「交わる事の無かったNOAHと闘う事で、大きな変化があると信じている」(中邑)/1月4日ドーム 追加対戦カード発表会見
12月11日夜、都内のホテルグランドパレスにて、2009年1月4日「レッスルキングダムⅢ IN 東京」に関する記者会見が開かれた。発表された2試合のテーマは、新日本プロレスリングVSプロレスリングNOAH。約3年半の歳月を越え、2つのメジャー団体が再び交錯する。
まず、最初に登場したのは中西学選手とNOAHの秋山準選手。レスリングの名門、専修大学の先輩後輩で、学生時代から面識があるという間柄だけに、2人だけにしか分かりえない感情、思惑が燻ぶっている。会見に同席した菅林直樹社長は、中西選手が“NOAHの至宝”GHCヘビー級王座への次期挑戦権を獲得している秋山選手を下し、挑戦権を強奪する事に期待を寄せた。
=中西選手のコメント=
中西「ドームというデッカイ舞台にNOAHが来るっていう話やから。せやったら、チャンピオン連れて来いっちゅうんで言うたんですよ。それはチャンピオンクラスちゅう意味で、期待してくれたのに申し訳無いんですが、先の事は考えて無かった。せやけど、チャンピオンクラスの秋山が来てくれたから、俺は言う事は無いですよ。非常に楽しみです。非常に正統派の秋山と、自分なりのプロレスをやっている中西学、(同じ大学出身で)これ程スタイルの違う2人がいるのかと」
=秋山選手のコメント=
秋山「最初に聞いた時には、中西さんがウチの白のGHC(無差別級王座)に挑戦してくれるのかなと思って、(チャンピオンの)橋誠に行かそうと思ったんですけど。どうやら黒(GHCヘビー)という事で。黒は今残念ながらNOAHに無くて、佐々木健介選手が持っているんですけど。まぁ、ここは次期挑戦者の僕が出てという事だったので。中西さんからチャンピオンクラスという言葉を頂いたので、新日本の東京ドームでそれ相応の闘いをしたいと思います」
2人の対戦は過去に1度だけ実現しており、その時は秋山選手が一瞬の丸め込みで勝利している(2003年8月12日静岡グランシップ)。「試合はちょくちょく見ています、気になりますからね。せやけど、5年前よりも随分風貌が変わっているので、ビックリした」(中西)、「たまにテレビで見ています。5年前の事はそんなに覚えていなくて、試合のクオリティ的にはあまり高く無かった。今回はそれを踏まえていい試合をしたい」(秋山)。
また、秋山選手は、GHCの挑戦権を懸けて闘う事に異論は無いとし、対する中西は新日本を背負いつつも、あくまでもいちレスラーとしての出撃を宣言。ドームという大舞台でのリベンジを誓った。
続いて、登場したのは中邑真輔、後藤洋央紀、三沢光晴、杉浦貴の4選手。まずは、菅林社長が「改めてこの2試合は負けられないという事と、新日本とNOAHさんが交わるからには、ドームを満員にした上で、最高に熱のあるイベントをお客さんに提供しなければいけないというプレッシャーを感じています」と熱っぽく語った。
=後藤選手のコメント=
後藤「自分はもともと他団体にはあまり興味が無かったのですけど、今回の対戦カードを見て、相手に不足はありません。組まれた以上は新日本プロレスを背負って全力で闘いたいと思います。パートナーも中邑真輔という事で、組む分には大変心強い選手なのですけど、中邑だけにおいしいところを持って行かせません」
=中邑選手のコメント=
中邑「まずは、自分の希望を聞き、交渉に当たってくれた菅林社長、それに応えてくださった三沢選手、杉浦選手、NOAHの関係者の方に感謝しています。交流戦では無く対抗戦、容赦なく闘って、新日本プロレスの凄みを見せ付けたいと思います。交わる事の無かったNOAHという世界と闘う事で、自分には大きな変化があると信じています」
=杉浦選手のコメント=
杉浦「新日本プロレスのドーム(参戦)は2度目なので、緊張とかもしてないんですけど。NOAH代表という事なので、社長に迷惑をかけないように頑張りたいと思います」
=三沢選手のコメント=
三沢「こういう機会が無いとできない選手ですから、中邑選手、後藤選手、いい選手だと思います。楽しみにしています。若い力に負けないように頑張りたい」
※マスコミとの質疑応答の模様
——中邑選手からの対戦要求を受け入れた理由は?
三沢「こういう機会じゃないとできないカードなので。僕の場合、後どれくらい(現役で)できるかという部分がありますので、やれる時にやっておこうかなという気持ち。ご指名を受けたという事で、いい意味で期待に応えなきゃいけないというプレッシャーを感じています」
杉浦「僕は会社の人に『正月ヒマか?』と言われて。『ヒマです』みたいな事言ったら、ドームに行ってくれと。行く事に決めました」
——中邑&後藤の試合を見た事はあるか?
三沢「会場では無いですけど、テレビでは見ています。いい選手だと思います」
——三沢&杉浦の警戒する点は?
中邑「三沢選手については、武藤(敬司)選手に並ぶ、もしくはそれ以上の日本のプロレス界を代表する顔だと思っています。その経験という意味での強さを警戒したい。杉浦さんに関しては、NOAHの中でも総合格闘技に参戦する力を持っている。そういう部分での怖さもある」
後藤「今回2人とも初対決となるので、警戒する部分は全てです。プロレス界を代表する2人だと思っているので、リスペクトする部分はあります」
中邑「自分としては、杉浦選手を(三沢選手の)“用心棒的”な感覚で捉えてしまったので」
——パートナーに杉浦選手を選んだ理由は?
三沢「理由はと言われても、彼よりも心強い選手はいないので、それに尽きると思います」
——メインイベントに登場する同世代の武藤選手については?
三沢「僕だけじゃなく、ここにいる4人みんなそうだと思いますけど、やっぱりメインを食うつもりで務めたい。武藤選手に限っては、年も一緒なので頑張ってくれればなというだけです」
——試合では三沢選手を狙うのか?
中邑「もちろん自分が指名した以上、狙っていくつもりです」
後藤「誰から獲るというものよりも、勝ちに、勝負に拘りたい」
三沢「狙われるのは当然だと思って試合に臨みますので。今回に限っては、勝ちに拘りたいので、チャンスがあればどちらでも(獲りに行く)」
——今後も対抗戦は続くのか?
菅林「正直ここまで来るのに色々な交渉があって、やっと実現した次第です。私は選手を信じて勝利を奪ってもらって、勝てば次に繋がる物語が始まると思うので、その辺を期待したいと思います」
三沢「現段階ではファンの人もそれを期待すると思いますけど、まだ試合もやってませんし、結果も出てませんので、何も言えないですけど。そういう機会があれば、前向きに考えたいと思います」
2009年1月4日(日)
「レッスルキングダムIII IN 東京ドーム」
東京・東京ドーム
16:00試合開始