いよいよ目前! 5月29日(土)は、トム・ローラーのSTRONG無差別級選手権に初挑戦も決定。いま注目を集める男、クリス・ディッキンソンとは何者なのか? 直撃インタビュー後編!
■『NJPW STRONG』
今週は、いよいよトム・ローラーvsクリス・ディッキンソンのSTRONG無差別級王座戦が実現!
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※前編はコチラ!次期“STRONG無差別級選手権”挑戦者、クリス・ディッキンソンとは何者なのか?
■マジな話、いまの俺の人生はニュージャパンでプロレスをすることを中心に動いていると言っていい。
――さて、ディッキンソン選手。『NJPW STRONG』でデビューしたのは今年の1月のことでした。試合後のコメントでは新日本のリングに立てることがどれほど大切なことだったか切実に語っていましたね。
ディッキンソン そうだ。マジな話、いまの俺の人生はニュージャパンでプロレスをすることを中心に動いていると言っていい。俺はニュージャパンのリングに立たなきゃいけなかった。そして、そこに立った時、これが終わりじゃなく「始まりだ」と実感したんだ。
――そこまで新日本プロレスに思いを募らせていましたか。
ディッキンソン 俺にたくさんチャンスが巡ってきて、いつかニュージャパンでプロレスができるといいなとは願っていたけど、その途端に新型コロナウイルスの感染流行がやってきて、2020年俺たちが目の当たりにしたことがすべて起こった。ところが、驚いたことに『NJPW STRONG』という番組が始まった。
――昨年8月からレギュラー配信がスタートしましたね。
ディッキンソン ああ。そんな『NJPW STRONG』への出場オファーが来たのも俺からすれば奇跡だった。俺にとって、本当にかけがえのない瞬間だったよ。
――こういう形とは思わなかったかもしれませんが、ついに新日本でのデビューをはたしましたね。
ディッキンソン そうだな。ロサンゼルスでニュージャパンの大会に出場するなんて考えたら変な感じがするけど、これは実際に起きていることだし、実際に実現しているということが大切なんだ。
■ファンは俺たちをカメラのレンズを通してでしか見られない。だから、俺たちはテレビ画面を通り越して訴えるようなプロレスをしなきゃいけないんだ。
――フリーのプロレスラーとして、いろんな環境でプロレスをする経験を積んできたと思います。『NJPW STRONG』の環境は、どんな感じでしょうか?
ディッキンソン 俺は、建物の中でも外でも、観客がそこにいる場所、まったく人がいない場所、本当にいろんなところでプロレスをしてきた。フリーのレスラーとしては、なりよりもまず働けることに感謝しなきゃいけない。それだけだよ。何が起きようとも、働けるということは、それ自体が“恵み”なんだ。まあ、ファンがいない会場に関して言うならば、すべておいて以前よりもレベルを上げることが求められていると思う。
――無観客の会場では雰囲気を作ってくれるファンがいないため、自分自身で試合の空気を作らなければなりません。
ディッキンソン その通りだ。いつも以上に熱くなったり、迫力を増さなくちゃいけない。だから、『NJPW STRONG』では他の大会よりも神経が高ぶって感情的になるんだ。ファンは俺たちをカメラのレンズを通してでしか見られない。だから、俺たちはテレビ画面を通り越して訴えるようなプロレスをしなきゃいけないんだ。いままでとはまったく違うスタイルだし、違うダイナミックさがある。けど、それでもコレはプロレスだ。
――前回お話して頂いたUFW式の激しいトレーニングやファイトスタイルは、『NJPW STRONG』で闘う際に役に立っていますか?
ディッキンソン もちろん。たくさんの影響を受けたよ。けど、それだけじゃなくて、いままで俺がやってきたことはすべて、いまの環境でプロレスをするのに役立っているんだ。『NJPW STRONG』のリングでは、じつはあまり無駄な動きをしていないかもしれない。普段より技数も少ないけど、一つ一つの技を最大限に活かそうとしているんだ。
――なるほど。
ディッキンソン 打撃のテクニック、身体の一部を特定して攻撃すること、明確な戦略を持つこと。無観客の時は、こういったことがすごく重要なんだ。
――以前よりも精神的な面で準備が必要ですか?
