• 2021.5.10
  • #Media
『号外!“GK”金沢克彦の新日本プロレス通信』!今回は「『これぞプロレス、これがプロレスラー』オスプレイと鷹木が魅せた“極上の現代プロレス”! 福岡2連戦を大総括!」

プロレス界随一の論客・“GK”金沢克彦氏の独特の視点から、現在進行形の新日本プロレスに関するコラムを続々レポート(不定期連載)!!

「これぞプロレス、これがプロレスラー」オスプレイと鷹木が魅せた“極上の現代プロレス”! 福岡2連戦を大総括!

テキスト/金沢克彦


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■挑戦者のジェイについては、「転んでもただでは起きない男」というフレーズがまさにピッタリとくる。

今回は5月3日、4日に開催された『レスリングどんたく2021』2連戦(福岡国際センター)から両日のメインイベントに関して総括してみたい。

初日(3日)のメインはNEVER無差別級選手権、棚橋弘至vsジェイ・ホワイト。挑戦者のジェイについては、「転んでもただでは起きない男」というフレーズがまさにピッタリとくる。

1.5東京ドームのメインに組まれたIWGPヘビー級選手権で飯伏幸太に挑戦し惜敗したジェイは、「もうやめた」と新日本マット離脱どころか、引退を示唆するかのような弱気発言を残して消息を絶った。

ただし、この男はその程度の“タマ”ではなかった。3月開催の『NEW JAPAN CUP2021』(以下、『NJC』)準々決勝で、デビッド・フィンレーに敗れる不覚をとったものの、2回戦では棚橋を破りしっかりと爪痕を残しておいた。

もう、当然のように『NJC』終了後には、NEVER王者の棚橋にターゲットを絞った。

「IWGPヘビー、インターコンチネンタル、USヘビーに続いて、NEVERのベルトを獲って、史上初の4冠制覇を達成してみせる」

とにかく、試合同様にコメントも巧みというか、自分有利になるためのポイントをしっかりついてくる男。過去の戦績や実績を踏まえ、また自分だけでなく、他の選手のコメントなどもしっかりチェックしておいてアピールする点においては、「内藤かジェイか?」と言っていいほど記憶力が抜群。

その部分を巧みに利用してゴリ押しする手法においては内藤を上まわっているかもしれない。

■今回のNEVER戦は、あのときの試合を彷彿させると当時に、当然のように進化していた。


今回、ジェイがターゲットに絞った棚橋とは因縁がある。いや、むしろ棚橋サイドにとってジェイは因縁の相手というか、過去のシングル戦績でも大きく負け越していることを考えれば、苦手、天敵の部類に入るかもしれないのだ。

両者のシングルマッチでもっとも記憶に残っているのは、やはり2年前の2.11エディオンアリーナ大阪大会だろう。同年の1.4東京ドームで当時、難攻不落と思われていたIWGPヘビー級王者のケニー・オメガを破り、最高峰のベルトを奪還した棚橋。

その初防衛戦の相手がジェイだった。前哨戦では裏足4の字固めで、棚橋からタップアウト勝ちも収めた。その新技をTTO(タナ・タップ・アウト)と称したジェイ。

その勢いのまま、本番ではブレードランナーで棚橋を撃破。あっという間にIWGP王座を強奪してのけた。この勝利によって、ジェイ・ホワイトというレスラーは完全に新日本マットのトップ戦線に踊り出たわけである。

それにしても、2年前のタイトルマッチを思い出すと、今回の試合展開と被ってくる。基本的にジェイという選手がクラシカルな技とインサイドワークで勝負するタイプであるからだろう。

あのときも、掟破りのドラゴンスクリューを連発し、ここぞの場面でTTOを繰り出した。そして、 決着は一瞬だった。棚橋のハイフライアタックを交わすと、着地した棚橋を捉えてすかさずブレードランナー一閃。この一撃で30分を超える激闘に終止符を打った。

一方の棚橋は、ジェイに対してテキサスクローバーホールドを再三仕掛けていった。ジェイがTTOでくるなら、自分はテキサスクローバーという拘りを感じる攻防である。

今回のNEVER戦は、あのときの試合を彷彿させると当時に、当然のように進化していた。

■2度目の防衛戦にして棚橋は王座転落、ジェイは宣言通りに史上初の4冠制覇という結果を出した。


まず、入場時に興味深い発見があった。挑戦者のジェイが赤のコスチュームでリングイン。この赤タイツは、棚橋からIWGP王座を奪ったときのラッキーカラーである。あのジェイもゲンをかつぐのか? いや、棚橋にプレッシャーをかける意味合いがあるのかもしれない……

 

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