7月7日、都内・飛行船シアターにて、「新日本プロレス戦略発表会」が実施された。
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■コロナ禍で、“会場外収益”が増加! 今後のポイントは、“会場内収益”を元に戻すこと。
冒頭、新日本プロレスの大張高己社長は、本日の会見内容について「『振り返りと成果』、『今後の計画』、『具体的施策』、『各種お知らせ』になります」と挨拶。
まずは、新日本プロレスのビジネスモデルを図解解説、コロナ禍において観客動員が減少する中で行ってきた改革に言及。
苦戦して来た興行や会場物販など“会場「内」収益”に対して、伸ばしてきたのが、映像事業やアプリ、ECサイトなどの“会場「外」収益”だったとコメント。
さらに“もう一軸”としての海外事業に言及。先月末に行われたAEWとの合同興行『Forbidden Door』。そこへ至る過程として、知名度のない中で無観客マッチでスタートした『NJPW STRONG』が、今やPPVマッチもできるようになり、2000人〜3000人規模の大会が連続SOLD OUTするようになってきていると言及。
こうした海外戦略に関し、「他の団体ではなかなか海外でここまでできていない。いまやアメリカの1団体としての地位を築くようになってきている」「現在は日本とアメリカ“並行”でビッグマッチを組めるようになってきている」と、その成果に胸を張った。
さらに、コロナ禍前との収益を比較し、前述した“会場内事業”は打撃を受けたものの、追い風が吹いている部分に注力した “会場外事業”を拡大した結果、「会場に訪れるお客様は半減したものの、トータルでは2割減ぐらいの事業規模で、なんとか耐え忍んできた」と説明。
また、直近1年間では、「対コロナ禍前との比較では、“会場外収益”が7割増、同様に海外事業の収益率は2倍になっている」とコメント。
さらに、今後のポイントとして、「“会場内収益”を元に戻すこと」とし、「つまりは“本丸の回復”。2年間以上、選手も社員も、そしてお客様も我慢して下さった。その一方で、“会場外収益”は、強い足腰となっていまの新日本の事業を支えてくれているし、アメリカにも活躍の場を広げることができた。国内のアプリ、新日SS、新日コレクション、新日本プロレスワールドもシッカリと収益の基盤となった」と解説。
「海外で生まれた『NJPW STRONG』から生まれたリレーションシップから、満を持して福岡PayPayドーム、『BEST OF THE SUPER Jr.』や『G1 CLIMAX 32』では、新たな海外の選手も参戦してくれるようになった。いよいよ、ここから我々は“会場内”にお客様をお迎えし、強くなった“会場外”の足腰とともに、“本丸の回復”を経て、過去最高の領域に突入して行く」と意欲を語った。
■選手年齢の分布に言及「持続的な成長のためには、若い選手の獲得が大事」
ここからは、「選手や大会に関する戦略」について発表。まず、「“選手年齢分布の変化”に言及。「10年前の全体選手層は、25~34歳が一番多かったが、現在は31~39歳がボリュームゾーン。日本人に限ると10年前は20~34歳位が多かったが、現在は30~44歳がボリュームゾーンになっている」と説明。
「今後、新日本の持続的な成長のために、若い選手の獲得が大事になる。また、より若いファンの皆様にプロレスの世界に入っていただくためにも、持続的成長のためには若い選手の獲得、彼らが活躍することが重要となる」と展望を語った。
また、現在の外部環境として、「現在の日本は65歳以上まで働かなくてはいけない状況で、大学・短大に進む人は8割を超え、少子化や若年層のスポーツ人口も減少(10年で15パーセント減)している」とし、「レスラーになる人は何かしらのスポーツを行っている。またレスラーになると65歳まで現役でいるのは難しい。さらに、大学を卒業すると22歳からプロレスに新たに入門することになる」以上を踏まえて、「今後プロレスラー志望選手は減る方向にある」と分析。
その突破口として、「学校に通いながら道場に入門できる状態も検討していく必要がある」と将来のプランを語りつつ、「普通のビジネスマンと比べると引退が早く、セカンドキャリアや収入のサポートができるようにならないと、若手がプロレスラーになりにくくなる。プロレスラーになることの魅力度を上げる必要がある」とコメントした。
■アメリカ興行で、女子レスラーを組み込んだ試合を実施! 今年10月にイギリスで興行開催!