ディッキンソン そうだな。闘える時間が短くなった。だから、100パーセントの集中を目の前にいる男に注がなくちゃいけない。シュートレスリングとかサブミッションレスリングの経験を持っているってことは本当に大切なことだ。俺はいつも試合の時、自分のファイトスタイルを“微調整”しているんだけど、『NJPW STRONG』での環境に適応するためには変えなくちゃいけなかったと思っているし、それが良いことだと思っている。
――『NJPW STRONG』では、試合が短時間決着する可能性もありますね。多くのレスラーは1つか2つの必殺技を狙ってますが、ディッキンソン選手の最近の数試合では、パイルドライバー、デス・バレー、STFを畳みかけて勝利しました。
ディッキンソン それが、プロレスラーとしての俺のスタイルなんだ。俺は、プロレスはそうあるべきだと思っている。どんな技も危険で、正しく使えば相手を沈めることができる。俺はいくつか必殺技を持っているけど、対戦相手をいかにして倒すか、戦略を持っていることの方が大切だ。そして、その戦略がうまくいけさえすれば、すべてうまくいくのさ。
■俺は友だちを作りにこの場所に来ているわけじゃない。俺は、試合に勝って王座を手に入れるためにここにいるんだ。
――ディッキンソン選手は、TEAM FILTHYの一員として、『NJPW STRONG』に参戦しました。トム・ローラー選手曰く、ディッキンソン選手たちは急造グループとして集められたようですね。けど、皆さんすぐにユニットとして仲良くなったとか。(※このインタビューはTEAM FILTHYからの追放劇の前に収録)
ディッキンソン そうだな……。まあ、(ダニー・)ライムライトはかなりクレイジーな型破りなヤツだけど(笑)。アイツは、俺には手が負えないよ。トムは、素晴らしいファイターでもあり、素晴らしいレスラーだ。たまに行き過ぎることもあるかもしれないし、少し激しすぎることもあるけど、彼はとてもいい選手だ。それに、JRクレイトスはまさに野獣だ。本当に、TEAM FILTHYは有能なチームだよ。アスリートたちが揃った素晴らしいグループだ。そして、俺たちは割と一貫していい結果を残していると思う。
――とはいえ、ディッキンソン選手は5月28日の『COLLISION』で行われるNJPW STRONG無差別級選手権試合でトム・ローラー選手と対決します。
ディッキンソン いいか? このニュージャパンは、世界一競争の激しい団体だ。同じユニットにいようがいまいが、そんなのは関係ない。俺には、トムを倒せる可能性がある。だから、彼に挑戦するんだ。
――ローラー選手の持つNJPW STRONG無差別級王座が、『NJPW STRONG』の現在の状況をどのように変化させていくと思いますか?
ディッキンソン 新王座の誕生は、大きなことだと思う。プロレスファンは王座やタイトルマッチが大好きだ。『NJPW STRONG』も、より注目されるようになるだろう。そして、レスラーたちにとっても明確に追いかけるものができた。だから、俺は出来る限り早くそれを追いかけると決めたんだ。『NEW JAPAN CUP 2021 USA』では1回戦より先に進めなかったけど、トムに挑戦するチャンスを掴むことができた。結局のところ、俺は友だちを作りにこの場所に来ているわけじゃない。俺は、試合に勝って王座を手に入れるためにここにいるんだ。
――トム・ローラー選手を、プロレスラーとしてどのように見ていますか? 二人とも、ファイトスタイルにおいては似ていますが、彼は総合格闘技で非常にハイレベルな競争をしていました。
ディッキンソン トムは、間違いなく本当に素晴らしい格闘家だ。彼とのタイトルマッチを楽しみにしている。その試合では、ただ王座に挑戦するだけじゃなくて、俺自身が格闘家としてどのくらいのレベルにいるのかを知りたい。サブミッションが得意なシュートレスラーとしてどれだけ進化したかを世界に証明したいんだ。
――ローラー選手をリスペクトしているんですね。
ディッキンソン もちろんだ。前にも言った通り、彼は時々少しだけ激しくなりすぎたり、行きすぎることもあるけどな……。
■タナハシ(棚橋弘至)と闘うことが、俺の人生の目標だ。それから、ユージ・ナガタ(永田裕志)とももう一度闘ってみたい。
――『STRONG STYLE EVOLVED』では、試合後にローラー選手がディッキンソン選手たちに試合後のスターリン・リーガル選手に攻撃するよう指示しました。けど、ディッキンソン選手はそれを断りました……。
ディッキンソン 俺は、ローラーがやることすべてに賛同するわけじゃない。彼は素晴らしいレスラーだし、ここ数年間でかなり進化はしたけどな。
――ローラー選手との試合では、どのような形で試合を運ぼうと思っていますか?
ディッキンソン サブミッションレスリングに関しては、たぶん彼の方が経験で有利だろう。けど、俺の方が彼よりも重いし、強いという事実も覚えておかなくちゃならない。俺は9~13kgくらいトムよりも体重がある。けど、彼はしっかりと身体のコンディションを整えて試合に挑むだろう。トムは、タフな対戦相手だ。けど、俺は怯えちゃいない。リング上で、彼と向かい合うのは怖くないよ。
――もしローラー選手を倒したら、『NEW JAPAN CUP USA』でディッキンソン選手を倒したブロディ・キング選手が次の挑戦者として現れるかもしれません。もし王者になれたら、誰に挑戦者として立ち向かってきて欲しいですか?
ディッキンソン ブロディに関しては、おまえの見解は正しい。彼のことも、めちゃくちゃリスペクトしているよ。あんな大男のくせに、かなり運動神経がいい。それから、リオ(・ラッシュ)。彼も『NEW JAPAN CUP USA』で脱落したけど、素晴らしいレスラーだ。今まで一度もリオとは闘ったことがないから、初めての闘いで彼とタイトルマッチをやってみたい。『NJPW STRONG』には闘ってみたいレスラーがたくさんいるし、それが『NJPW STRONG』の良いところだ。誰もが活力に満ち溢れていて、あのリングで闘いたくて、成功したくて、飢えているんだ。
――最後に、いつの日か日本に行けることになったら何をしたいですか?
ディッキンソン タナハシ(棚橋弘至)と闘うことが、俺の人生の目標だ。それから、ユージ・ナガタ(永田裕志)とももう一度闘ってみたい。そして、もちろん昨年闘うはずだったシンゴ・タカギ(鷹木信悟)やミノル・スズキ(鈴木みのる)とも闘いたい。闘いたいレスラーが多すぎるよ! だけど、俺は焦らずに1歩ずつ進んでいくよ。
※前編はコチラ!次期“STRONG無差別級選手権”挑戦者、クリス・ディッキンソンとは何者なのか?
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