棚橋、永田、タイガーの“3王者”が揃い踏み!/「レッスルキングダムIII」一夜明け会見
1月5日、新日本プロレス事務所にて、昨日1月4日東京ドーム大会で激闘を演じたIWGPヘビー級王者・棚橋弘至選手、世界ヘビー級王者・永田裕志選手、IWGP Jr.ヘビー級王者・タイガーマスク選手の“3王者”が一夜明け会見を行なった。
まず、会見に同席した菅林直樹社長が、次期シリーズの一部対戦カードを発表(別項参照)。棚橋選手の初防衛戦の相手として中邑真輔選手を選出した理由を「武藤敬司選手を倒した棚橋選手の強い意向です。(中邑選手の挑戦は)まだ早いのではないかという意見もありましたが、私が与えた“対ノア”でしっかりと結果を出したのが決め手となりました」と明かした。
また、TNAに流出したIWGPタッグ、Jr.タッグについて、「すぐにでも渡米させて取り戻させたいですね。悔しくてしょうがないでしょうから。G・B・Hは聞いてないですけど、NO LIMITはすぐにでも行かせてくれと言っていました」と話していた。
その後、“3王者”はそれぞれコメントを述べた。
■棚橋選手のコメント
「今朝起きてみて、膝が痛いなと。股関節まで痛くなっていたので、攻められたなと実感しました。試合中、武藤さんがミスをする事があって、気持ちもイーブンになったし、猛攻も耐えてベルトを取り戻せてよかったです。ケガから今までが長い、長いプロローグだなと。これからチャンピオンとして好きに振舞って、どの会場もフルハウスにして、最終的には“フルハウス・チャンピオン”と呼ばれるようにします」
■永田選手のコメント
「ここ2年ほど、年明けの試合は負けが込んでいましたが、昨日は結果を出す事が出来ました。正直、ここ3ヶ月ぐらい自分の体調があまりよくなくて、その中でもいい状況で持っていきましたが、体調的な不安から『どこまで出来るかな』っていう気持ちがありました。そんな中で、試合後にたくさんの方々から(大会の)ベストマッチだったというような言葉をもらって、ちょっと自信になったなと。まぁ昨日はいい試合がたくさんありましたけどね。今回は、カード的に(昨年)10月の再戦で話題性が低かったですけど、よくあそこまで魅せられたなと。それは僕の力だけじゃなくて、田中(将斗)選手の力量が素晴らしかった。田中選手は敵ですけどね、豪華な東京ドーム大会の中で僕達の試合がベストだったと評価されたから、『やったぞ、田中』とエールを送りたい部分があります。今年の抱負を言わせてもらいますと、棚橋が一生懸命頑張って素晴らしい試合をしてIWGPのベルトを取り戻しました。でも、昨年1年間を考えると、中邑とか後藤(洋央紀)とかね、若い選手達が武藤さんに挑戦したけど、翻弄されてベルトを獲れなかった。やはり武藤さんの凄さばかりが出て、彼らの力量がまだまだ青いという現実は、ちょっと僕らは彼らを後押しし過ぎた。本来、もっと壁になるべきところで一歩引いたから、彼らの力量を高められなかったのかなと。それをちょっと反省しました。2年くらい前に何回もシングルマッチをやった事で、棚橋弘至っていうレスラーの力量を高め、今回、棚橋が武藤さんからベルトを獲れたっていうのは、色んな意味で貢献したのかなという自負もありますし。今年は、改めて彼らの前にデカい壁として立ちはだかりたい。機会があれば、チャンピオンの棚橋の前にも立ちたい」
■タイガー選手のコメント
「このタイトルマッチを無理を言って組んでもらって、まずその面子を保てたかなと。あとは、(ベルトを)海外流出させてしまった責任をとれてホッとしています。相手のロウ・キーに関しては、やはり素晴らしい選手です。彼がG・B・Hにいたのは、このJr.のベルトを獲りたいがためだったのかなと。昨日の試合を見れば分かるように、彼はそういうチームにいてもいなくても関係なく、本当に素晴らしい選手だと思っている。彼がまたこのベルトに挑戦したいと言うなら、いつでも受けます。このベルトを獲った以上、“常勝チャンピオン”として、タイガーマスクの時代をもう1度作ります。そして、Jr.の象徴と呼ばれるように、このベルトを守り続けます」
■マスコミとの質疑応答
–昨日の試合後、ミスティコ選手が挑戦をアピールしていたが?
