• 2020.6.3
  • #Media
『“シン・新日本プロレス”が生まれた時代』第7回「『一番スゲェーのはプロレスなんだよ!』2011年の『G1』で“過去を超えた”中邑真輔の大逆襲がスタート!!」

ここ数年で劇的な“V字回復”を遂げたことで知られている現在の新日本プロレス。しかし、その“復活”に至る道程には、いったい何が推進力となり、どんな選手が活躍したのか?

その過程を最前線で随時見届けてきた“GK”金沢克彦氏が2010年代からの生まれ変わった“シン・新日本プロレス”に至る歴史を紐解く集中連載!  2011年の夏、中邑真輔の大逆襲が始まった!

文/金沢克彦
 

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※以下、金沢克彦氏「シン・新日本プロレスが生まれた時代」第7回の序盤を無料公開!

■2011年という年は中邑にとっても意義深いメモリアルイヤーとなる。棚橋に一矢報いると同時に、中邑の大逆襲がスタートすることになるのだ


2011年の1.4東京ドームで外敵王者・小島聡からIWGPヘビー級王座を奪還し、5度目の最高峰の座についた棚橋弘至。それ以降、仙台の奇跡と呼ばれた2.20仙台大会でふたたび小島を相手に初防衛に成功。4.3後楽園ホールでは“天敵”永田裕志を破って、男泣きのⅤ2を達成した。

もちろん、その涙のワケは、3月11日に東北地方を襲った未曾有の災害である東日本大震災の犠牲者を思ってのものだった。

今回の棚橋政権は1年以上も続いた。その間に11度連続防衛というIWGPヘビー級王座レコードも作り上げている。名実ともに“棚橋時代”と“エース棚橋”の称号を確固たるものとした1年余の長期政権であった。

一方、ライバルに大きく遅れをとる格好となった中邑真輔。ただし、この2011年という年は中邑にとっても意義深いメモリアルイヤーとなる。棚橋に一矢報いると同時に、中邑の大逆襲がスタートすることになるのだ。

あとから振り返ってみれば、その序曲ともいうべき闘いが5.3福岡国際センターで実現した棚橋vs中邑によるIWGPヘビー級選手権。ちょうど1年前の5.3福岡で真壁刀義にIWGP王座を奪われた中邑は、7.19札幌大会でのリターンマッチに敗れ、12.11大阪大会で小島聡に挑戦したタイトル戦にも敗北。

IWGPヘビー級戦3連敗という屈辱を味わいつつ、棚橋に挑んでいった。それでも、やはり鉄板カード。5.3福岡大会は札止め(6,500人)の大観衆を動員した。そこでは過去の棚橋vs中邑戦とはすこし色合いの違う闘いが展開された。

■「いいんだろ、また立ちあがれば。悪いけど、折れないんでね。折れないんで、オレの心は。こんなクネクネしてるんでね」


ちょうど、このころから中邑は脱力したように腕をダラリと下げてみたり、首を何度も振ってみたりと闘いにおけるパフォーマンスに変化の兆しが見えたころ。

それにいち早く反応したのが棚橋で、「中邑のフニャフニャした動きが好きじゃない」と戦前には口にした。対する中邑は、「フニャフニャなんかしてない、クネクネしてるだけだろ」と不敵に切り返してみせた。

中邑は得意とするグラウンドの攻防で棚橋を封じこめにかかるが、棚橋は張り手を放って挑発。ここからラフな打撃戦となる。とにかくヒザ、ヒザ、ヒザと中邑はヒザ蹴りを連発。対する棚橋は当然のようにヒザ封じ、ボマイェ封じのため、ドラゴンスクリューをはじめとしたヒザ殺しへ。

中邑の強烈な打撃にも臆することなく、ヒザへの蹴りを叩き込んだり、棚橋もラフな攻撃で一歩も退かない。

ノンストップの20分、タフな闘いはつづく。ドラゴンスープレックスから背中へのハイフライフロー。さらに正調ハイフライフローで勝負に出た棚橋。だが、スクッと起き上がった中邑は棚橋の顔面へナックルパンチを見舞った。これは1年半前、2009年11月8日、両国国技館で行なわれたIWGPヘビー級選手権でも見られた光景。そのときは立場を変えて、王者は中邑、挑戦者が棚橋だった。

あのときよりも痛烈な一撃が棚橋の顔面を打ち抜いた。こういった奇想天外にしてシビアすぎる切り返し、迎撃が棚橋vs中邑戦の見どころの一つとなってきたのだ。

ただし、棚橋も負けていない。中邑のセカンドロープからのジャンピング・ボマイェをカウンターのドロップキックで迎撃。すかさず、ハイフライアタックからのハイフライフローを決めて、熱戦に終止符を打った。

「この1年で中邑は4度もIWGPのタイトルマッチに挑戦しているから(※挑戦は3度)、一回どん底まで落ちたほうがいいんじゃないの? 泥にまみれろだよ!」

あえてなのか、棚橋はライバルを突き放すような厳しいコメントを口にした。一方の中邑は淡々と言葉を連ねた。

「何度も同じこと言わしてもらおうか。いいんだろ、また立ちあがれば。悪いけど、折れないんでね。折れないんで、オレの心は。こんなクネクネしてるんでね」

■プロレスラーとして唯一の欠点と見られていた部分。逆転の発想。中邑はむしろそこを自分の持ち味に変えようとしていたのだ。


自由への胎動。新たな中邑真輔が顔をのぞかせつつあった。もともと、中邑は長身で腕も脚も長くスタイルがいい。プロレスラーとしては、スタイルが良すぎるのだ。そのうえ、身体も柔軟だからしなやかな動きを持ち味としている。

それが反対に、力強さに欠けるとよく指摘されてきた。決定的な試合は2009年の1.4東京ドーム大会。ノアとの対抗戦となったスペシャルタッグマッチだった。カードは中邑真輔&後藤洋央紀vs三沢光晴&杉浦貴。これが殺伐とした凄まじいぶつかり合いとなった。

結果的に、中邑が絶妙のタイミングで飛びつき腕ひしぎ十字字固めを杉浦に決めて、新日本に凱歌があがった。ただし、その内容に観客もマスコミも度肝を抜かれている。

想像を超えたバチバチの攻防。とくに、エルボーの応酬では両軍一歩も退かない。三沢のエルボーは“世界最強のエルボー”と称されるほど、その代名詞になっているし、杉浦、後藤もエルボーを得意としている。

中邑も負けじと打ち返すのだが、やはり3選手と比較すると迫力不足と映ってしまう。どっしりと腰の据わった3選手のエルボーの応酬に比べると、中邑はフラフラと身体が揺れてしまう。この試合を観戦した永田はこう指摘した。

「真輔は腕、脚が長いから気の毒でもあるんだよ。ああいう打ち合いになるとフニャフニャして見えてしまう。プロレスラーとしては力強さに欠けると言われちゃうんだよね。だから、杉浦の力強さが試合を食ってしまったでしょう?」

かつて、蝶野正洋にもそこを指摘されたことがあった。プロレスラーとして唯一の欠点と見られていた部分。逆転の発想。中邑はむしろそこを自分の持ち味に変えようとしていたのだ。

■この水が合ったというメキシコ遠征で、中邑は完全に自分を解放してみせた。


棚橋に敗れた中邑は5月下旬、メキシコへ飛んだ。約1ヵ月のメキシコCMLLへの遠征が決まったのだ……。

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