The Prospects for「G1 CLIMAX 2009」(5)/8月11日後楽園ホール 大会展望
“外敵勢”の猛威が吹き荒れる「G1 CLIMAX 2009」は、折り返し地点となる8月11日、2年連続で後楽園ホールを経由する。真壁刀義vsTAJIRI、飯塚高史vs杉浦貴、田中将斗vsジャイアント・バーナードといった“聖地”に訪れる玄人ファンを唸らせるような興味深いカードが並ぶ中、最注目はメインイベントで実現する永田裕志vs中西学の“第三世代頂上決戦”だ。
今年5月、デビュー17年目にして悲願のIWGPヘビー級王座初戴冠を果たした中西。1ヵ月半の短命政権だったとはいえ、全国各地で“野人旋風”を巻き起こした事は記憶に新しい。同世代で誰よりも先に「G1」制覇を成し遂げて丸10年。今年の「G1」を自らの“メモリアル大会”と位置づけているだけに、意気込みの高さは相当なものだ。
一方の永田も、今年2月に世界ヘビー級王座から陥落したが、後藤洋央紀や飯塚高史との抗争で抜群の勝負強さを発揮するなど、依然として好調をキープしている。長きに渡る“ライバル関係”もさることながら、「Bブロックは“新日本ぽい試合”が見られると思う」と戦前語っていた通り、両雄が提示する“新日本最高峰の闘い”は見逃せない。
開幕2連敗と出遅れた“ディフェンディングチャンピオン”の後藤は、昨年同様、後楽園大会で“猛牛”天山広吉を迎え撃つ。
飯塚の執拗な襲撃によって、すでに満身創痍の状態となっている天山。1年前のドクターストップ負けという“悪夢”が、すでに頭の片隅をよぎっているかもしれない。ただ、ここまで後藤にシングル2連敗を喫しているだけに、“スリータイムスG1チャンピオン”としては、ホームともいうべき舞台で是が非でもリベンジしたいところだろう。
そして、連覇へ向けて完全に後が無くなった後藤も、ここからの一戦一戦に生き残りが懸かっている。負けた方は優勝戦線から脱落する可能性が濃厚なだけに、これまで以上に熾烈を極めそうだ。