“野人”中西がまさかの撃沈!/4月6日ZERO1 JCBホール大会試合結果(2)
ZERO1-MAX
「ミラクルロケット2008 〜2nd Impact〜」
4月6日(日)
東京・MEETS PORT JCBホール
第4試合
「MAGNETIC FORCE」
○獣神サンダー・ライガー
長州力
(11分00秒 垂直落下式ブレーンバスター→片エビ固め)
×高岩竜一
大森隆男
=試合経過=
大森が長州に放った挨拶代わりのドロップキックが試合開始のゴングに。大森は長州にエルボースマッシュを乱射するが、長州は蹴り脚を捕らえて難なく倒し、ライガーとスイッチ。
中盤、大森がライガーのマスクに手をかける。これを逃れたライガーは替わって出てきた高岩に掌底。続いて長州が高岩をサソリ固めの体勢に捕らえるも、ロープエスケープ。すると、長州、ライガーは高岩にハイジャックパイルドライバーをお見舞い。
大森対長州の場面。大森は長州にトラースキックをヒットさせアックスボンバー。そして、掟破りのサソリ固めを敢行。だが、これを逃れた長州はトーキックで大森の動きを止め、リキラリアットで倍返し。続くリキラリアットは大森がアックスボンバーで合わせて相打ちとなり、両者ともスイッチ。
ライガーは高岩に掌底2連発から、雪崩式フランケンシュタイナーを狙う。だが、高岩はこれを雪崩式パワーボムで切り返し、トレイン攻撃から、大森がダイビングニードロップ、高岩がダイビングエルボードロップの連続弾。ライガーはカウント2でキックアウト。
そして、ライガーが垂直落下式ブレーンバスターを見舞えば、高岩はデスバレーボムから腕ひしぎ逆十字固めへ。ライガーは脚でロープに触れると、痛めつけられた腕で掌底。そこへ長州が飛び込んでリキラリアット。
最後はライガーがパワーボムホイップ、垂直落下式ブレーンバスターと畳み掛けて高岩から3カウントを奪取。
試合後、マイクを握った長州は「大谷、蝶野からの伝言を伝える。5月5日後楽園に来い」と、永田と共に解説席に座っていた大谷晋二郎に「PREMIUM」(5月5日後楽園ホール)への参戦を呼びかけた。
=試合コメント=
ライガー「高岩に伝えておいてくれ。お前、くすぶってる場合じゃねぇだろうが。(歳は)いくつなんだよ? あの新日でやっていたJr.の闘いを忘れたのか?」
長州「それはあるな」
ライガー「クソガキが。あんなんで俺からタップ獲れるか? 折るつもりで来い。これは対抗戦なんだぞ。潰し合いだよ。競い合いじゃねぇんだよ。なにボーッとしてんだよ。『BEST OF THE SUPER Jr.』に来い。一からやり直せ。大谷も何やってんだ、本部席で。長州さんがああいうコメント吐いたら、リングに上がって来いや。何やっとんだ!?」
長州「俺は今日は、蝶野(正洋)からの伝言だけ。5月5日、いいプレゼントするらしいですよ。(『具体的に何か聞いていますか?』)ないない。それは蝶野次第」
ライガー「まあ、蝶野は蝶野で。長州さんは長州さんで。俺は俺で。AKIRAはAKIRAで」
長州「うん、そう」
ライガー「レジェンドが必ず一緒に動かなきゃいけないことはないんだ。それぞれの思惑もあるし」
第5試合
「飛・打・極 〜Vigor〜」
○金本浩二
(15分52秒 タイガースープレックスホールド)
×日高郁人
=試合経過=
序盤、両者のローキックが交錯し、金本がニーリフト、側頭部へのハイキックで先手を取る。場外戦を挟み、リングインした日高に金本は、フロントスープレックスからレッグロック。さらにソバット、ハイキック、ニーリフト、ミドルキック連打と一向に攻撃の手を緩めない。歓声とブーイングが入り混じる中、さらに金本は顔面ウォッシュを敢行。そして、ローリングセントーン、ファルコンアローと畳み掛け、雪崩式タイガースープレックスを狙う。これを日高が耐えると、金本はリングに降りてハイキックを放つ。
