未来のエース候補の誕生なるか!?/“春の特別編”入門テスト(報告)
5月10日、都内の新日本プロレス道場にて、入門テストが開催され、マスコミに公開された。
「身長・体重・年齢・スポーツ歴を問わない」と間口が広げられた今回は“春の特別編”と銘打たれ、書類審査を通過した計24名の入門希望者が参加した。
試験官を務めたのは、永田裕志選手、棚橋弘至選手、平田淳嗣選手、田口隆祐選手、三澤威トレーナー(その他、IWGPヘビー級王者・中西学選手や小林邦昭氏が入門テストの様子を見守り、平澤光秀選手、岡田かずちか選手、吉橋伸雄選手が補佐として参加)。
まず、三澤トレーナーが「プロレスラーになるために、誰もが通る道です。『どうしても入門したい』という人だけ受けてもらって、これを何かの記念とか、それぐらいに考えている人は帰ってもらって構いません。最後までやれる自信のある人だけ受けて下さい」と、入門希望者たちに述べ、そこから以下のメニューで審査が行なわれた。
・身長・体重測定
・反復横飛び(20秒間で回数を計測)
・懸垂
・腕立て伏せ(50回)
・マット運動(リング上で前転・後転)
・自己アピール
・50メートル走(何秒で走れるかタイムを測定)
・ジャンプ・腿上げ運動などを1セット3回
・スクワット(300回)
選手たちが真剣な眼差しを送る中で、メニューをこなした入門希望者たち。自己アピールでは、シャドーキックボクシングや柔道の投げ技、アマレスのタックル、受け身、さらにはサンドバッグにキックを入れたり、筋肉をアピールしたり、股割りで体の柔軟性を見せたり、ビクトル式膝十字固めを極めたりと、個々に特技を披露した。
また、棚橋選手は、参加者たちに上半身を脱いでもらい、筋肉をチェック。入門テスト終了後には、今回の参加者で最年少だった中学2年生の少年に「これから身長はまだ伸びるよ。まずは中学校を卒業しないとね。頑張って」と、言葉をかける場面もあった。
■選手・試験官の入門テスト総評
中西「今回は(参加条件の)枠を広げたんだけど、よかったと思うよ。1人、(50メートル走で)凄く足の速い子がいたよね。頑張っても足だけは、なかなか速くならないからね。天性のものを感じたよ」
永田「将来性を考えたらなかなか優秀な選手になれそうな子が何人かいました。人数が結構来たのは、身長や年齢とかの枠を取っ払った成果だと思います。やっぱりこういう枠を広げるやり方は、今の時代に合っているのかなと。ただ、入ったら入ったでその厳しさは変わらない。プロレスラーになる上での基準を下げるわけにはいかないんでね。入門は許せても、そこからどれだけ努力ができるか。その厳しさは変えちゃいけないと思います。色々考えさせられる、いい入門テストでしたね」
棚橋「こうやって『プロレスラーになりたい』という気持ちを持っている人が増えるほど、プロレス界の発展に繋がると思う。こういうスゲェ熱のある入門テストを見られて、『プロレス界も捨てたもんじゃないな』と。自分のことになるんですけど、パワーをもらいました。あと、今日は“100年に1人の逸材”を探していたんですけど、(自分以外に)たくさん“100年に1人”がいたら俺の立場がないので(笑)。でも、基礎ができている人が多くいたし、光るものはありましたよ」
平田「枠を広げたから、体の大きさで足りない部分はあるけど、かなりできているよね、体力的に。時々、『選手に会える』『道場の中に入れる』というファンの気持ちで来る人がいるんですけど、今日はそういう人がいなかったです。全員から『新日本プロレスに入りたい』という気持ちが凄く伝わってきましたよ。俺の気持ちとしてはみんな入れてあげたいけど、そうもいかないか(笑)。ただ、今日のテストだけじゃ分からないからね。受かってからが勝負なんですよ。今日が始まりだから。みんな一生懸命やっていた姿を見て、なんか昔を思い出しましたよ。(自分が入門テストを受けた場所である)大田区体育館の時のことを」
田口「体力がなかなかあって、やる気もありましたね。この中から何人かデビューできると思います。僕の中では、(ゼッケン)1番と9番の人がよかったです」
三澤「枠を広げたことで、多くの人が集まった。こういうテストを続けていくことで、広く人材を見て、その中からより優れた人たちを入門させて育てていく。逆にそういうトレーニングを知らない人たちには、教えて、育てて、またテストをやって入門させてみる。もっともっと可能性が広まるんじゃないですかね。ただ、勘違いして欲しくないのは、入る基準は厳しいので。ハードルは全然下げていませんから。(今後の展望として)そのハードルの下の開拓・発掘・育成。トレーニングをする場所や機会を提供して、そういう段階で育ていけばいいんじゃないかと。やっぱり(しっかりとしたトレーニングを)やっているとやっていないのでは違うので。新日本プロレスももっと底辺から力を入れて育てる必要があるんじゃないかと思いましたね。ちょっとやろうかなと。“プロレス学校”復活ですよ」」
なお、今回の入門テストの合格者は、後日発表される。