3月12日(木)、『新日本プロレスワールド』で「棚橋弘至☆飯伏幸太のスペシャルトーク」が生配信された。
撮影/山本正二
■棚橋「これは俺得なんです。“ゴールデン”が“エース”を修飾してるので、チーム名っぽいけど俺のことを指してる」
こちらは3月1日~3月22日に予定されていた16大会の開催中止を受けて、新日本プロレスの選手やスタッフが「今できること」をかたちにして発信、配信していく『新日本プロレスTogetherプロジェクト』の一環として実現したもの。
今回の舞台は東京・後楽園ホール。テレビ朝日の寺川俊平アナウンサーが司会を務める中、二人に与えられた一つ目のトークテーマは、2.21後楽園でG.o.D(タマ・トンガ&タンガ・ロア)から奪取した「IWGPタッグ王座」に。
棚橋がタッグについて「二人とも発する雰囲気が明るいから、チームとして見やすい。僕の目の奥の闇は暗いですけど(笑)」とコメントすると、一方の飯伏は「タッグとして未完成な部分があるというか、この先はどんどんよくなるしかない。可能性しかないです」と前向きな発言。
そして、二人のチーム名が“ゴールデン☆エース”が定着し始めていることに関して、棚橋は「ファンが言い始めてくれたんですけど、これは俺得なんです。“ゴールデン”が“エース”を修飾してるので、チーム名っぽいけど俺のことを指してる」とニヤリ。
■棚橋と飯伏が“腕相撲”で真剣勝負……!?
続く二つ目のテーマは「パートナーとの絆を深めよう」と題し、質問に対してそれぞれがフリップで回答。「お互いのいいところ」という問いに「純粋」と書いた棚橋は、「飯伏くんは小さい子どもが、そのまま汚れなく大きくなってきた印象。プロレスにも純粋に取り組んでるのが、ほかのレスラーと一番違う」と語る。すると飯伏は「汚れてますよ、棚橋さんはだまされてます」と異議申し立て。ここから棚橋は飯伏を丸裸にすべく、割り箸とダンボールで作った「からの?」や「本当のところは?」と書かれたお手製のカードを駆使して、飯伏の素顔に迫っていった。
対する飯伏は、棚橋のいいところとして「ガマンする心」を上げ、「いろんな我慢を積み重ねて、作り上げた人」と回答。これに棚橋が「生まれてから我慢したことがない(笑)」とトボけると、すかさず飯伏は「じゃあ、疲れてるんですね(笑)」とツッコミを入れ、息の合ったところを見せる。
ここで棚橋の持ち込み企画として、二人による腕相撲対決が実現することに。棚橋はうなり声を上げて力を込めるが、飯伏は一気に押し込んで完勝。飯伏は「本気でやりました?」とキョトンとした表情で、ウワサどおりの怪力を見せつけた。
この流れで三つ目のテーマは「筋肉談義」へ。棚橋はパートナーの筋肉について「飯伏くんは肩がでかい。肩が張ってるとヒーロー感が出る」と高評価。一方の飯伏が「棚橋さんの胸の厚さには誰も勝てない」と称えると、棚橋は「骨格も関係あるけどね」と分析し、専門的な筋肉トークに花が咲く。
■まさかの矢野通が乱入……!棚橋に快勝した飯伏を相手に腕相撲で圧勝!