エプロンに崩れ落ちた日高だったが、金本のキックをキャッチし、その脚をトップロープに叩きつける。
だが、金本はエメラルドフロウジョンのような形で日高をマットに突き刺し、ムーンサルトプレスを投下。日高はこれを間一髪のところでかわすと、低空ドロップキック、ローキック連打、側転からのフライングニールキック。さらに、2人のキックが乱れ飛ぶ中、日高は蹴り脚を捕らえてイグチボム。そして、ニーリフト、かかと落とし、スワンダイブ式の低空ドロップキック。さらに「ショーンキャプチャー!」の大合唱から、ショーンキャプチャーへ。
だが、金本はグラウンドで上手く体勢を入れ換えてアンクルホールドで逆に捕獲。日高は必死の形相で目の前のロープを掴む。
そして、バックの取り合いから金本が再びアンクルホールド。リング中央でガッチリと絞り上げるも、日高は執念のロープエスケープ。そして、金本のドロップキックを浴びてエプロンへと後退する日高だったが、すぐにリングインし、今度こそショーンキャプチャー。しかし、金本はまたしても体勢を入れ換えてアンクルホールド。
日高はロープエスケープすると、ローキック、ハイキック合戦から、日高がハイキックを放ちカバー。金本はキックアウトするや側頭部へのハイキック一閃。完全に動きの止まった日高をタイガースープレックスホールドでピンフォールした。
=試合コメント=
金本「俺は1人のプロレスラーとして、新日本プロレス代表としてやない、俺がやっているプロレス人生の中で悔いが残らないように、田中(将斗)と13日(新日本プロレス後楽園ホール大会)、しっかり決着をつけて。日高には悪いけど、今日は通過点よ。日高の気持ちは凄く分かるよ。もう1回やってみたい。そう簡単に勝てる相手じゃないっちゅうのは分かってるよ。でも、俺の中で次の目標が、田中戦というのがある。それが勝ちに繋がったんかな。今日は田中戦の前にあるややっこしいモノを取っ払いに、JCBに来ただけなんで。日高には悪いけど、今の時点であえて俺は言う。今日は通過点や。(『このあと、田中選手が中西選手に勝てば、13日はタイトル戦になるかもしれませんが?』)もし、そうなったら(世界ヘビー級ベルトを)賭けてくれって。それ獲って俺がZERO1で防衛戦してやるよ。でも、中西でしょ? そう簡単には勝てないですよ。中西のナチュラルパワーは凄いですからね」
メインイベント
世界ヘビー級選手権
「Extreme Impact」
60分1本勝負
○田中将斗
(王者)
(24分12秒 スライディングD→片エビ固め)
×中西学
(挑戦者)
※田中が王座防衛に成功
=試合経過=
中西のセコンドには金本、田口、裕次郎、平澤、内藤が、対する田中のセコンドには大森、崔、高岩、日高、KAMIKAZEらがそれぞれ付いた。
試合開始前に、田中がエルボーで飛びかかり、いきなりスライディングDが炸裂。あわや秒殺の場面を切り抜けた中西を、田中が場外の奥の方へと連れて行く。田中が立てた机の上に崔がボディスラムで中西を叩きつけ、田中は1つ上の階へと上がり、中西目掛けて決死のダイブ。これで真っ二つに裂けた机の切れ端を持って、さらに中西を攻撃する。
田中の腕攻めに苦しんだ中西は、腕を極められたまま田中を持ち上げて前方に叩きつけると、チョップ連打、ジャンピングニーパット、ネックハンギングツリー、エプロンから降下する野人ハンマー、場外水車落としと得意の野人殺法で猛追。
