新日本プロレス菅林社長、緊急渡米。しかし棚橋の答えは……。
現地時間11月8日、フロリダ州オーランドに遠征中の棚橋弘至選手のもとに、新日本プロレス菅林直樹社長が訪れ、武藤敬司選手が保持するIWGPヘビー級王座への挑戦の打診を伝えた。
棚橋選手は、G1 CLIMAX終了後、勝ち星に恵まれずスランプとなり、海外修行を選択。現在はTNAの一員としてTVショーやハウスショーをこなす毎日を過ごしている。また、TNAのフロント勢から絶大な支持を受け、多忙な日々を過ごしていた。
先週、新日本プロレス本社に棚橋選手の評価の一報が入り、菅林社長は現地時間7日にフロリダ入り。宿泊先より車で1時間ほどにあるクリアウォーターのビーチにてくつろぐ棚橋選手と緊急会談を開き、2009年1月4日に行なわれる東京ドーム大会でのIWGP挑戦、至宝奪回のオファーをした。
会談は棚橋選手の明るい表情に加え、近況報告を伝える声も弾んでおり、菅林社長は“切り札”としての好感触を得た。
しかし、棚橋選手の答えは「保留」。突然の訪問と打診に戸惑いを見せた棚橋選手は、「もう少しアメリカで自分を磨きたい。IWGPはその後」と突っぱね、この日の会談は終了した。
棚橋選手は、「せっかく社長直々に来ていただいて、自分にとって最高の話を貰ったが、アメリカでまだ自分を磨いている最中。俺の目指すものは“マスターピース(最高傑作)”。そして、武藤敬司のルーツのひとつであるアメリカで、今後のヒント、打開策を自分が納得するまで見つけ続けたい」と語った。
菅林社長は「残念としか言いようがない……。ただ数日前の棚橋とは、目も体つきも見違えるほどに変貌して、自信がみなぎっているのは確認できた。明日のTNAのPPV(「ターニング・ポイント」)で試合を観て、実力も見定め、改めて打診をしたい」とコメント。
他団体至宝流出、早期奪回が急務の新日本プロレスにとって棚橋選手は最後の砦。しかし、棚橋選手から色よい返事をもらえず、菅林社長はただ困惑の表情を浮かべるのみだった。
※TNAのPPV「ターニング・ポイント」で棚橋選手は、Xディヴィジョンタイトル挑戦権争奪10人バトルロイヤルへの出場が決定。サンジェイ・ダット、エリック・ヤング、“ブラック・マチズモ”ジェイ・リーサル、ピーティ・ウィリアムスらと一戦に挑む。