続いて棚橋が、飯伏の筋肉がよく映えるような写真撮影をプロデュースすることに。飯伏がTシャツを脱ぐと、棚橋がポージングを指示し、新日本のオフィシャルカメラマンが撮影。棚橋は「ああ、それいいよ! 起立筋、太いね!」とニッコリ。
すると、ここで棚橋をして「道場で腕相撲が一番強かった」という矢野通が、飯伏への最強の挑戦者として急遽登場。「二人と対戦してる身として、ムチャクチャ楽しみ!」と棚橋が興奮する中で行なわれた注目の一番は、なんと矢野が圧勝! 飯伏が「恐怖感を植えつけられました」と振り返る中、矢野は満面のYTRスマイルで颯爽と退場していった。
続いてファンからの質問コーナーに突入。「合体技は考えてますか?」という問いに、飯伏がアイデアを出すと、棚橋は「やろう!」と即採用。「シングル未対戦の相手で戦ってみたいのは?」という質問には、飯伏が「タンガ・ロアですね。パワーが計り知れないものを感じました」と回答し、棚橋も「ロアは腕が極端に太いんですよ。ロアvs矢野の腕相撲対決が観たい(笑)」と呼応した。
そのほか、コーナー中には棚橋も上半身裸となり、大胸筋にペットボトルを乗せる「ペットボトルチャレンジ」に挑んだり、二人でゴールデン☆エース”の決めポーズを考えたり、さらに飯伏が棚橋と1分間のタメ口トークに臨んで、しどろもどろになる一幕も。
終盤、リング上について話が及ぶと、飯伏は「いまはベルトを防衛していくことにしか目がいってないので、タッグとして確立させたいです」と力強くコメント。棚橋は「ベルトを獲ったときにザック(・セイバーJr.)とタイチが仕掛けてきたけど、そこで挑戦というかたちにはしたくないですね。『NEW JAPAN CUP』がどうなるかわからない状況ですが、一回戦で僕がタイチ戦、飯伏はザック戦が決まっているので、流れがどうなるか」と語った。
そして、最後は棚橋が視聴者に向け「“プロレス貯金”を貯めておいて、再開されたときに爆発してください!」という言葉を贈り、飯伏と共に「愛してま~す!」で、一夜かぎりのスペシャルトークの幕を閉めくくった。
■棚橋「ボクの中でとても大切な記憶になりました」飯伏「プロレスラーってシングルだけじゃないんだなって気付かせてもらった」
スペシャルトークのあとには、両選手がマスコミ陣の囲み取材に応じ、今回のイベントを振り返るともに、今後の企画に関しても言及した。
――無観客の中でのトークイベントというのはいかがでしたか?
棚橋 初めての経験だったので、このお客さんのいない後楽園ホールっていうのは凄い違和感がありましたけど、こういう非常事態なのでこれも一つの経験として、ボクの中でとても大切な記憶になりましたね。
飯伏 試合がなかったからこそ、こういうトークイベントができたというか、話すことができたので、これはこれで結果良かったなと思ってもらえればいいのかなと。いまはこういう状況なので、どうしてもできないのは仕方ない部分なんですけど、将来的に「あの時はあれで良かったんだな」と思えればいいかなと。これはたぶん観る機会がなかったはずなので、じゃないとできなかったことだなと。
――お客さんがおらず、歓声もない状況というのはいかがでしたか?
飯伏 ボクは出身がちょっと違うので、昔、0人のところで試合をしたこともあるし、1人、2人の時に試合をしたこともあるし。なんなら、プロレスごっこの時も周りに誰もいないところでプロレスをやってたので、それに関しては何もないですけど、後楽園ホールでお客さんがいないっていうのは違和感がありましたね。
――興行が中止になったなかで日々どう過ごされているますか?
棚橋 朝昼晩、練習してます。あとずっとできなかった家族サービスの時間にあててますね。
――各方面でもお休みになってるところが多いですが、できる範囲でいろいろおこなっていると。
棚橋 そうですね。子供たちも学校がお休みになってるので、家で一緒に過ごす時間が増えてますね。
飯伏 ボクもトレーニングに時間を割けるようになったので、いままでやってないトレーニングだったり、プロレスに対して向き合えるというか、やっぱり余裕が無かったっていうのがありますね。ずーっと試合試合で目の前の試合に集中して、その日その日の限界をやってきたので、トレーニングに対していろいろできるようになって、プロレスに対して向き合うことができる良い時間になってますね。
――本日のトークイベントで一番印象に残っていることは?