また、グローバルスタンダード、海外事業の成長に関しては、先日のAEWとの合同大会をサンプルに、「海外の興行では男子だけ、女子だけというのは少ない」「まず、アメリカ法人『NJPW OF AMERICA』の主催興行で女子レスラーを組み込んだ試合を行っていく」として、「その際は、世界一の女子団体、国内2位のSTARDAMとタッグを組んで行っていくのが最優先」とプランを語った。
また、アメリカ以外の国へ再進出に関しても、「10月にイギリス興行を行います。さらに、ニュージーランド道場があるオセアニアへの進出も検討中」であると明かした。
また前述した、“本丸”を強化するプランとして、「会場に来て、レスラーを生で観て、体感する習慣を皆様に取り戻してもらう」ためには、年間最大シリーズで『G1 CLIMAX』が一番として、このシリーズの取り組みに関して言及。
『G1 CLIMAX』過去3年の動員に関しては
・コロナ禍前の、2019年夏は9.6万人、
・コロナ禍に入った、2020年秋は3.6万人、
・コロナ禍の続いた、2021年秋は2.8万人、
・今年は、去年の倍である「5万人のお客様に来ていただくのが目標」
として、さらに「現時点ですでに約3万枚のチケットが売れている」と明かした。
この『G1 CLIMAX』に関して、今年は国内外の28名の選手が集結、ユニット別の応援シートを用意していること。また、どの大会でも「原則1枚のチケットで『G1』全エントリー選手が見れるようにする」とし、試合が組まれるのが難しい場合は、撮影会やサイン会で会えるようにするよう調整中とコメント。
また『記録的盛りだくさん』な『G1 CLIMAX』入場特典に関して
・『SUPER Jr.』で好評の大会ごとに異なるデザインチケット。
・『Reバース』や、『新日コレクション』のリアルカード配布。
・各大会でスタンプが異なる「スタンプラリー」実施。スタンプの集まった数で特典を用意。
※全大会の皆勤賞は、
・全員の印字プリントサイン入りTシャツ。
・佐賀県・唐津市へのロケ同行できる権利
・デザインチケットのコンプリートセット等が用意されている。
■8月20日(土)、野外大会『G1 SPECIAL in 六本木ヒルズ』を開催!
さらに、『G1』後には『G1 SPECIAL』が一夜限りで復活!六本木ヒルズアリーナにて、 8月20日(土)『G1 SPECIAL in 六本木ヒルズ』が実施されることも決定した。
ここで、“100年に1人の逸材”棚橋弘至選手が登場! 8月20日(土)『G1 SPECIAL in 六本木ヒルズ』について、大張社長と棚橋選手がコメント。
六本木という場所、野外での大会ということで「コレ、いいですね!」と笑顔を見せた棚橋に、「(昨年8月のLA大会)棚橋選手が出た『RESURGENCE』を思い出しました。ここで棚橋さんにも輝いて頂きたい一人」と語ると、棚橋選手も「プロレスを知らない人にも、『なんかやってるな』と通りすがりでもいいので見てほしい」とコメント。
■11月20日「新日本プロレス×STARDOM」のミックスドマッチは2試合程度、試合ルールを設定!