コーナー上でのせめぎ合いから先にリングへ下りた田中は、下から中西を捕らえてパワーボムで叩きつける。そこからスーパーフライ、垂直落下式ブレーンバスター、スライディングDとラッシュするが、中西はカウント3を許さない。すると再度、垂直落下式ブレーンバスターを狙ってきた田中を投げ返して、串刺しローリングラリアット、ブルドッキングヘッドロックからヘラクレスカッターへ。
だが、振り回す際、田中の脚が勢いよくレフェリーに激突。中西はヘラクレスカッターからカバーするもカウントは入らず。無法地帯と化したリング上で、田中は対角コーナーに机を立てかけ、中西をハンマースルー。だが、中西はこれを切り返して田中を衝突させ、スピアーを突き刺す。
中西のジャーマンスープレックスホイップを浴びて窮地に立たされた田中は、両腕のエルボーを乱射。さらに持ち上げてきた中西の脳天をDDTで突き刺し、ローリングエルボー、スライディングDと繋いでフォール。中西がキックアウトすると、後頭部、正面と連続してスライディングDを叩き込み、遂にピンフォールを奪った。
試合後、両陣営がリング上に雪崩れ込んで大乱闘が勃発。ここで金本がマイクを取ると、4月13日後楽園大会で一騎打ちを行なう田中と舌戦を展開。敗れた中西を先頭にして引き上げて行った。
=試合後コメント=
田中「中西メッチャつえぇな。パワーだけやと思ったけど、俺がハードコアを持ち込んだらアイツはそれに対応してきた。アイツ、たいしたもんや。でも、俺はここで止まってられへんねん。来週、金本戦が組まれた以上、その前に新日本のヤツに負ける訳にいかへんねん。金本も中西を応援しながら、きっと俺に勝ってくれと思ってたやろう。俺がここで負けて価値を下げて金本の前に立ったら、一番悔しかっただろうよ。中西学、思っとったより全然凄いやん。こんなにウチのリングで輝くんやったらよ、新日本のリングでもっと輝いてもう1回俺の前に来い! その時まで必ず俺がベルトを持っといたるさかい。やってておもろいよ、体は正直キツい。でも、俺もええライバル見つけたな、新日本に。雑草の俺、エリートの中西かもしれへん。実力で勝ったのかは分からん、でも気持ちの面では中西には絶対に負けてないと思っとる。世界に1つしかない雑草の力、新日本のメインのリングに植えつけたる。そのかわり、俺が根をはったらしぶといよ、金本倒したら次は誰を用意してくれるのか、新日本の社長に聞いてみたいね。さぁ、追いつめたよ。俺が必ず勝って新日本のリングに俺の両手を上げたるから。(世界ヘビー級王座について)金本が欲しいなら懸けてやってもいいよ。金本浩二という男とやりたいねん、俺は。向こうもそうやろ。1対1、金本浩二と1対1の勝負や。(『対抗戦は3勝3敗で終わったが?』)俺が勝ったから、今日(会場に来て)帰ったファンはZERO1が勝ったという印象、それが全てやろ」
中西「アァー、クソーッ! クソ、クソ、クソ! 敗因なんて聞くなよ、お前ら。次勝つ事考えるべきや。こっちには切り込み隊長の金本さんが付いとるんや、お前。心強いんや」
金本「13日、見とけよ。今日の日高と一緒。俺に勝てる思うと、甘いぞタコ。お前(田中)、中西のヘラクレスカッター、ワン・ツー・スリー入っとったやろ。レフェリー何してんねん。俺、出る幕ないわ。お前、中西に負けとるわ」
中西「必ず、この借りは返すからな。お前、そんな事より金本さんとやって生きとけよ。死んでもうたら何にもできへんからな。せやけど、そのくらい怖いからな、この人は」
金本「覚悟しとけよ」