12月26日(日)13時より幻冬舎にて、テレビ・新聞・雑誌・ウェブメディアを対象にしたオカダ選手の最新著書『「リング」に立つための基本作法』(幻冬舎刊)出版記念トークセッションが行われた。
まずは書籍について振り返るところからトークセッションはスタート。
本を開き、歩き姿の自分を見て、「この最初の写真の僕、カッコいいですよね」と自画自賛。
「この日、土砂降りだったんですよ。でも、撮影の時間には雨が上がって、空には虹がかかって、やっぱり、持ってるな、と思いましたね」と満足そうな笑顔を見せるオカダ選手。
そして、文章については、「活字になっても、オカダ・カズチカはオカダ・カズチカだな、と思いましたね。僕、あまり挫折したことがなくて、そういう話も本の中にはあったほうが本当はよかったんですけど、あまりなくて」
今年、3度目の優勝を飾った『G1 CLIMAX』では特別の思いがあったと振り返る。
「初戦は大阪で、棚橋(弘至)さんと闘いました。最初に僕が入場して、リング上で棚橋さんを待っているときに、10年前の大阪がよみがえりましたね。あの日、初めてのIWGPヘビー級タイトルマッチで、チャンピオンは棚橋さん。チャレンジャーの僕が先に入場して待っていました。今回のG1も僕が先に入場して、10年前と同じ風景。ちょっと泣きそうになりました。泣いてないですけどね(笑)」
また、後楽園ホールでのYOSHI-HASHI戦もジーンときたと語り、
「YOSHI-HASHIさんとはほぼ同期です。僕はYOSHI-HASHIさんの少し後に新日本プロレスに入門しました。道場では僕たちだけがデビューしていなくて。デビュー前の練習生は外出禁止なんです。2人で洗濯をして、2人で掃除をして、2人でちゃんこ番をしていました。寮も同じ部屋です。デビュー後は、第0試合でYOSHI-HASHIさんと何度も何度も闘いました。だから、『G1』でタックルにいったとき、組んだとき、これがYOSHI-HASHIさんだな、と。場所も後楽園ホールだったので、懐かしい気持ちになりましたね。入門して15年を経て、僕たちも『G1』の舞台で闘うようになったんだ、と感慨がありました」
発売したばかりの著書『「リング」に立つための基本作法』では、アントニオ猪木さんや天龍源一郎さんについても書いており、
「猪木さんのことは、若手のころからずっと気になっていました。僕が新日本に入門したときは、道場に猪木さんの写真が飾られていたんです。でも、いつのまにかなくなり、新日本のライオンのマークに替わっていた。会えない存在なのかな、と思っていました。初めてお目にかかったのは2017年のテレビ番組『プロレス総選挙』のときです。その後、食事会でもお話しました。猪木さんが昔のエピソードを話してくれて、知ってるか? と。僕が生まれる前の話なので、すみません、知りません! と言うと、猪木さんが長州力さんを呼んで、長州さんが説明してくれたので、申し訳なくて」
現在の猪木さんは病床にあり、テレビ番組やYouTubeでありのままの自分で出演し、話をしている。
「みんなを元気にしてくれるのが猪木さん。回復して元気な姿を見せていただきたいです。元気があればなんでもできますからね。また会場にも来てもらえたら」
また、引退試合の相手を務めた天龍源一郎さんについては、
「普通、引退試合はかつて闘った同世代の選手とやりますよね。でも、天龍さんは現役のトップレスラーの僕を相手に選びました。しかも、本気で勝つ気で向かってきて、カッコよかったです。すごい選手でした」と語った。
また、著書でも打ち明けているとおり、毎日日記を書いているというオカダ選手は、「タブレットに、よかったことは赤で、残念だったことは青で書いています。この本には書いていないんですけど、最近、運のよかったことも書くようにしているんです。たとえば、右脚をけがしたら青ですよね。でも、左脚が元気ならば闘えるので、運がよかったな、と。そうするとプラスマイナスでプラスになって、毎日が幸せでいられます」と語る。
プライベートでの失恋についての話におよび、「本にも書いていて、実は妻が読んだらどう思うかな、ヤキモチを妬くかな、と心配していました。でも、僕が出かけているときに読んだみたいで。こういう失敗をいろいろしてくれてたから今のあなたがいるんだね、と言ってくれました」と語った。
最後には、来年への意気込みについて、
2022年1月4日、東京ドームで開催される『WRESTLE KINGDOM 16』で鷹木選手の持つIWGP世界ヘビー級王座に挑戦するオカダ選手は、
「2021年、鷹木さんには分が悪くて、2度負けています。強くなっているのを感じます。でも、イッテンヨンではきっちり勝たなくてはと思っています。ただ、気負いはないですけれどね」と語った。
また、鷹木戦に勝った場合、翌5日にはウィル・オスプレイ選手相手に防衛戦となることについては、
「オスプレイはかつて、僕の弟分的な存在でした。でも、裏切られたわけです。ちょっとムカつきはしましたけれど、彼は彼なりにレスラーとしての考えがあったことは今では理解しています。僕と決別してから、オスプレイはさらに強くなっていますが、イッテンゴで闘ったら、しっかり勝つつもりでいます」と意気込みを語った。
★『「リング」に立つための基本作法』
著者:オカダ・カズチカ
発売日:12月25日
価格:本隊1,600円+税
発行:幻冬舎