タイガー「ミスティコ選手は、メキシコでもよく僕の名前を出してくれていると聞いて。昨日もビックリしてね(笑)、終わった後にああいう形で挑戦したいと言ってきてくれた。僕にとっては試合が出来れば願ったり叶ったりなんですけど、ミスティコ選手がもっと新日本のシリーズに参戦してくれればチャンスがあるだろうし。昨日、(獣神サンダー・)ライガーさんも挑戦に名乗りをあげているようですし。僕は常々“対外国人選手”と言っていますけど、ライガー選手がそう言っているなら、誰の挑戦でも受けると。さっきも言ったように僕は常勝チャンピオンを目指しますので、このベルトは絶対に渡さない。誰が来てもOKですね」
–大谷晋二郎選手が挑戦を訴えているが?
永田「大谷晋二郎が出てきていますけど、このベルトを獲る前に完全に退いていますので。何かハクをつけてもらわないと。ちょっと簡単には(挑戦を)受けたくないですね。田中選手とは2回やったけど、僕に1回敗れた後にタッグながら僕からフォールを取っているし。そういう“行ける”っていう実績を、大谷なりZERO1の選手が得れば挑戦を受けます。それがなければね。ZERO1ばかりに目を向けていましたけど、新日本の中でもいいし、他の世界でもいいし、これのベルトを懸けるチャンスがあればやってみたい」
–IWGPヘビーに興味はあるか?
永田「さっきも言ったように、団体の底上げのため、自分自身の挑戦のためも含めて、もう1度壁にならなきゃいけないという気持ちがありますから、機会があればIWGP挑戦も視野に入ってくる。まぁ周りが自然と僕を押し上げてくれるでしょう。焦ってはないですよ。せっかく棚橋が新日本に取り戻してくれたんですから。昨日の必死に武藤さんから勝ちにいく、棚橋の闘いぶりは素晴らしいなと。こういう棚橋がやっぱり本物だなと、僕的には。本人の力量が一番出るのは、昨日みたいに必死に勝ちにいく試合だと思いました。まだ厳しいなと思えば、また僕の出番が出てくると思いますし」
–中邑戦が決定したが?
棚橋「俺は100年に1人の逸材。言わせてもらえば、レスラーとしての格が違いますから。僕の認識とファンの認識にまだズレがあるので、それをしっかり見せたい。とは言いつつも、去年2回負けているので、しっかりと決着をつけないと。これから輝かしいチャンピオンロードが待っているので」
–王者としての抱負は?
棚橋「防衛しまくりたいですね。短いスパンでいいんで、月に2回くらいタイトルマッチをやって、20回防衛して“永田さん越え”をという、常に大きい野望を。初詣で(おみくじで)大吉を引いて、初戦のタイトルマッチで勝って、こんなに縁起がいい男はいない。会場に来て触って下さい。ご利益がありますよ」
永田「(棚橋にIWGPの防衛)記録が破られそうになった時に、出てきたらカッコイイかなと。10回目の防衛戦で僕が出てきたら大会も盛り上がるし、僕的にもカッコイイかなと。一瞬、ちょっと頭をよぎった。まぁ防衛を阻止しないとかっこ悪いでしょうけどね(笑)」
また、会見中にタイガー選手は「このJr.のベルトは、歴代の選手達が巻いてきて凄く思い入れがありますが、これからのJr.を盛り上げていく為にも、新しいIWGP Jr.のベルトを作って頂きたいです。よろしくお願いします」と、ベルト新調を菅林社長に懇願。菅林社長は、検討すると話し、“3代目”IWGP Jr.のベルトが誕生する可能性が浮上した。