今年の1.4東京ドームではオカダに敗戦も、先日は棚橋弘至とのコンビでIWGPタッグ王座を戴冠した飯伏幸太。
今回は“ライバル”内藤哲也への想い、棚橋とのタッグ戦線、さらに対戦を表明した鷹木信悟に関して直撃インタビュー! いま飯伏幸太は何を考えているのか?(後編)
撮影/タイコウクニヨシ
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※以下、飯伏幸太選手インタビュー(後編)の序盤を無料公開!
■内藤さんのズルさもちょっと薄まってしまったというか、というのも内藤さんが獲った直後に“超絶にズルいヤツ”が現れたわけじゃないですか?
――さて、飯伏選手と何かと因縁のある内藤選手が、史上初の“二冠王者”となったわけですが、これについてはどう受け止めていますか?
飯伏 ああ、内藤さんのことは……「ズルいな」と思ってます(ニヤリ)。
――あ、内藤選手はズルい(笑)。
飯伏 ダブルタイトル戦を巡る4人の中で、一人だけ賭けるものがなかった。なのにおいしいところを持っていったのは「ズルいな」と。
――たしかに飯伏選手が挑戦権利証、オカダ選手がIWGPヘビー、ジェイ・ホワイト選手がインターコンチを保持していたのに対し、内藤選手だけ“持たざる者”でしたね。
飯伏 でも、そのズルさもちょっと薄まってしまったというか、というのも内藤さんが獲った直後に“超絶にズルいヤツ”が現れたわけじゃないですか?
――超絶ズルいヤツ(笑)。試合後にKENTA選手が乱入し、東京ドーム2連戦の最後にインパクトを残しましたね。
飯伏 そもそも同じ日にベルトを賭けた試合(1.5東京ドームでのNEVER無差別級王座戦、vs後藤洋央紀)に負けた人間じゃないですか? だから、あの光景を観て「あっ、それだけで挑戦できるんだ……?」って。
――ああ、同じ主旨のことをタイチ選手も発言されてましたね。
飯伏 いや、タイチさんはまだわかってないですよ! ボクから言ったら。
――あ、タイチ選手もわかってない(笑)。
飯伏 わかってない! ボクは去年の夏から、初戦でケガして、ドン底を味わって、そこで優勝して、もう限界のまま権利証を守り続けたわけですよ?
――たしかにそうですね。
飯伏 なんなら地方でもタッグだったりでメインイベントをやり続けて。で、ようやくたどりついた1.4、1.5なんですよ。もちろん、『G1』優勝後に自分で「東京ドームでダブルタイトルマッチ」と発言したので、その責任を取るためにがんばるのはあたりまえなんですけど、絶対に自分が一番苦しんだはずなんですよ。
――なるほど。お気持ちはわかります。
飯伏 まあ、最初に(二冠戦を)言ったのは内藤さんですけど。「その時点では何も持っていなかったじゃないか?」と。だから、おいしいのは内藤さんじゃないかと。なので、まず内藤さんに関しては「ウ~ン」という感じで。
――そして、“その後の流れ”に関しては「はあ?」って感じですか。
飯伏 「はあ?」っていう部分もありますけど、「はあ?」からの「はああ?」(急激に語尾を上げて)みたいな。
――ハハハハ!
飯伏 まず軽い「はあ?」があってからの「はああ?」って感じで。いまだに「それアリなの!?」っていう気持ちは持ってますよ。こっちは(二冠戦に向けて)さんざんやりまくったのに。「コレ、なんだったの?」と。
――納得できない部分があると。その内藤選手は2.9大阪城ホールでKENTA選手の挑戦を退けたわけですが、現在の二冠王者への思いは?
飯伏 いま現時点で、ですか? う~ん……。まあ、ボクにとって二冠というのは「プロレスを広めるため」と言ってたんで、そもそも内藤さんの「二冠」とはまったく違う理由というか。申し訳ないんですけど、ボクは内藤さんが「二冠」と言ってたことを本当にまったく知らなかったんですよ。
――内藤選手は昨年の1月の段階で二冠を口にしていましたが、それをご存知なかったと。
飯伏 ハイ。知らずに「プロレスを広めるためには、東京ドーム2連戦でダブルタイトルをやれば盛り上がるな」と思って。やっぱり、シングルのベルトはほしいですし、もっともっとプロレスを広めたいというのはありますし。……ただ、いまは“タッグで新しいもの”を見つけたというか。
――飯伏選手は神と崇めてきた棚橋選手とのタッグを始動し、2.21後楽園ではG.o.D(タマ・トンガ&タンガ・ロア)を下してIWGPタッグ王座を初戴冠しました。これはご自分の中で大きなことだったと。
飯伏 大きいですね。でも、棚橋さんと獲ったからうれしいっていうのは、そこまでないです。ほかの誰かとタッグのベルトを巻いても、同じような感覚になってると思うんですけど。そうじゃないところで、感じることがあるというか。
――と言うのは?
飯伏 タッグマッチって、プロレスしかないと思うんですよ。テニスや卓球でダブルスはありますけど、あれってプロレスにたとえると、一人がコーナーで控えているわけではなくて、常にリングに二人いるような状態なので。
――たしかにそうですね。
飯伏 たとえばタッグマッチの攻防の中で、2vs1の構図になるのもプロレスしかなくて。そう考えると、プロレスの本当のおもしろさってタッグにあるのかな、と。いままではシングルにこだわってましたけど、プロレスの広めかたって、タッグの中にもあるんじゃないかなって。
――プロレスならではの醍醐味を秘めた“タッグ”に、あらためて可能性を見出したと。
飯伏 あと、新日本のほかの選手を観たときに、みんなシングルだけを目指しすぎ。「それはちょっとおかしいんじゃない?」って、いまは思ってます。
■東京ドームのメインイベントがタッグでもいんじゃないですか? それでもおかしくないくらいのところまで、ベルトを持っていきたいですね。
――2.21後楽園でタッグ王座を奪取した直後、タイチ&ザック・セイバーJr.組が乱入し、王座挑戦をアピールしました。また、2.26沖縄の試合後には、EVIL選手から「棚橋&飯伏vsEVIL&SANADA……、最高におもしろいんじゃないか?」という言葉もありましたし、タッグ戦線が徐々に注目を集め始めているというか。
飯伏 フフフ。ボクらのタッグに関しては、棚橋さんからも「俺は神でもなんでもないから、同等に扱ってくれ。そうならないと、いいタッグチームにならない」って言われたんです。
――なんと棚橋さん直々に「神じゃない」発言がありましたか。
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