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■「おまえ（デスペラード）とはこれから先も、引退するまで、お前とやり続ける」っていう言葉が本心ですよ

――さて、ヒロム選手。今回は『BEST OF THE SUPER Jr. 27』についてお話を伺っていきたいと思います。まずは大反響を呼んだ優勝決定戦のエル・デスペラード戦を振り返っていかがですか？

ヒロム　ウ～ン……その「いかがでしたか？」というのは？

――ヒロム選手が破ったマスクをデスペラード選手が自ら脱ぎ捨てたシーンはとても印象に残っていますが、そのあたりについてはいかがですか？

ヒロム　正直、言葉にするのは難しいですね。あの時、俺はヒザをパイプ椅子で殴られ、急所攻撃をされたあとですから、頭に来てる状態でアイツの顔を殴り、マスクを引き破ったわけですからね。ただ、そのあとにどうアクションするかは彼自身の本能ですから、そこに対して俺が「何も思わなかった」と言ったらウソですし、あの時の俺の表情がすべてですよ。

――試合後のデスペラード選手は「俺の同期、最強だろう？」というコメントを残しましたが、これに関しては？

ヒロム　（ニヤニヤしながら無言で3分ほど経過した後に）俺が試合後に言った「あいつの全てがわかった。あいつが何者なのか、ここで言ってやるよ。アイツはエル・デスペラードだ」っていう言葉がすべてですし、その言葉以上に何もないですよ。

――なるほど。

ヒロム　試合前に「世界中に俺とおまえの歴史を見せてやろうぜ！」って言いましたけど、俺はあの試合の中ですべてを見せられたと思いますし、彼の口から出た「リング上にはな、高橋ヒロムとエル・デスペラードしかいなかったよ、今日は」っていう言葉がすべてじゃないかなって思いますね。あとはその試合を観た人がどう感じ取ってくれてもかまわないですし、どう思ってくれてもかまわないですけど、あの試合はただの“高橋ヒロム対エル・デスペラードの闘い”ですよ。

――改めて、ヒロム選手にとってエル・デスペラード選手はライバルという位置づけですか？

ヒロム　なんか、自分からライバルっていうのは言いたくないんですよ。いままで「ライバルは誰ですか？」って聞かれたら、「ドラゴン・リー（現在：リュウ・リー）が一番ライバルっぽいですかね」っていう風な話もしてきましたけど。あえて言うのであれば、いままで「ドラゴン・リーですかね」って言ってた中に「もう一人加わったのかな」って感じですね。べつに俺は自分から声を大にしてデスペラードを「ライバルだ！」とは言いたくないですね。もう、それは周りの人が感じ取ってくれたらいいんじゃないかなと。

――とはいえ、この先も闘っていく相手であることは間違いないと。

ヒロム　間違いないですね（キッパリ）。試合後に俺が言った「おまえとはこれから先も、引退するまで、お前とやり続ける」っていう言葉が本心ですよ。ただ、「そういう風に思わされてしまった」っていうのは正直、悔しいですけどね。俺はあれだけ「大っ嫌いだ」とか「べつに」とか言ってたのに、結局、興味を持ってしまったっていうのは俺の負けた部分なのかなと……。

――そして、ヒロム選手のコメントで印象的だったのは、12.2大阪大会のSHO選手との試合後の「こんなに悔しくて、こんなにうれしい負けは初めてだ」という言葉ですが、あのコメントの真意は？

ヒロム　俺も試合後で興奮してましたし、いまあらためて聞いても「変な言葉だな」って思いますね（苦笑）。

――ああいった言葉に至った理由はなんだったんでしょう？

ヒロム　やっぱり、俺は新日本プロレスで育った人間なんですよ。ただ、いまは「生え抜きだ」とかっていう時代ではないと思いますし、「生え抜きの選手だから」とか「生え抜きの選手なのに」っていう言葉を俺は言いたくないなと。

――いまは「生え抜き」という言葉にこだわりはないと。

ヒロム　たしかに俺も、以前は「生え抜き」っていう言葉にこだわりがあったんですけど、あらためてそんなことは言いたくないんですよ。いまは全員でジュニアを盛り上げている中で「生え抜きだから」とか「生え抜きじゃない」っていうそんなクソみたいな言葉は使いたくないなと。だからこそ、「この10人で良かったな」と思いましたね。

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