「いまさらって感じじゃない?」中邑選手が次期挑戦者・中西学を一刀両断!!
1月5日、前日に東京ドームで高山善廣を下したIWGP王者・中邑真輔選手が一夜明け会見に登場!! リング上で挑戦アピールをした中西学選手が、次期挑戦者として決定したことを受けて、現在の心境を告白した。
■中邑真輔選手のコメント
中邑「そっすね。昨日の試合を終えて……興奮なのか? 疲れなのか? 一睡もしない状況のままここに来ました。ある意味、高山戦は俺にとっても節目になったんじゃないか、と。変化を求めて、行動を起こして、その中でたどり着いたのが高山善廣……。まぁ、このまま生きていくわけだから、“通過点”と言ってもいいけど、一つの大きな山を越えたんじゃないか、と。非常に厳しい攻めと心に響く攻撃でした」
■報道陣との一問一答
——次の挑戦者が、中西学選手に決まりましたが? 中邑「早いっすね……決まるの。まぁね、行動を起こしてこんなに早くタイトルマッチが決まるなんて、中西学が変わったのか? 会社が変わったのか? 知らないけど。ま、相手さえ用意してもらえればいくらでも防衛戦はやりましょう、と。それだけです」
——菅林社長は「中西学待望論がある」「元王者でリマッチ権を行使してない」と言ってました。
中邑「少しでも、理由があればいいんじゃないすか? まぁね、自分もここで落とすわけにはいかないというか。自分も昨日の試合で新しいものが芽生えただろうし、それを試すためにもタイトルマッチを早めに組んでもらえるのは、ありがたいと言えばありがたい」
——中西学選手は「第三世代、最後の砦」と言ってましたが?
中邑「フッ! ま、自分がっていうより、ほかの第三世代がそれでいいなら、いいっすよ」
——昨日の会見で、中西さんの挑戦に「おせーよ!」と手厳しい表現もしてましたが。
中邑「だって、遅くないすか? ねぇ? いまさら……って感じじゃないですかね。去年、一度ベルトを巻いて、やっと欲が出てきたんじゃないのって。ま、人間には“欲しいものを取りに行く人間”と“来るのを待ってる人間”がいる。まさに中西選手は、“待ってる人間”だったわけでしょ? それが、いまさら取りに来ようとしてるんじゃないのって」
——過去の中西戦で言うと、中邑選手にとってはやりやすい相手?
中邑「やりやすいと思ったことは一度もないすけど……。個人的には『人間国宝になってもいいんじゃないの?』ってくらい、日本人離れというか人間離れというか……あんな人間はほかにいないわけですから。やりにくさは感じてますよ」
——中西学と闘う意味は?
中邑「ハッ……! いや、だって昨日リングに上がってきて、今日挑戦が決まって。意味ってのはなんすか? いまから考えるってことですか? ま、中西選手が言うように“第三世代最後の砦”っていうのがあるんなら、そのままとらせてもらうというか」
——今回、防衛すると団体内に敵がいなくなりそうですが? その場合はどうする?
中邑「今日、決まったとこすから。そんときの状況によるんじゃないすか? ま、また今回みたいにリング上に上がってくるヤツもいるかもしれない。自分は自分のやりたいようにやるだけですから。ふさわしい人間というよりも、そういう気持ちがあるのであるなら、挑戦は受けましょう」
——たとえば、GHC王者の杉浦貴選手なんかへの興味は?
中邑「ただ、『G1』では普通に勝ってますからね。でも、スタイル的には嫌いじゃねぇっていうか。むしろ“こっち寄り”というか……闘うのもおもしろいし、それ以外の相手もおもしろいと思いますけど」
——ノアとの対抗戦への興味は?
中邑「そうすね。昨日も自分はそのくくりではなかったし。ハブられた……とは思ってないすけど。自分はそれ以上にテーマのある試合をやったつもり。ノアとは流れを見て、参加させられるのか? どういう立場で関わっていくのかはわからないね」
——高山戦に関して、6年前と比べてダメージのほどは?
中邑「ま、昨日は口の中がグチャグチャになってましたけど。ダメージはありますよ。ただ、それを6年前と比べて意味があるのか……? ただ、試合の中で得たものは確実にある」
——タイトルマッチまで日がありますが?
中邑「トレーニングは早々に始めますけどね……ただ、中西学が何を考えているのか? 何をやるのか? そっちのほうが興味はあるね。いままで待っていた人間が、何を思ったか行動に移したわけだから。じゃあ、どうするの? って話でしょ」
■記者との囲み会見
中邑「(『東京スポーツ』の見出しを見ながら)なんか、また凄い見出し出されてんなぁ……」
——杉浦選手には魅力を感じる?
中邑「まぁね。なんかドームの試合も上二つはそういう空気のある選手の対戦だったと思うから。そういう部分が求められているのかなとは感じますが」
——高山選手とは今後、組んだりするプランは?
中邑「あってもいいんじゃないかと思いますけど……何かが決まってたり、そういう言葉を交わしたわけじゃないから。ただ、特別な感情があるということは確か。もともとリスペクトのある選手だし、試合でもそれ以外でも影響力があるという意味では、組むとしたらこれほど心強い人間はいないし。闘うとしても刺激のある相手。何かしら、係わり合いを持つのはアリかな、と」
——新世代という意味では、NO LIMITの凱旋帰国はどうでした?
中邑「ま、若干は見ましたけどね……どう評価していいのか? 難しい試合だったんじゃないすか? あれだけ大口叩いておいて、誰から(ピンフォールを)とったんだって話でしょ? たまたまか、ラッキーか? どうせなら3Dからとれば注目を浴びたと思うけど」
——「新日本の中で相手がいない」という部分は?
中邑「と言うより……相手なんかいるじゃないすか? レスラーはいるわけだから。ね? 俺がやりたいという人間がいなくなったってことでしょ? いままでもそういう状況はあったと思うし。会社が考えあぐむような……そこで誰かが行動を起こしたら、そこにのるというか。そういう意味では、今回の中西学の行動は正解だったんじゃないすか?」
——中西学が変わった部分は?
中邑「変わったかどうかはわかんない……でも足をひっぱられ、周りにはバカにされ。個人的には好きにさせておけばよかったものの、(周囲や会社が)カタにハメちまったからこそ、いまのような結果というか……。ま、ワクにとらわれてしまう人間より、そうじゃない人間のほうがおもしろそうだよね」
【写真:山本正二】