生)を行ない、タイガーがチキンウイングアームロックで挑戦者から直接ギブアップ勝利をスコア。V4に向け、磐石ぶりを見せつけた。
そして迎えた大一番。ゴング前にタイガーが握手の手を伸ばすと、亮生は両手でガッチリと握り返し、互いに健闘を誓い合う。序盤から亮生は軽快な動きを見せるも、タイガーは機動力を奪うべく、強烈なローキックの連発からドラゴンスクリュー、膝十字固めと足殺しを展開。さらに鋭いローリングソバット、卍固めと着実にダメージを与えていく。
劣勢の亮生だったが、タイガーの突進をかわして場外にうまく追いやると、コーナー最上段からムーンサルトアタックを炸裂。さらにミサイルキック、ハンドスプリングレッグラリアットと得意の攻撃をたたみかけるも、ムーンサルトプレスはタイガーが寸前で回避。
ここから百戦錬磨のタイガーは一気に猛攻。雪崩式アームホイップ、雪崩式ダブルアームスープレックス、タイガードライバーと大技で窮地に追い込むが、亮生はカバーを必死にカウント2で跳ね返し、タイガーの腕ひしぎ逆十字もエスケープ。
続くタイガースープレックスも切り抜けた青柳は、怒涛のフィッシャーマンズスープレックス3連発で反撃。そして、今度こそムーンサルトプレスを決めるが、タイガーはカウント1で意地のキックアウト。
ならばと青柳はキックの波状攻撃でダウンを奪うと、コーナー最上段から華麗に宙を舞い、ファイヤーバード・スプラッシュを炸裂。この一撃で激闘に終止符を打ち、悲願の世界ジュニア初戴冠に成功した。
試合後のタイガーは、「最後は青柳選手の意地を感じましたよ」「ツームストン、上から投げて、タイガードライバーの畳みかけでも絶対に肩をつけなかった。これは明らかに全日本プロレスを守るっていう現れでしょうね」と青柳の奮闘を素直に認めるコメント。
「本当はボクが獲って引っ掻きまわしたい部分があったけど、彼には拍手を送りたいと思います。本当に全日本のジュニアを引っ張ってほしいなと思いますね」と新ジュニア王者にエールを送った。
■永田裕志が、全日本プロレス期待の“大型新人”安齊勇馬のデビュー戦で貫禄勝利!
また、第6試合では永田裕志が、今大会でデビューを迎える全日本プロレス期待の新人、安齊勇馬と対戦。あのジャンボ鶴田さんと同じく中央大学レスリング部出身で、東日本学生レスリング選手権春季大会優勝をはじめ、レスリングで輝かしい実績を誇る安齊は、今年4月に全日本に入門。
今回は大舞台で、歴戦の猛者である永田との初陣に臨むことに。この大型ルーキーに胸を貸す格好の永田は戦前、「技術とかより先に見たいのは、彼の気迫」と奮起を促すように言い放った。
その言葉に呼応するように、安齊は永田の厳しい腕攻めにもひるまず、「来いや!」と闘志をムキ出しに。そしてダブルアームスープレックス、ミサイルキック、逆エビ固めと気合いの攻撃で正面突破を狙う。
だが、すべてを受け止めた永田が、最後は延髄斬りからのナガタロックⅡで貫禄のギブアップ勝ちをマーク。
試合後、永田は「彼のプロレスにかける思いはしっかり伝わりました。アラをどんどん出して、自分で考えて修正していけば、すごい人材になると思います」と安齊を称えると、「まさか全日本の大物ルーキー、僕が任されると思いませんでした。いい経験になりました」と、異例ともいえる一戦を振り返った。