大好評! テレビゲームのプロデュースを行っている、野中大三さんによるプロレスコラム。今回は、IWGP世界ヘビー級王者・鷹木信悟選手に期待するIWGPパラダイムシフト!
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■第33回 鷹木信悟に期待するIWGPパラダイムシフト
みなさん、こんにちは。
株式会社カプコンでゲームプロデューサーをしている野中です。
キタキタキタキターーー!
いよいよ真夏の東京ドーム大会、『WRESTLE GRAND SLAM』がすぐそこまで迫ってきました!
今回はそのメインイベントで初防衛戦を迎える鷹木信悟選手についてゲーム的に論じていきます!
真夏の東京ドーム大会は新日本ファンの悲願と言っていいビッグイベントです。
かつての4大ドームツアーを見ていた者としては1.4以外のドーム興行というだけでそれはもう熱いものが胸を打つのです。
メインイベントは新日本プロレスの象徴、IWGP世界ヘビー級タイトルマッチになりました。ドームメインにIWGPはよく似合います。
新日本プロレスドーム興行の看板とも言えるIWGP戦を戦うのは王者・鷹木真悟選手と挑戦者・飯伏幸太選手です。王者には初防衛戦となります。
舞台はドームのメインイベント、迎え撃つ挑戦者はIWGP世界ヘビーの初代王者。
最高のシチュエーションの初防衛戦と言えますが・・・。
ぶっちゃけますと。
王者が鷹木選手というのは全く予想していませんでした。
1.4で二冠戦を争ったメンバーに入っていない鷹木選手があっという間に頂点に昇りつめたという事実はものすごいインパクトです。誰がこのタイトルマッチを予想したでしょうか。
僕たちファンの予想、想像が追い付かないほどのスピードで上り詰めたのは鷹木選手のすごいところですよね。
初戴冠から1ヶ月後にドームのメインで初防衛を行うスピード感も鷹木選手らしいと言えますが、今回のタイトルマッチのポイントは勝ち負けだけではないと考えています。
勝ち負け以上に大切なこと、それは鷹木選手がパラダイムシフトを起こせるか、という点なのです。
■IWGPはパラダイムシフトが似合うタイトル
パラダイムシフトとは、「ある時代や分野において当然のことと考えられていた認識、思想、価値観を劇的に変化すること」とあります。
簡単に言うと“新しい価値観の創造”といったところでしょうか。
IWGP世界ヘビー級の起源のひとつ、IWGPヘビー級王座はパラダイムシフトが何度も発生したタイトルです。史上最年少戴冠を成し遂げた中邑真輔選手、レインメーカーショックを起こしたオカダ・カズチカ選手、スウィッチブレイドショックのジェイ・ホワイト選手が記憶に新しいところでしょう。
ここで勘違いをしてもらいたくないことは、これらの選手は「意外な王座戴冠」に留まっていないことです。
中邑選手、オカダ選手、ジェイ選手は皆、IWGPをスピード奪取した後もIWGP戦線に留まり続け、ある時はチャンピオン、ある時はチャレンジャーの立場で何度も何度もIWGP戦を戦い、時代を創りあげたのです。それまでIWGPに絡むことのなかった彼らが、IWGP戦線の中心に割り込み、いつの間にか、欠くことのできない存在になっていったのです。
IWGP戦線と王者像をガラっと変えて、新しい価値観を創造したのです。
■パラダイムシフトは必要なもの
ゲームにおいて、パラダイムシフトは絶対的に必要なものです。
ゲームのパラダイムシフトの代表例は、家庭にビデオゲームを持ち込んだファミコンからはじまり、脳トレでゲーム人口を爆発的に増やしたニンテンドーDSらが挙げられますが、有名シリーズにおいてもパラダイムシフトは起こっています。
スーパーマリオ64はそれまで横スクロールアクションだったマリオが3Dの世界を走り回るようになりました。ポケットモンスターでは2006年に発売されたダイヤモンド/パールからインターネットを介したポケモン交換が可能になり、世界中のトレーナーたちと交流できるようになりました。
モンハンでは2007年のモンスターハンターポータブル2ndでゲーム機を持ち寄って遊ぶリアルコミュニケーション共闘スタイルが生まれました。
その昔、「ゲーム大会」と呼ばれていた対人戦はルールや大会環境が整備され「eスポーツ」に進化をして世界中に多くの競技参加者を生んでいます。
どれもこれも、それまでの価値観を大きく変えるパラダイムシフトと言えます。
そしてゲームというジャンルにはこのようなパラダイムシフトは絶対に必要なのです。
なぜなら「人は必ず飽きるから」です。
時代に合わせて常に新しく刺激的であり続けるには時代より早く変わって、新しい価値観を提示する必要があるのです。娯楽産業にとってパラダイムシフトは定期的に起こさなければならないもの、なのです。
■鷹木選手の躍進はパラダイムシフトの前兆か
鷹木選手は群雄割拠の新日本プロレスの中でも存在感が際立っています。
ハイテンション・ハツラツおじさんと呼ばれるテンションの高さ、高い瞬発力と、どんな相手のファイトスタイルにも合わせることのできる技術力は群を抜いていて、どれも評価されるポイントです。
ただ、僕が思う鷹木選手の一番の強みはこれらとは違うところです。
僕が最も注目している鷹木選手のポイントは「負けても上がる」ところなのです。
昨年のヘビー級転向以来、『G1』参戦、NEVER王座奪取と躍進を遂げてきた鷹木選手ですが、実は結構負けています。
特に2021年は肝心なところで負けているのです。
2021年1月5日東京ドーム
〇ジェフ・コブ [NEVER無差別級王座戦]
2021年1月30日愛知県立体育館
×棚橋弘至 [NEVER無差別級王座戦]
2021年3月21日ゼビオアリーナ仙台
×ウィル・オスプレイ [NEW JAPAN CUP決勝戦]
2021年5月4日福岡国際センター
×ウィル・オスプレイ[ IWGP世界ヘビー級王座戦]
2021年6月7日大阪城ホール
〇オカダ・カズチカ [IWGP世界ヘビー級王座決定戦]
実績で見ても肝心な試合での負けが目立ちます。それでも頂点であるIWGP世界ヘビー級王座に昇りつめたのは、負けても負けても這い上がってきたからなのです。
負けても上がるチャンピオン像、これこそが鷹木選手が提示する新しい価値観ではないでしょうか。
世の中はコロナ禍になって1年半が経過し、未だ安心できない状況が続いています。
先が見えない不安な状況下で、負けても負けても這い上がる鷹木選手の姿は、見る人に元気と勇気を与えてくれます。だからこそ勝負所で負けても多くの支持を集めて上り詰めたのではないでしょうか。
転んでも立ち上がる。
やられてもやり返す。
負けても上がる。
まさしく不撓不屈のTHE DRAGON。鷹木選手が起こすパラダイムシフトはすぐそこに迫っています。
■野中大三(のなかだいぞう)
株式会社カプコン プロデューサー
プロレス観戦歴、ゲーム歴ともに37年。
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■野中大三(のなかだいぞう)
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