「俺は生まれながらの王者」(棚橋)/「DOMINION 6.20」スペシャルインタビュー(1)
6月20日に大阪府立体育会館で開催される「DOMINION 6.20」。
その最大の注目は、王者・中西学選手と挑戦者・棚橋弘至選手が激突するIWGPヘビー級選手権試合。2人は「BEST OF THE SUPER Jr.XVI」の中で連日に渡ってタッグ対戦。激しい前哨戦を繰り広げている。いよいよ間近となった大阪決戦を前に、中西、棚橋両選手を直撃した——。
–中西選手に王座を奪われた5月6日後楽園ホール大会から、すでに1ヶ月が経過。現在の状況は?
棚橋「ベルトのあるなしにかかわらず、俺のパフォーマンスのクオリティは変化しないですから。上がり続ける一方なんで。俺自身、ファンに見せたいもの、伝えたい部分は、見せられている。まぁ、ベルトがあった方が、よりサマになっているというだけで」
–ベルトに執着はないと?
棚橋「ベルトを巻くことによって注目度が上がる。俺という人間に、日本国民を全員振り向かせたいんですよ。そのためにベルトは必要ですね。付加価値です。俺メインですから(ニヤリ)」
–連日、中西選手と前哨戦で当たっていますが?
棚橋「色々頭を使って試してますよ。プロレスに入って一番頭を使っていますね。それぐらい、中西選手はドンと構えているというか。でも、前哨戦は色々な意味で俺にプラスになりました。崩しようがないんですよね。中西学って人は。『じゃあ、崩さなくていいじゃん』という発想の転換というか、『また違う闘い方があるでしょう』と思えるようになって。俺の中で光が見えています」
–打倒・中西の戦略がある?
棚橋「戦略を立てても効かないんで。『敵を知り己を知れば百戦危うからず』なんですけど、相手が知れないんです。ホントに予測不能ですよね。まだ、底がありますよ、あの人は。揺るぎないスタイルというかね。あの人がパワーを全開にしたらリングをひっくり返しますよ。とりあえず、動きを止めるしかない。脚攻めがどこまでできるかというところですね」
–やはり、中西選手のフィジカルな強さは脅威ですか?
棚橋「中西選手があの体に生まれてきたさだめというか。それが僕のアドバンテージですね。僕はこの大きさで生まれてしまったから、色んなことを考える。大きな選手だったらやらなくていいことも、色々と頭を使ってプロレスに費やしてきたんで。シリーズ中のコメントでも言ったんですけど、キャリアは向こうの方が長いですけど、プロレスを見たり考えたり、プロレスに費やしている時間は絶対に俺の方が長いです。自信がありますね」
–ファンの支持率についてどう思いますか?
棚橋「俺は興味ないですね。俺は俺であればいいし。自分の思った通りのプロレスができれば満足なんで。中西選手の支持率が高いのは、プロレスが人間を見せるスポーツだから。17年というタメがあって、中西選手の生き様をファンに見せたからであって」
–中西選手は、これまであまり見せなかった監獄固めを出したり、新技の投入も予告していますが?
棚橋「やっぱり攻めに転じてますね。いいんじゃないですか。自分で『挑戦者であり続けるチャンピオン』と言ったんで、有言実行してるんじゃないですか? まぁ、肩書きが王者と挑戦者で変わっただけで、俺は王者の闘い方をしますよ。俺、王者が長かったんで、王者の闘い方しかできないんです。生まれながらにして王者なんで(ニヤリ)」
–中西選手は下半身の強化を中心に、特訓を重ねているといいますが?
棚橋「俺はしないですよ。ただ、新技がないことはないです(ニヤリ)。中西選手も試行錯誤しているんじゃないですかね」
–IWGP戦に向けて一言。
棚橋「俺は、中西選手でつまずいている場合じゃないんですよ。だから、必死こくつもりはないです。勉強せずにテストでいい点を取るスカした奴みたいな感じで、サラッとベルトを取り返します。恪の違いを見せますよ」