大好評! テレビゲームのプロデュースを行っている、野中大三さんによるプロレスコラム。今回は、6月7日に開催となった大阪城ホール大会に関して執筆!
■『DOMINION 6.6 in OSAKA-JO HALL』
6月7日(土) 17:00開場/18:00試合開始
大阪・大阪城ホール
★チケット情報/★対戦カード情報
☆チケットは“ローソンチケット” “チケットぴあ” にて、大会当日19時まで販売します!
【ローソンチケット】 http://l-tike.com/njpw
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【チケットぴあ】 http://w.pia.jp/t/njpw/
ぴあカウンター・セブンイレブン各店
■第31回 強制イベント“王座決定戦”の楽しみ方
みなさん、こんにちは。
株式会社カプコンでゲームプロデューサーをしている野中です。
2021年5月の新日本プロレスは激動でした。
激動が売りの新日本プロレスが「参った」するんじゃないか? と心配になるくらいの激動でした。
5月4日の福岡大会2連戦2日目で、発熱による欠場選手が発生し、その後9名の選手が陽性判定になりました。
世間は緊急事態宣言の延長が発令され、『WRESTLE GRANDSLAM』2大会の延期をはじめ、数大会が中止になりました。
さらに、世界ヘビー級チャンピオンのウィル・オスプレイ選手が首の負傷のため王座を返上し、同王座は空位になってしまいました。
ファン歴の長い僕にとってもあまり記憶にない激動の1か月となりました。
そんな激動の5月でしたが、いい意味の激動がきちんとやってきました。
さすが激動に強い新日本プロレスです。
世の中が悪い方向に動くのなら、おもしろい方向にグイっと動かすのが新日本プロレスです。
興行再開となった5月22日の名古屋大会で鷹木選手が空位となったIWGP世界ヘビー級王座決定戦に名乗りを上げました。
そして5月26日の後楽園ホール大会では次期挑戦者のオカダ選手が挑戦の意思に変わりなし、と自己主張しました。
そして5月29日にオカダ選手対鷹木選手のIWGP世界ヘビー級王座決定戦が6月7日の大阪城ホール大会で行われることが発表されました。
選手の主張も強くて速ければ、それに呼応する会社も速い。
激動を激動で制する、まさに新日本プロレス流のやり方が健在であることを見せてくれました。
■負傷返上の王座決定戦はある意味、強制イベント
今回の王座決定戦はオスプレイ選手の負傷による王座返上に起因します。
ファンにとっては正直なところ残念な気持ちがあります。オスプレイ選手のチャンピオンロードを楽しみにしていたファンにとってはこれまでの流れがプッツリと途絶えてしまい、突然新たな王者が誕生する流れは、ゲームでいうところのある意味「強制イベント」と言っていいかもしれません。
ゲームの「強制イベント」とは、プレイヤーの進行状況や意思とは関係なく発生するイベントのことをさし、たいていの場合はゲームをある程度進めると、ストーリー進行のために発生します。
強制イベントはその名の通り、プレイヤーが強制されるものなので歓迎されることはあまりありません。
■強制イベントの楽しみ方
強制イベントが発生するとプレイヤーはそれまでのプレイ進行を中断されることで集中力を失ったり、自分の意思を無視されているような疎外感を受けることがあります。
それは当然ですよね。現実とは違って自由な体験がしたくてゲームを楽しんでいるのに、ゲームの中でも不自由さや不便さを感じてしまっては全く楽しくないです。
ところが、ご安心していただきたい、とゲームクリエイターサイドからアドバイスをさせてもらいましょう。
強制イベントがプレイヤーに与える喪失感はクリエイターが痛いほど理解して制作に取り組んでいます。
強制イベントを入れることでのリスクを十分考えたうえで、絶対に満足してもらうんだ、という思いで入れるものです。
クリエイターも無策ではないので、その後きっと楽しませる策を準備しているものなのです。
なので、プレイヤーのみなさんには、クリエイターやゲームを信じて強制イベントに身を委ねて欲しい、というのが僕がおすすめしたい楽しみ方です。
キャラクターの離脱やアイテムの喪失など、復帰不能の強制イベントというものも過去にはありましたが、ゲームクリエイターも長いゲームの歴史でそれらを十分に経験して学習しているのです。
今や強制イベントを組み込んでいるゲームであっても不可逆要素を入れることはほぼなくなりました。
安心して身を委ねてもらって大丈夫です。
■王座決定戦に挑む両選手に身を委ねよう。
さて、大阪城ホールの王座決定戦に話題を戻しましょう。
決定戦に挑むオカダ選手と鷹木選手は、オスプレイ選手欠場を忘れていることはあり得ないでしょう。
両選手ともにIWGP世界ヘビー王座に初戴冠がかかっている状態ではありますが、単に目の前の相手に勝つだけではファンは納得しない、ということは理解しているはずです。
ただでさえ、ハードルの高い新日本プロレス最高峰の王座戦がオスプレイ選手の負傷返上によってウンと高いハードルになっていることは理解の上でしょう。
ファンが期待していたオスプレイ選手のチャンピオンロードとはまた別のチャンピオンロードを見せつつも、きっと復帰してくるオスプレイ選手の迎撃を期待させる、という二つの義務を果たすことが新王座に課せられた役割です。
しかし、そんなことはオカダ選手も鷹木選手もわかった上で王座決定戦に名乗りを上げているのです。
オスプレイ選手への喪失感があることは仕方ありませんが、両選手ならその喪失感を包み込み、未来を感じさせるファイトを見せてくれるでしょう。
何も考えずにオカダ選手と鷹木選手の戦いに身を委ねる。
そう、これが正しい楽しみ方です。
大丈夫、きっと二人とも我々ファンの不安も予想もとっくに超えています。
■この一戦の予想
最後に僕の予想です。
ズバリ、鷹木信悟選手の初戴冠と読みます。
トップ中のトップレスラーであるオカダ選手は強敵ですが、鷹木選手には勢いがあります。
この勢いが普通ではない勢いだと感じています。
鷹木選手は『NEW JAPAN CUP』決勝でオスプレイ選手に敗れたにも関わらず、世界ヘビーに戴冠したオスプレイ選手に挑戦しました。
さらにその世界ヘビー戦で敗れたにも関わらずここでまた名乗りを上げているのです。
前王者のリマッチではないですからね。
負けているのに2度も名乗りを上げて挑戦にこぎつけているのです。
この粘り腰こそが期待してしまう理由です。負けても立ち上がる、まさに不屈の昇り龍がついに頂点に上り詰めるのでは? と予想します!
■野中大三(のなかだいぞう)
株式会社カプコン プロデューサー
プロレス観戦歴、ゲーム歴ともに37年。
記憶に残る王座決定戦は94年のIWGPジュニアヘビー級王座決定トーナメント。
※新王座に就いたのは保永昇男選手でした
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■『DOMINION 6.6 in OSAKA-JO HALL』
6月7日(土) 17:00開場/18:00試合開始
大阪・大阪城ホール
★チケット情報/★対戦カード情報
☆チケットは“ローソンチケット” “チケットぴあ” にて、大会当日19時まで販売します!
【ローソンチケット】 http://l-tike.com/njpw
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