「現在の自分自身で闘う」(中邑)/IWGP戦が決定した中邑、武藤両選手のコメント
“プロレスリングマスター”武藤敬司選手が、IWGPヘビー級選手権試合で中邑真輔選手と激突!
この衝撃的な発表があった4月11日の記者会見の直後、マスコミ陣が両選手を直撃した——。
=中邑選手のコメント=
–武藤選手は、相当な自信を持っているようですが?
中邑「武藤選手には長い歴史もありますし、今は団体(全日本プロレス)の屋台骨を支えている選手。そして、新日本の歴史を作ってきた人ですから、リスペクトはあります。ただ、自分にもセルフリスペクトというか、自尊心というものはあります。(武藤との対戦を知った時)ホントに興奮しましたね。記者会見で菅林(直樹)社長も言っていたように、色んな思いを託されて(挑戦者が)武藤敬司なんだろうと。そういう思いも感じ取って、緊張なのか、興奮なのか、ありますけど。そういう風にグッと熱くなるものを感じたんでね。自分の持てる力を全開にして、この1戦を闘おうと思いました。リスクは物凄く高いですよね。でも、それを経験しないと。僕は、これ以上強くなりたいし、レスラーとして成長したいと思っていますので」
–以前、対戦した時(2004年10月9日両国国技館/中邑&棚橋弘至vs武藤&西村修)の印象は?
中邑「その時より武藤選手は変わっていると思いますし、それ以上に自分はまったく別の人間と言っていいぐらい成長しました。その時のことはまったく参考にならないと思います。過去の自分を振り返って闘っても、いい結果は出ないと思うので、現在の自分自身で闘おうと思っています。闘うということは、最大のコミュニケーションだと思っていますので、否が応でも触れて感じるもの、吸収するもの、嫌悪感を示すもの、すべてあると思います。闘いが終わったあと、自分に何が残っているかというのは、楽しみなところではありますね」
–次の目標として「世界に目を向ける」とも言っていたが?
中邑「武藤選手は、世界を知っている世界レベルのトップレスラー。動きの鈍くなった単なるレジェンドじゃない」
–武藤選手が外敵というイメージはありますか?
中邑「武藤敬司=新日本という時代があったわけですし、武藤敬司のルーツは新日本にありますから。単なる外敵という印象ではないですね」
=武藤選手のコメント=
–社長として、全日本プロレスを背負っているという感覚はありますか?
武藤「基本的には個人なんですよ。個人だけど、俺が出る以上は全日本というものが……。俺、デカいからね、言っとくけど。俺というネームバリューは。彼(中邑)、感じてるじゃん、そういうことは。だから、個人で行きたいけど、みんな背負ってきちまうんだな、これは。リスクのある闘いですわ」
–それだけに勝てばおいしいとも言えるが?
武藤「点から線になっちまうからな。これが菅林社長の思う所にハマっちゃうのかな? なんて思っちゃったりも。あんまし、過去のこと言うのはアレだけど、俺が(新日本で)IWGPを獲っていた時の経済効果は、なまら(とても)ハンパじゃないからね。過去のデータを調べりゃ分かるよ。俺がIWGPを獲っていた時は、必ずMVPも獲っていたしね」
–IWGP王座に挑戦するのは、相手が中邑選手だからというのもある?
武藤「ぶっちゃけ、俺は過去の武藤敬司が一番強敵だから。ああいう(若い)エキスを吸って、エネルギーにするのが一番なんですよ(笑)」
–中邑選手の存在感は?
武藤「そんなもの、1年付き合ったって、分からないものは分からない。ただ、俺は引き出しはたくさん持ってるからね。どういう状況であれ、引き出しの多さじゃ負けないから。自分1人で光るということも、可能といえば可能ですからね」
——IWGPヘビー級ベルトを巻いていた武藤選手は、若き日の中邑選手にとって最強と言っていい存在だった。「リスペクトしている」という言葉は偽らざる本音だろう。だが、その頃からすでに長い年月が経過していることも事実。「過去は振り返らない」と、いみじくも両者は口を揃えた。
そして、これはお互いが意識する“リスクの高い闘い”。ファン待望のシングル初対決は、極限のIWGP戦として実現した。
4月27日(日)
大阪・大阪府立体育会館
16:00試合開始