大好評! 株式会社カプコンで、『ロックマン』シリーズ、『めがみめぐり』などのゲームのプロデュースを行っている、野中大三さんによるプロレスコラム!
■「NEW JAPAN ROAD」
2020年2月20日(木) 18時30分〜 東京・後楽園ホール
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2020年2月21日(金) 18時30分〜 東京・後楽園ホール
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■「中西学 引退記念大会」
2020年2月22日(土) 18時30分〜 東京・後楽園ホール
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※前売券は立見を含め、全席完売となりました。当日券の発売はございません。
みなさん、こんにちは。
株式会社カプコンでゲームプロデューサーをしている野中です。
2020年2月22日後楽園ホール大会にて中西学選手が現役を引退します。
ヤングライオン時代から中西選手を応援してきた1ファンとしてはさみしい気持ちでいっぱいです。
今回は中西選手への感謝の気持ちをこめて、中西選手の魅力についてゲーム的プロレス論を展開してみようと思います。
■中西選手の魅力、それはシンプルに「デカいこと」!
中西選手の魅力、それはただただ「デカいこと」に尽きます。身長186センチ体重120キロの体格は日本人レスラーの中では間違いなくヘビー級です。しかし中西選手の肉体は数値では表現し得ないデカさがあります。胸板の厚みと筋肉ブロックの大きさがとにかくすごい。120キロもの体重を持ちながらいわゆるソップ型の体型を維持している大型日本人レスラーは滅多にいません。
間違いなく、類稀なるデカいレスラー、それが中西選手です。
中西選手のデカさの魅力は、肉体だけではなくファイトスタイルにもありました。
チョップやショルダータックルといった基本技がとにかく豪快です。チョップの音は二階席後方まで響き、ボディスラムのマット音は地響きのごとく会場に轟きます。
代名詞と言えるアルゼンチンバックブリーカーはもちろん、マッケンローやヘラクレスカッター、大☆中西ジャーマン、上からドンなど巨体を活かしたオリジナル技も数多く生み出しました。
どの技も思わず口を開いてしまう豪快無比な迫力を持っています。
中西選手の試合は見所が非常にシンプルでわかりやすいものでした。
相手が中西選手より小さい場合は、中西選手が相手をいかに捕まえるか、がポイントとなり、相手が中西選手より大きい場合は、中西選手がアルゼンチンバックブリーカーで持ち上げられるか、がポイントとなりました。
特に自分より大きな相手と戦う時の中西選手はひと際魅力的でした。
中西選手より大きい相手となるとそれはもうスーパーヘビー級です。
スコット・ノートン選手、ジャイアント・シルバ選手、ジャイアント・シン選手、ジャイアント・バーナード選手、ボブ・サップ選手らがそうです。彼らをアルゼンチンで担いだシーンはどれもプロレス名場面です。
中西選手が見せた「デカさが伝わるプロレス」は僕たちファンの心をわしづかみにしてくれたのです。
■「デカさ」はゲームでも魅力的なテーマ
テレビゲームでも「デカさ」はとても魅力的なテーマのひとつです。
ファミコン時代から現在にいたるまで、僕たちゲームクリエイターは「デカさ」の追及に明け暮れてきたのです。
プレイヤーキャラ、乗り物、武器、ボス、さらにはダンジョンなどのステージに至るまでいろんなものをデカくしてきたのです。
大きなキャラクターはより魅力的に映り、巨大武器や巨大ボスは強さの象徴となり、巨大戦艦や巨大迷宮は手ごたえたっぷりの攻略対象となったのです。
様々なゲームで「デカさ」をセールスポイントにしてきたことからも、デカさは人間の本能に訴える要素であると言えるのです。
そう、人は皆、デカさに憧れるものなのです。
■中西選手のデカさを本能で受け止めた瞬間
ここで昔話をさせてもらいます。
僕の初観戦は忘れもしない1993年12月13日の新日本プロレス大阪府立体育館大会です。
こちらが当時のパンフレットです。
この日のメインでIWGPヘビーの防衛戦が組まれていた橋本真也選手が表紙でした。
選手紹介ページにはデビュー2年目の中西選手が掲載されています。今頃に体重はすでに115キロ。まさしく大型新人でした。
そんな中西選手は永田選手と組んで第一試合に出場していました。
相手は木戸修選手、エル・サムライ選手組です。
2階席のほぼ最上段で友達といっしょに観戦していた高校生の僕は、はじめて生のプロレスラーが見られることがうれしくて子供のようにはしゃいでいました。
そんな僕は花道から入場する中西選手を見て言葉を失ってしまいます。
中西選手のデカさに驚いて言葉を失ったのです。
初めて見るプロレスラーのデカさたるや!とにかくデカい!2階席後方からでもわかる人間離れしたデカさなのです!その人間離れしたデカさに本能的に恐怖を感じてしまったのです…。
入場ゲートと2階席の間はかなり距離あるうえ、中西選手は背中しか見えていません。
その位置関係であったにも関わらず、そのデカさに驚いて腰が抜けそうになったのです。
とてつもなくデカい人間がノッシノッシと花道を歩いていく姿を一生忘れることはないでしょう。
■ザ・プロレスラーの生き方
デカくて強くて豪快。
そんな「ザ・プロレスラー」の生き方を見せてくれたのが中西選手です。
豪快なのはファイトスタイルだけではありません。新日本プロレスの試合はもちろん、他団体に海外遠征、どう考えても不利なK-1ルールでの試合や準備期間の短いタイトルマッチなど、無謀とも思える試合をたくさん見せてくれました。しかもそのどの試合でもデカくて強い姿を見せてくれたのです。
近年ではモンスターモーニングで人間離れした話題を提供してくれているのも「ザ・プロレスラー」らしい一面ではないでしょうか。
50才を過ぎてあの体格を維持しているのはすさまじいトレーニングを継続している成果です。
あのデカい体にこそ、「ザ・プロレスラー」の生き方がつまっているのです。
中西選手が戦いの中で見せてくれた「ザ・プロレスラー」の魅力に僕たちファンは27年間酔いしれました。
デカさに驚かされ、元気と勇気をもらいました。
中西学選手というスーパーヘビー級の日本人レスラーが存在したことはマット界とファンの心に刻まれているのです。
中西学選手、27年間お疲れ様でした。
デカい感動をありがとうございました!
デカい中西選手が大好きです。
■野中大三(のなかだいぞう)
株式会社カプコン プロデューサー
『ロックマン』シリーズ、『めがみめぐり』などゲームタイトルのプロデュースを行っている。
プロレス観戦歴、ゲーム歴ともに36年。
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https://twitter.com/daizonnonaka
●お知らせ
ロックマンシリーズ最新作『ロックマン ゼロ&ゼクス ダブルヒーローコレクション』
2月27日発売です!
http://www.capcom.co.jp/rzzxc/