「中邑が“あの発言”をしたホントの理由、教えます!!」棚橋弘至独占緊急インタビュー
現在、話題沸騰中の中邑選手の衝撃のマイクアピール「このベルトは輝いていない!」「猪木! 旧IWGP(ベルト)は俺が取り返す!」。この発言直後から、「面白くねぇ!」と否定的な見解を表明していたのが、前王者の棚橋選手。絶対的なライバルである中邑選手の発言に対して、いま棚橋選手は何を思うのか? 棚橋選手が考える“あの発言”の真相とは?
■「いったい誰がここまで中邑を追い込んだのか?」ということ
——今日は、いま話題沸騰となっている“中邑発言”を中心にうかがわせてください。
棚橋「わかりました。なんでも聞いてください!」
——まず、中邑選手から「IWGPベルトは輝いていない」と言われてしまいましたが。
棚橋「う〜ん。輝いて見えるか、見えないかは心のあり方一つじゃないっすか? 俺的には充分に金ピカですから(笑)」
——棚橋さん的にはメチャクチャ輝いてる、と。確かにいままでは棚橋さんの持ち物だったわけですから。
棚橋「だから、当然面白くはないですけどね。ただ、いまはまだ真意を読み取るには時間が足りないというか。不穏な空気が流れているのは確かですけど……」
——「猪木〜! 初代IWGP(ベルト)は俺が取り戻す」という中邑さんの発言が問題になってます。
棚橋「さんざん、猪木さんという人間にかき回されてきて、そこから離れてリスタートして、ゼロからここまで来たわけじゃないですか? それを『なぜ戻すのか?』と。俺なんか極端な話、絡まなくていいと思ってますから。いまの新日本のまま、いまの新日本の色を出せばいいと思ってるんで。……ま、新日本というか俺の色なんですけど(笑)」
——新日本はあくまで俺色(笑)。確かに、上半期は完全に棚橋色に染まってましたし、今回の発言は「棚橋さんへの反発もあるのか?」と思って中邑さんに聞いたら、「俺は棚橋なんて一言も言っていない」と。
棚橋「フフフフフ(不敵な表情で)」
——この発言に関してはいかがですか?
棚橋「そういう意味で、俺はこの件に関して、静観の構えは変わらないんすよ。だから、今回の件の一番のキーポイントは『いったい誰がここまで中邑を追い込んだのか?』ということでしょ。ああいう発言をせざるを得なくなった“原因”が必ず何かあるんですよ(さらに不敵な表情で)」
——ズバリそれはなんでしょう?
棚橋「そりゃあ、俺ですよ!(キッパリ)」
——ワハハハハハ! 結局は俺(笑)。
棚橋「俺が輝きすぎるから! 俺が強い光を放てば放つほど、彼は焦るわけですよ。『俺も何かをしなくちゃいけない』『俺も人を惹きつける何かが必要だ』と。だから、今回の発言は不穏な空気にはなってますけど、ある意味で“秀逸なコメント”かもしれない」
——棚橋さんへの牽制という意味では「秀逸だ」と。確かにプロレス界を震撼させる強烈なインパクトがありました。
棚橋「だから、こっからはお手並み拝見っすよね。俺は半年間、チャンピオンとして新日本を回してきたんで。『じゃあ、おまえはどう回していくんだ?』と。ベルトを獲るのがゴールじゃない、そこが始まりですから」
——しかも新日本プロレスとしては一番難しい人にボールを投げたわけですし。
棚橋「……一番難しいですよ。それに猪木さんと闘うといっても、勝負のしようもないじゃないですか?」
——闘うかどうかべつにして、中邑さんは「初代のベルトを取り返す」と言っているんですけども。
棚橋「う〜ん。そんなもんクソいらないですね! ……と僕は思うんですけど(笑)」
——棚橋さんにはまったく必要ない。それでも、中邑さんは「会社との真剣勝負」「遊びじゃない」と強硬姿勢を崩していませんが。
棚橋「ま、『やってみろ』って感じでしょ」
■その名前を出すことで逆に『内へ、内へ』向かってしまってる気がする
——加えて、棚橋さんに関しては「しょせん棚橋は会社が作ったライバルだ」とも発言しています。
棚橋「ああ〜……確かに!(笑)」
——そこは同調しちゃいますか(笑)。
棚橋「いやいやいや。まぁ、何事も「両雄並び立たず」っていう側面はありますからね。それに、ある時期までは、確かに僕のほうが中邑の後塵を拝していたという歴史もありますから、まったく意識しないというのはないですけど」
——ちなみに棚橋さんにとって、アントニオ猪木さんはどんな存在ですか? 中邑さんは「新日本の王者なら避けては通れない存在」と言ってますけど。
棚橋「避けては通れない? でも、引退している人とは闘いようがないですよね。ただ、対世間というネームバリューに関してはいまだに誰も追いつけない部分はあるでしょう。でもね、俺の感覚的には、その名前を出してしまうことで逆に『内へ、内へ』向かってしまっている気がするんですよ」
——「内へ、内へ」ですか?
棚橋「一見、『アントニオ猪木』という名前を出すことで、外部へ話題を振っているような気がしますけど、はたしてそのやり方で、プロレスを新しく好きになってくれる新規ファンを開拓できるのかな、と。俺は違うと思うんで」
——ああ、逆に旧態然とした方法論に見えてしまう、と。
棚橋「ええ。俺の方法論はいま、会場に来てくれているファンを大事にしつつ、その周囲にいる無党派層を取り入れていく、それこそがプロレスの復興の近道だと思います。そして、その象徴になれるのは、プロレス、ルックス……すべてを含めて俺しかいないと思ってるんで!(自信満々に)」
——逆にいままでの価値観に縛られすぎなんじゃないか、と。
棚橋「外に外に行きたいのに、内へ内へ向かっているんじゃないの? だから、これは呪い。“ストロングスタイルの呪い”なんです!」
——“ストロングスタイルの呪い”ですか。
棚橋「フフフフフ。そしてね、その呪いを解ける人間は、たった一人しかいないんですよ……(不敵な表情で)」
——え〜と。あえて聞きますが、ズバリ誰でしょう?
棚橋「そりゃあ、俺ですよ!(キッパリ)」
——ワハハハハ! じゃあ、これからの新日本は“呪い”に挑む人間と、“呪い”を解く人間との世界観の激突になる、と。
棚橋「まったくそうですね。まぁ、とにかくスリリングになってきたのは、間違いないでしょうけど」
■中邑を強引にでも振り向かせてやりたいですね
——よくわかりました。最後にご自身の現在の体調というか、リングへの復帰時期についてうかがわせてください。
棚橋「このあいだのタイトルマッチを間近で見て、気持ちがかなりたぎってきたんでね。一刻も早くベルトを取り戻したい、と。いまの中邑の眼中に自分はいないでしょうけど、強引にでも振り向かせてやりたいですね。だから、復帰時期は一秒でも早く、みんなの前にすぐにでも戻りたいですよ(しみじみと)」
——残念ながら、次期シリーズのG1タッグリーグのメンバーには入っていませんでしたが?
棚橋「(すかさず)タッグパートナーがいないんです!」
——ワハハハハハ! なにげにパートナー不在でしたか。
棚橋「現実問題として。気がついたら、ホントに一人ぼっちだったんですよ!」
——じゃあ、まずは友だちを作ることから始めてください。本日はありがとうございました!