大好評! 株式会社カプコンで、テレビゲームのプロデュースを行っている、野中大三さんによるプロレスコラム!
■『CASTLE ATTACK』
・2月27日(土) 14:00開場 16:00試合開始
大阪・大阪城ホール
☆カード情報
☆チケット情報
※「1階ひな壇A」は完売となりました。
・2月28日(日) 12:00開場 14:00試合開始
大阪・大阪城ホール
☆カード情報
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※「1階ひな壇A」は完売となりました。
■第28回 グレート-O-カーンはZ世代レスラー?
みなさん、こんにちは。
株式会社カプコンでゲームプロデューサーをしている野中です。
いよいよ迫ってきました。2月の大阪城ホール決戦!
大阪府民としては待ちに待った地元大阪開催のビッグマッチです。
今年は大会名が『CASTLE ATTACK』にリニューアルされました。
両日ともに魅力的なカードが並びましたが、今回僕はある選手に注目しています。
その選手は、グレート-O-カーン選手!
新日本マットでは初のタイトル戦となるNEVER無差別級選手権試合で王者・棚橋選手に挑戦します。
昨年10月に帰国して以来、話題に欠かないオーカーン選手を見て、あることに気が付いたので今回はそのあることについてゲーム的プロレス論を展開してみたいと思います。
■デジタルネイティブなプロレスラー
オーカーン選手はSNSをよく活用します。
もはや活用というレベルを超え、完全に手足として操っているレベルと言えるでしょう。
ファンは領民、アンチは愚民。目指すは侵略と蹂躙。
オーカーン選手が発信するワードはオーカーン選手だけの世界観がにじみ出ています。
新日本プロレスワールドは帝国国際放送、グッズは従属の証、チケットは処刑観覧券。
宣伝活動にもためらいがなく堂々と行います。
SNSにおけるルールやマナー論をわきまえつつ自由なふるまいをし、それを受け入れさせる強烈な説得力があります。
プロレスラーとしてプロに徹しているかと思いきや、プロレスと全く関係のない趣味のツイートも堂々とするし、気に入ったファンアートだってリツイートで拡散をする。オフィシャルとは思えない腰の軽さです。
このSNSの使い方を見ていると、ひとつ思うところがあります。
オーカーン選手は年齢非公表ですが、Z世代ではないかと。
Z世代とは、1990年代以降に生まれた世代を指し、生まれたころからインターネットが生活に復旧していることから「デジタルネイティブ」と言われています。つまり、インターネットが日常の一部になっていることが常識の世代です。スマホはもちろん、SNSや動画配信サービス、モバイルゲームがあって当たり前と感じられる世代のことです。
ネットで情報を集めるだけではなく、ネットワークの先にいる人とのつながりに抵抗感がなく、自然とそのコミュニティを受け入れることができる、それがZ世代の特徴です。
SNSを手足のように操り、ネットコミュニティやデジタルエンタメに精通したオーカーン選手はまさにデジタルネイティブなプロレスラー、そう、Z世代のプロレスラーと言えるのではないでしょうか。
■ゲーム業界のZ世代
ゲーム業界ではZ世代のユーザーがゲームの楽しみ方を大きく変化させました。
最も顕著な変化は実況動画の出現です。
ゲームの楽しみ方の定番と言えば、エンディングを目指して攻略することや、対戦を繰り返して一番を目指すことが挙げられます。しかし、Z世代が求めるのはそういった作り手側が提供する楽しみ方ではなく、自分たちで見つけた楽しみ方をコミュニティと呼べる集団の中で共感を得ることにあります。
例を挙げると、まったりプレイ、スピードラン、縛りプレイなどです。
Z世代の読者の方ならYouTubeでこういったゲーム動画を見たことがあるのではないでしょうか?
この共感の楽しみが動画配信という媒体に最高にマッチしたため実況動画が爆発的に増えたのです。
最新の情報やものすごく上手いプレイではなく、ゲームを楽しんでいる様子を見ている人と分かち合うことが彼らの楽しみ方であり、価値観なのです。
どんな情報でも簡単に手に入る環境下だからこそ、与えられた価値よりも自分で見つけた価値を大切にし、それを知っている人に共感してもらうことにこそ喜びを感じる、それがZ世代の特徴なのです。
■オーカーン選手が発信する新しい価値観
Z世代の特徴、その定義を「独自の価値を見出し、それを発信して共感を得ることに」とするならば、
これはまさにオーカーン選手の振る舞いそのものです。
プロレスラーでありながらプロレス以外のエンタメであっても好きなものは好きと発信します。もちろんプロレスにおいても独自のスタイルを貫きブレることはありません。ファンもアンチも存在を認めて、コミュニティに向けて日々発信を続けます。その発信は押し付けがましいものはなく、ひたすら自分が好きなもの、やりたいものを発信するのみであり、共感を促すこともありません。
その姿勢にファンは無意識に共感を抱き、コミュニティメンバーになっていくのです。
オーカーン選手流に言うならば、気づいた時には領民になっている、といったところでしょう。
■オーカーン選手だからこそできる価値創造
独自の価値観を持つオーカーン選手が新日本マット初のタイトルマッチに挑みます。
NEVER無差別級王座は“ゴツゴツとした男らしい闘い”という価値観を持ったベルトですが、オーカーン選手がこの価値観を踏襲するとは思えません。
きっとオーカーン選手なりの価値を見出し、それをコミュニティに発信してくれるのではないか、と思います。
ベルトを奪取すればこれまでにないチャンピオン像を作り出してくれるのではないか、Z世代だからこそできる価値観をプロレスに与えてくれるのではないか、という期待がそこにあります。
立ちはだかる王者は今や新日本プロレスの象徴とも言える棚橋弘至選手。
棚橋選手もまた新日本プロレスに新しい価値観をもたらしてきた選手です。
この二人だからこそできる価値観闘争が今回のNEVER戦の見所と言えるでしょう。
いざ、大阪城ホール決戦!
■野中大三(のなかだいぞう)
株式会社カプコン プロデューサー
プロレス観戦歴、ゲーム歴ともに37年。
最近のお気に入りタイトルは原神。
●Twitterアカウントはコチラ!
https://twitter.com/daizonnonaka
■『CASTLE ATTACK』
・2月27日(土) 14:00開場 16:00試合開始
大阪・大阪城ホール
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・2月28日(日) 12:00開場 14:00試合開始
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