棚橋 タッグチームっていうのは合体技とか、コンビネーションとか、そういうのももちろん大事なんですけど、そのことに関して飯伏君がいろいろ考えてくれて、ボクのモチベーションが上がりましたね。コンディションでは飯伏君は常にキープしてるので、このタッグチームとしてのキーマンっていうのは先輩でありながら、俺の頑張りというか、棚橋のコンディションの持って行き方によりけりなんじゃないかなっていうことで、飯伏君の気持ちを感じてまたモチベーションが上がりましたね。
飯伏 プロレスラーってシングルだけじゃないんだなって気付かせてもらったというか、ベルトを獲ってから「プロレスって一つじゃないな」と思って。プロレスの良さって他の競技にないタッグなんじゃないかなと。これが一番面白いんじゃないかんと。これでプロレスも広められるんじゃないと、新しい可能性を感じましたね。
棚橋 ボクがイメージしてるのは、1990年代後半の全日本プロレスの四天王。三沢さん、小橋さん、川田さん、田上さん、秋山さんも入って、このメンバーで世界最強タッグもやりながら3冠のタイトルも変わらないメンツで盛り上げてたじゃないですか。だから、タッグにいる選手がシングルにいけないとか、シングルにいる選手がタッグにいけないっていう、この新日本プロレスの固まった価値観をぶっ壊していけるんじゃないかなっていう気はしますね。
飯伏 それはホントに同意です。
棚橋 だから、飯伏君もシングル戦線への気持ちっていうのはずっと持っといてもらってもいいと思うんですよ。もちろんボクも持ってるし、でもタッグはタッグで集中していこうかな。
飯伏 ボクが将来的に思っているのは、タッグがドームのメインでもいいんじゃないかなと。いまは仮にタッグがメインになったら、「エッ、なんで?」ってからないですか?
――いまはイメージができないですね。
飯伏 それが当たり前になる時代を創っていきたいですね。「なぜシングルがメインじゃないといけないの?」ってありながら、やっぱりシングルがシングルでっていうのはありますけど、いまはタッグに集中したいですね。
――今回のトークイベントは、SNS上でもファンの方からたくさんの喜びの声が届いていますが。
棚橋 良かったですか? 俺たち反応がわからなくて、手応えがわからなかったんですよ。
――大好評でした。そして、今後も『新日本プロレスTogetherプロジェクト』が続いていく中で、今後やってみたい企画などはありますか?
棚橋 なかなか人が集まれないっていう状況を考えると、この映像配信っていうのは肝になってくるので、そこでの企画でいろいろやっていいんだったら、俺、アイデアマンなんでどんどん考えますよ。たとえば、飯伏の家に24時間のカメラのずっとつけて24時間配信するとか。
飯伏 それでファンの方が喜んでくれるなら、ボクはいくらでも協力しますよ。
棚橋 その代わり日中はずっと寝てますからね。夜2時ぐらいから起き始めますから(笑)。
飯伏 突然起きたり、突然寝始めたりするので、そこはボクのサイクルに合わせてもらわないと。
棚橋 飯伏の24時間テレビはいいですねぇ。
飯伏 ボクは全然大丈夫です!
こちらのスペシャルトーク、見逃した方は新日本プロレスワールドのタイムシフト配信でぜひごらんください!
■「新日本プロレスTogetherプロジェクト」 今後の配信スケジュール
●LIVE配信
・3月14日(土) 19時~「月刊シックスドットナイン!生だョ!一緒にTogetherしようぜスペシャル」
●特別蔵出し映像
ワールド未配信だった伝説の試合、記憶に残る名試合、知る人ぞ知る一戦を特別蔵出し大公開!
3月6日(金)「旗揚げ記念大会 名試合」、IWGPヘビー級選手権の厳選名試合、伝説の「アントニオ猪木vsマサ斎藤の巌流島決戦」など