『新日本プロレスの選手へ一問一答!』第50回目は、中西学選手!
中西学選手が“最高のプロレスラー”と語るマサ斎藤さん、“恩師”山本小鉄さんのエピソードを激白!
そして、野人がアルゼンチンで唯一“担ぎ上げられなかった選手”とは?
撮影/山本正二
※以下、インタビューの「序盤部分(※一部抜粋)」をWEBで無料公開!
●Masakiさんからのご質問
自身のベストバウトは?
中西 IWGPヘビーを獲った(2009年5月6日後楽園ホール大会の)棚橋弘至戦やね。あの試合は、いろんな想いもあったし、年齢的なこともあったからな。
――いろんな想いというのは?
中西 自分でどうにかするしかないんだけど、考えても仕方がないと思って、考えるよりも先に身体を動かしながら何かを感じて、「いつかは!」っていう気持ちでいたな。
――たしかに、あのタイトルマッチは棚橋選手からの逆指名で決まりましたよね。
中西 そうやね。チャンスがあれば必ず身体が動けるように、誰とシングルを組まれても最高のモノを出せる準備をずっとしていたので、たとえ練習でも手を抜かないでしっかり鍛えて、「しかるべき時のために」って準備してたからな。
――試合を振り返ってはいかがですか?
中西 やっぱり、みんなが後押ししてくれた試合やったし、レスラーっていうのは、さっきまで歩くのがやっとでも、お客さんの声援をもらったら飛び回って動けるっていうか、お客さんの力っていうのは凄いなって思ったね。ただ、棚橋っていうのはいまも凄いけど、当時は最強王者だったからな。
――その最強王者から“特大☆中西ジャーマン”で勝利を収めましたが。
中西 棚橋にとっちゃたまったもんじゃないだろうけど、普段以上の力で発揮できたのは、やっぱりお客さんの力やね。
●ミルクモンスターさんからのご質問
過去〜現在の新日本プロレスにおいて中西選手が思う最高のプロレスラーは誰ですか?
中西 やっぱり、マサ(斎藤/故人・元プロレスラー)さんかな。マサさんのあの風貌といい、茶目っ気といい、人懐っこさといい、ほんで優しさもあって、ホンマに凄い人やったな。
――具体的にはどういう方だったんでしょうか?
中西 細かいことをあまり気にしない人で、“Go for broke!”って「当たって砕けろ!」っていうことを言うて、あんまり細かいことをグチャグチャ言わんと、常に一緒にいる時は、“We go now!”って「いまから俺ら行くぞ!」っていう人でしたね。その“We go now!”の中には、闘いに行くもあれば、メシを食いに行くもあるし、いろんな意味があって、それを言葉にせんでもやっぱりマサさんの背中を見たらわかるっていうかね。
――改めて、中西選手とマサ斎藤さんのご関係について教えていただけますか?
中西 マサさんはアマチュアレスリングの大先輩で、男子のレスリングってフリースタイルとグレコローマンがあんねんけど、マサさんは両方のチャンピオンになってんねん。だから、(1964年)東京オリンピックでは出ようと思ったら両方に出れるんやけど、グレコローマンは後輩のサンダー杉山さんに譲って、マサさんはフリースタイルにだけに出たんだよ。
――後輩想いの方ですね。
中西 そうやね。強面やけどホンマに優しくて、面倒見がいいんだよね。
――中西選手も若手時代に面倒を見てもらったりは?
中西 自分は長州(力/引退。元・プロレスラー)さん、馳(浩/現・衆議院議員)さんと同じ専修大学出身なんやけど、すぐ近くに明治大学があって、維新軍とかで長州さんはマサさんにお世話になってたから、その流れもあってなにかにかけて声もかけてもらったし、決して俺は器用な方ではなかったけど、「細かいことは考えないで、自分の持ってる大きいモノを見せていけ!」ってアドバイスをしてもらってましたね。
――そうだったんですね。
中西 まぁ、マサさんはモハメド・アリと一緒のパーキンソン病で亡くなられたんやけど、常に「死ぬまでレスラーや!」っていうことを言うてたし、トレーニングは必ず続けて、自分の筋肉に刺激を与えて、自分がなんであるかっていうのをいつも意識して生きていくっていうのがあったと思うんやけど、やっぱり難病やからな……。ただ、レスラーとしてずっとトレーニングしてはったね。
●とりーさんからのご質問
IWGPのベルトを奪取したとき、山本小鉄(故人/元プロレスラー、新日本プロレスコーチ)さんからはどんな言葉を掛けられたのでしょうか?
中西 とにかく山本さんには何かあるごとに怒られもしたし、叱咤激励、励ましもされたし、いろんな意味で面倒を見てもらってたし、やっとチャンピオンになれたっていうことで、まずは一礼しに行かなあかんなっていうことで頭を下げましたね。
――その時、山本小鉄さんはなんとおっしゃったんですか?
中西 いや、別に言葉はなくて頭を下げたら肩をポンポンと叩いて、なにかそういう想いを噛みしめてましたね。山本さんは解説もするからしゃべれる人ではあるんだけど、それって仕事上のことであって、逆に男としてはそんな軽々しく言えへんこともあるやろうし、伝えたいことっていうのは言葉やなくて、態度とかそういうものであったと思うしね。
――なるほど。
中西 だから、その時は軽々しい言葉じゃなくて、噛みしめた表情そのものが山本さんの気持ちだったと思うし、「長かったな」っていう気持ちももちろんあったけど、「これからやぞ!」っていう気持ちもあるし、あのシーンを見ただけでファンの人も納得した部分はあったと思うね。
※無料公開はここまで! 続きは有料サイトでご覧ください。
▼バックナンバー
棚橋弘至選手の後編はコチラから!
★加入するなら今! 新日本プロレス・スマートフォンサイトの詳細はコチラ!!
★月額=300円(税抜き)