プロレス界随一の論客・“GK”金沢克彦氏の独特の視点から、現在進行形の新日本プロレスに関するコラムを続々レポート(不定期連載)!!
今回は「3年という長旅から帰還した男。“シン”KUSHIDAを見せつけることができるか?」6.21後楽園ホール大会を大総括!!
■『NEW JAPAN ROAD』
7月3日(日) 17:30開場 18:30試合開始
東京・後楽園ホール
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7月4日(月) 17:30開場 18:30試合開始
東京・後楽園ホール
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7月5日(火) 17:30開場 18:30試合開始
東京・後楽園ホール
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※以下、コラムの序盤を無料公開!
■需要と供給がピッタリ一致したからこその、パンデミックス以降初の札止め興行となったのだ。
2020年春からの新型コロナウイルス蔓延に伴い各種イベントの中止→無観客試合での開催→観客制限を行なってのイベント開催を経て、プロレスの聖地と言われる後楽園ホールでの興行に関しては、1月末より観客数制限が解除された。
それから約5ヵ月、ついに後楽園ホールが超満員の観客(1380人=札止め)で埋め尽くされた。
6月21日、後楽園ホール。事実上、メインイベントのIWGPジュニアヘビー級選手権1本で勝負した大会。そこに大きな意味がある。先の『BEST OF THE SUPERJr.29』(以下、『BOSJ』)は、6・3日本武道館大会で優勝決定戦が開催されたが、シリーズ全体を通しての盛り上がりは近年にないもの。
それを受けての優勝決定戦(高橋ヒロムvsエル・デスペラード)は大白熱戦となり、武道館は拍手と手拍子だけでも熱狂的空間と化したし、立会人を務めた藤波辰爾も試合内容を絶賛していた。
この2年……コロナ禍にあって2020、2021年と年末の『WORLD TAG LEAGUE』と併催という形式を余儀なくされてきたし、エントリーメンバーも絞らざるをえなかった『BOSJ』だけに、3年越しにジュニア戦士たちの思いの丈が爆発した感もあった。
3連覇を達成した高橋ヒロムが最後にマイクを手に言い放った「みんな、見ただろ!? これがオレたちの『スーパージュニア』だぁー!!」の雄叫びがジュニア戦士たち全員の覚悟や胸の内を代弁していたように思える。
そういった機運もふくめて、IWGPジュニアヘビー級選手権が、6・12大阪城ホール大会にラインナップされることなく、後楽園ホールで組まれたことは正解だった。
いま現在のジュニアヘビー戦線を象徴するIWGPジュニア王者vs『BOSJ』覇者という最上級カードは、やはりメインで実現させるべきだし、ファンもそれを望んでいたと思う。その需要と供給がピッタリ一致したからこその、パンデミックス以降初の札止め興行となったのだ。
■タイトルマッチにかぎっていうなら過去の戦績は2戦して1勝1敗の五分。そういう意味でも、頂上対決に相応しい舞台設定がすべて整っていたのだ。
王者・石森にとっては初防衛戦でありながらも、ある意味リベンジマッチ。というのも、『BOSJ』公式リーグ戦の最終戦でヒロムに敗れ、優勝戦進出を逃しているからだ。
しかも、ヒロムのD(三角絞め)を食ってレフェリーストップ負け。この敗戦は王者にとって屈辱的でもある。一方、『BOSJ』3連覇、通算4度目の優勝というレコードを作ったヒロムからすれば、ここでベルト奪還に成功したら胸を張って、「オレが現・新日ジュニアのトップ」と宣言できるだろう。
『BOSJ』の優勝インタビューでは、「いま現在のジュニアのトップはデスペラードだと思う」と語っていたものの、もうひとつの大きな勲章を手に入れたら自身が抱いている感覚を変えることができるはず。奇しくも、そのデスペラードが放送席のゲスト解説について試合を見守るという絶好のシチュエーションが出来上がっていた。
石森vsヒロム戦に関して、ことタイトルマッチにかぎっていうなら過去の戦績は2戦して1勝1敗の五分。そういう意味でも、頂上対決に相応しい舞台設定がすべて整っていたのだ。
試合は序盤から石森がペースを握っていた。場外でヒロムの左腕を固めるとエプロンを利用してスイング式アームブリーカーという荒技で先手をとる。それ以降、ヒロムの左腕を徹底的に殺しにいく。
切り返し技も冴えわたる。ヒロムが得意のサンセットフリップ・パワーボムを狙うと、バック宙で着地してからヒロムを抱えて左肩から鉄柱へ打ちつける。
あのヒロムがスピードと切り返し技で翻弄されている。あらためて石森のスピードと熟練のテクニックには、驚嘆させられる。私が見ていても、「ウワッ!」と思うのだから、観客の驚きは半端ないものだったろう。
石森が鮮やかなカナディアンデストロイヤーを決めると、ヒロムも意地でコーナーへのフロントスープレックス。なんとか王者の勢いをストップさせたヒロムがエルボーの応酬で打ち勝った。
気迫の打ち合いとなると、ヒロムのペースか。ビクトリーロイヤル、コーナーへのデスバレーボムと畳みかけていく。ところが、石森はペースを渡さない。ヒロムの追撃を許さないのだ……。
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