「俺の役目は終わった」永田、防衛失敗も敵地で大コール浴びる/2月27日ZERO1後楽園大会試合結果
ZERO1
「ZERO1 WRESTLER’S Belief’09」
2月27日(金)
東京・後楽園ホール
第6試合
60分1本勝負
世界ヘビー級選手権試合
○大谷晋二郎
(挑戦者)
(20分48秒 ドラゴンスープレックスホールド)
×永田裕志
(王者)
※永田が4度目の防衛に失敗。大谷が第3代王者となる。
=試合経過=
至宝奪還に燃えるZERO1の“社長”大谷を挑戦者に迎えた、世界ヘビー級王者・永田の4度目の防衛戦。敵地でありながら、西側のバルコニーに無数の「永田」ボードが貼られるという異様な光景の中、大谷が大歓声を背にして先に入場。一方の永田は、「永田」ボードを持った新日本ファンに迎えられるも、ZERO1ファンから大ブーイングを飛ばされ、アウェーの先例を浴びる。
だが、永田は全く動揺した素振りを見せず、試合が始まると大谷へニーリフト&ミドルキックの連打。対する大谷は、蹴り足をキャッチしてドラゴンスクリュー。そして、エプロンに立った永田をフロントハイキックで場外へ蹴落とす。
永田は、客席にあった袋を蹴り飛ばして怒りを露に。リングに戻るとフロントキック合戦に臨むも、大谷に打ち負ける。しかし、先シリーズで後藤洋央紀を苦しめた、膝へのニーリフトをカウンターでヒットさせて形勢逆転。これで左膝を痛めた大谷はなかなか立ち上がれない。
永田は、そんな大谷に「どうした! 立て!」と罵声を浴びせ、お株を奪う顔面ウォッシュ。苦しい大谷だったが、永田のフロントキックをキャッチし、顔面ウォッシュでお返し。さらに、ニールキックをヒットさせる。ところが、永田はエクスプロイダーですぐに応戦。タイナー、雪崩式エクスプロイダーで攻勢に出る。
永田にバックドロップで投げられそうになった大谷は、ロープを掴んで不発させ、ジャンピングキック、串刺しフロントハイキック2連発、投げっ放しジャーマン。すると、永田はドラゴンスープレックスのクラッチを外し、カウンターのフロントスープレックス、垂直落下式ブレーンバスターで大谷にカウント3を迫る。
永田は、大の字状態から起き上がった大谷に、強烈なローキックをヒットさせ、ナガタロック。敬礼ポーズの際にZERO1ファンから大ブーイングを飛ばされつつも、ガッチリと脚部を固めて大谷を悶絶させる。
それでも大谷は耐え抜き、なんとかロープエスケープ。左脚を気にしながらエプロンへ逃れる。永田はその大谷をロープ越しに攻撃。すると、大谷はヘッドバットで永田に応戦し、スワンダイブミサイルキック、スパイラルボムで一気に反撃に出る。
「大谷」、「永田」コールが交錯する中、永田は走ってきた大谷へローキック。そして、ハイキックからバックドロップホールドへ。カウント2でクリアした大谷は、2発目のバックドロップをボディプレスで切り返し、カウンターの袈裟切りチョップ。そして、串刺し式の袈裟切りチョップからスパイラルボム。
これを永田にカウント2でクリアされると、すかさずドラゴンスープレックスホールド。これで永田はピンフォールを奪われ、4度目の防衛に失敗。大谷が第3代王者に輝いた。
試合後、マイクを手にした永田は、「俺の役目も終わったみたいだな。(客席から『そんな事ないよ』という声が飛ぶと)そうか、ありがとうな(この直後、ZERO1ファンたちは大拍手を送り、大『永田』コールを飛ばす)。色々災難だらけのZERO1で大変なのは分かる。お前が柱になって俺が価値を上げたベルトを、ZERO1を守っていけよ。1つ言っておいてやる。このベルトを持ってZERO1の最前線で闘わないといけないのは、大谷晋二郎だって。悔しいけど、初めてここに見えちまった“プロレスの教科書”に書いてあったよ、424ページだ(ZERO1ファン、大拍手&大『永田』コール)。またそのうち会おう」と、大谷を称えるコメントを述べ、大歓声を浴びながらリングを降りた。
なお、永田が去った直後、この一戦を視察していたWPFのスティーブ・コリノがリングに乱入。大谷は、コリノを挑戦者に急遽タイトルマッチを行ない、スパイラルボムで勝利。初防衛に成功した。
=試合後コメント=
永田「今更どうこう言わないよ。橋本真也から大谷晋二郎中心のZERO1-MAXになった時から、『ZERO1の最前線で闘わないといけないのは大谷晋二郎だ』って思っていた。皮肉にも、そのきっかけを作ったのは俺。何だかスゲェ皮肉に感じました。久しぶりの明るいニュースじゃないですか、ここ(ZERO1)にとって。(ZERO1ファンからの大歓声は)役目が終わったという事でしょう。まぁ、本当にこれで俺の役目は終わったという感じですね。何か俺にやらないといけない事が出てきたら、まだ出る。一生出ないわけじゃないし。俺はまだまだ若い世代の壁になっているんだから。彼(大谷)は頭がハゲていても、俺より4歳下ですからね(笑)。若いんですから、まだまだ踏ん張ってほしいですよ」