アメリカ帰りのミラノコレクションA.T.選手を直撃!
TNA遠征で渡米していたミラノコレクションA.T.選手。「World X Cup」の試合を含め3戦したアメリカマットでの感想、そして一方的な因縁をつけてきた石狩太一選手について訊いた——。
–TNAデビューを飾った試合の相手は、6月24日(現地時間)に行なわれたカレーマン選手との「World X Cup」シングルマッチでしたが?
ミラノ「カレーマンは日本人なんですよ。マスクの下から黒い髪も出ていて。X Cupは国別対抗で、チームジャパン、チームメキシコ、チームアメリカ、チームインターナショナルという4つのチームがあったんですけど、アメリカ代表の日本人のカレーマンと、日本代表のイタリア人のミラノコレクションが対戦するという部分で、現地のファンも『どこの国なんだ?』と(笑)。そういうややこしい状態の中、ゴングが鳴らされて、カレーマンはちょっとコミック的な動きがあったんですけど、それまでチームジャパンが全敗と聞いていたから、惑わされる事無く(試合をやった)。昔の仲間の土井(成樹=DRAGON GATE)選手が、セコンドについてくれましたし。時間的には5、6分でしたけど、ヒールテイストな試合をして、最後はレフェリーが見ていない隙にした急所攻撃からムーンサルト半捻り(アルマニッシュ・エクスチェンジ)。いいTNAデビューを飾れたかなと」
–六角形のリングは久々だったと思いますが?
ミラノ「久しぶりでしたね。T2P以来でしたから。でも、別に違和感も無く、全然問題はなかったですね」
–現地のファンの反応は?
ミラノ「昔、アメリカでやっていた時もそうでしたけど、何をやったらアメリカのファンが喜ぶかは分かっていたので、それを随所で出せば問題ないと思いました。あと、入場の時にミケーレのお陰でファンの心を掴めたので。まぁアンチジャパンのファンは、『何やってんだ、変なの連れて』と思ったでしょうけど、(ミケーレに)噛まれている人もいたし、おしっこをかけられて拭いている人もいたし、吠えられている人もいたし、そういうところからもいい雰囲気の試合作りができたかなと思っています」
–6月28日(現地時間)に行なわれたJAPWの大会にも参戦されましたが?
ミラノ「TNAからも何人が出て、クリスチャン(・ケイジ)、ホミサイド、ジミー・レイヴと一緒に行きました。そこで(シングルで)闘ったアズリエルも昔から知っていたので。なんか昔を思い出しましたね、1人でアメリカを旅していた頃を」
–「World X Cup」決勝戦が行なわれた7月13日(現地時間)のPPV大会では、イリミネーションマッチに出場しましたが?
ミラノ「どっかのバカ(石狩)が帰ったので、ピューマという日本人を名乗るマスクマンがチームジャパンに入って。でも、石狩太一よりもこっちの方がいい人材だったので。試合は人数が多かったですし、バタバタしているヤツもいましたけど、俺は冷静に周りを見る事をずっと心がけてやりました。でも、早々に3番目くらいで消えてしまって。7、8分でしたね。アレックス・シェリーとクリス・セービンの連携から、クリス・セービンの必殺技でやられてしまって。アイツには借りを返さないといけない」
–「World X Cup」はチームメキシコの優勝で幕を閉じましたが?
ミラノ「X Cupは延期したと思っていたんですけど、実は始まっていて、俺は途中参加みたいな感じになっていた。何故こうなったか分からないけど、また出る機会があったら、今度は最初からしっかり出ていきたいなと。まぁアメリカではよくある事なんですけどね、予定が変わる事は。例えば、昔、ローカルプロモーションの試合に出た時も、次の試合だったので入場口で準備していたんですよ。そしたら、エージェントに『試合順が変更になった』と言われて、控え室に戻ってまたリラックスして(笑)。まぁそういう状況にもプロとして上手く適応できないといけないんですけどね」
–またTNA遠征へ行こうと考えていますか?
ミラノ「TNAのTVテーピングは、1ヶ月に2回やって、あとPPVがあるんですけど、最初のTVテーピングとPPVまでの間が結構あって。その間に試合をやれればよかったんですけど、試合が入らなかった。もうちょっと試合をしたかったなというのが本音です。もっと試合をして名を轟かせたかったですね。まぁTNAを観たファンに名前を絶対に覚えてもらったという自信はありますよ。でも、まだまだやり残した事がたくさんありますし、もちろん行きたいです」
–石狩選手が「TNAで試合ができなかったのはミラノのせいだ」と、ミラノ選手に一方的な因縁をつけていますが?
ミラノ「ガキのケンカじゃないんだから。俺はもう知らないよ。アイツ、向こうでもうるさかったんですよ。英語を話せないから、『ホテルに朝食はあるか?』『明日の出発は何時だ?』って、全部俺に聞いてくる。だから、本当は6時から9時半だった朝食の時間を10時からだと嘘をついた。1人でアメリカを回ってやってきた俺からすれば、ヤツは甘すぎ。自分で色々聞いて英語も覚えていくんだから。挙句の果てに試合ができなかった事を全部俺のせいにして。TNAに行く前に(『ミラノ、石狩、魂込めて行ってこい!』と書かれた)垂れ幕を作ってくれた人、俺と石狩の試合(6月1日後楽園)を観て『頑張って行って来い』と言ってくれた人たちに、どう示しをつけるんだ?」
–透明犬を連れてきたり、ロープパラダイスをマネしたりもしていますが?
ミラノ「……(苦笑)。俺はTNAというチャンスを得て、アメリカから帰ってきて、トップに食い込もうという気持ちでいる。G1 CLIMAXにも出られなかったし。そういう気持ちの切り替えをして意気込んでいる時に、アイツがつきまとってくるという状況。俺はトップ戦線に食い込めるよう、しっかりレスリングで勝負をしたいとアメリカでもずっと考えていた。アイツに構っている時間は本当に無い」
–石狩選手の相手はしない、と。
ミラノ「そうですね。俺に触れてくれるなという感じです」