ここから二人は、11月20日に行われる「新日本プロレス×STARDOM合同興行」に言及。棚橋選手は「新日本プロレスの試合もあって、STARDOMさんの試合もあって、注目なのがSTARDOMの選手と新日本の選手がタッグを組んでミックスドマッチをやるかどうか?」と問題提起。
これに対し、大張社長は棚橋選手に試合形式を相談。まず、ミックスドマッチとなった際の懸念点として大張社長は「タッグマッチで男子&女子vs男子&女子となった時、相手チームに女子レスラーが出てきた。棚橋選手は女性レスラーを叩けます? 蹴れます?」と質問。
棚橋選手は「女子レスラー特有の技の受けや、身体の柔らかさはあると思いますけど、(女子と闘うのは)ひっかかってますね」とコメント。
そこで、大張社長は「今回は対抗戦をやるわけじゃない。ブシロード傘下の新日本プロレスとSTARDOMがいわば“お祭り”の中で戦うわけなのでこうしたい」とルールを提案。
「相手が男子レスラーの場合は、こちらも男子レスラーが闘う。相手が女子レスラーにタッチしたら、強制的にパートナーの女子レスラーに変わらなければいけない」と語り、「詳細はこれから」としながらも、ミックスドマッチの基本ルールを設定。
来場したファンからも賛同の拍手を浴びる中、棚橋選手は「みなさんご理解ありがとうございます。でも、反則は5秒以内はOKですからね」とニヤリする場面も。大張社長は「このミックスドマッチを2試合程度組みたいと思っています」と言明した。
■棚橋弘至選手がプロデュース! なんと新日本プロレスから、プロテイン飲料が発売予定!!
また、大張社長は「会場の外でのビジネス展開」「ヘルスケア事業」として、新日本プロレスと棚橋選手がプロデュースしているプロテイン飲料に関しても発表。
コンセプトは“元気が出るプロテイン”で、すでにパッケージデザインも進んでいる最中。だが、棚橋選手は「パッケージに棚橋を載せるかどうかで議論が白熱しているようです」と苦笑しながらコメント。
さらに棚橋選手は「いまのプロテインは、どのメーカーさんも味が美味しいですけど、このプロテインには、なにかスペシャルな成分を入れようといろいろ提案してもらっている最中でして、『疲れない成分はないですか?』とか聞いている、『痩せる成分ないですか?』と聞いています(笑)」と開発過程を明かし、「味は美味しいヤツを選んで、2種類くらい用意したい」と語った。
大張社長からは、「棚橋選手には、“プロテイン3箇条”みたいなのを考えてもらって売り出してほしい。例えば、『疲れない、太らない、飽きが来ない』とかどうですか?」と提案。
棚橋選手は「耳が痛い」と苦笑しながら、「プロテインでは、1日、血中アミノ酸濃度を一定にしたいので最低でも朝、トレーニング後、寝る前と3回には飲みたいので、飽きが来ないのはとっても大事」とコメント。
開発の進行次第では、「この冬発売できるかもしれない」と明かした大張社長。最後に棚橋選手は、「この後、もう出てこないので……。『G1 CLIMAX』ちょっくら優勝してきます!」とおなじみの決め言葉で締めくくった。
■選手の入場テーマ曲を生演奏でお届けする音楽フェスを今秋開催予定!
このコーナーの最後で、大張社長は、「コンテンツ系事業」についてコメント。現在話題のNFTビジネスへの進出に関して、直近で新日本プロレスでも「NFTアバター」として、エル・デスペラード選手、高橋ヒロム選手、棚橋弘至選手、内藤哲也選手、のモデルをオークション形式で販売して完売。今後は、今後は定額、低価格で数量限定で販売を準備。
さらに、グッズの形式もアバター以外のタオルやシャツでの販売も検討。「仮想通貨以外」の法定通貨で購入できる手段も模索していくとのこと。
また、「50周年特別施策」として、なんと選手の入場テーマ曲を生演奏でお届けする音楽フェスを今秋開催予定、と発表した。
対象の入場曲は、今の現役選手はもちろん、かつてのOB選手の名曲、さらにボーカルが入った曲もカバーの予定。また、OB選手を招いたトークショーも検討しているとのこと。詳細は具体化次第、発表される予定とのこと。
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