プロレス界随一の論客・“GK”金沢克彦氏の独特の視点から、現在進行形の新日本プロレスに関するコラムを続々レポート(不定期連載)!!
今回は「1.5東京ドーム“史上最悪の乱入劇”の末に待っていたのは、鮮血のハッピーエンド! 2.9大阪城ホールを大総括!」
※以下、コラムの「序盤部分」をWEBで無料公開!
■激動するにもほどがある。そう言いたくなるほど、動きつづける新日本マット
オフィシャルスマホサイトの原稿だから、無条件に絶賛するわけではない。ただし、今回も脱帽だ。先の2.1&2札幌・北海きたえーる2連戦につづいて、また新日本プロレスが凄いものを見せつけてくれた。
じつに1万1,411人(札止め)の大観衆を動員した2.9大阪城ホール決戦。今回は出色の内容で私たちの目をくぎ付けにした後半3試合について書いてみたい。
その前に、ちょうど1年前を思い起こしてもらいたい。1年前の大阪大会は2月11日、大阪府立体育会館で開催されている。その大会の後半3試合は、石森太二vs田口隆祐のIWGPジュニアヘビー級選手権で、初防衛に成功した石森が放送席のゲスト解説についていた獣神サンダー・ライガーを次期挑戦者に逆指名している。
セミファイナルでは因縁のオカダ・カズチカvsバッドラック・ファレがノンタイトルで一騎打ち。オカダがファレをレインメーカーで沈めた。そういえば、1年前もオカダは無冠状態であった。
メインイベントでは1.4東京ドームでケニー・オメガを破りIWGPヘビー級王者に返り咲いたばかりの棚橋弘至が、なんとジェイ・ホワイトに破れ、初防衛戦でベルトを失う大波乱が起こっている。
あれから1年、まず会場が大阪城ホールへとグレードアップ。さらに後半3戦に出場したメンバーもガラリと変わった。
第6試合のIWGPジュニアヘビー級選手権を争ったのは、“復活”高橋ヒロムvsリュウ・リーのライバル対決。セミファイナルには、鈴木みのるvsジョン・モクスリーのIWGP USヘビー級選手権。メインイベントを締めたのはIWGPヘビー級&IWGPインターコンチネンタル王者の内藤哲也vsKENTAという図式。
わずか1年で隔世の感あり。1年前、この新日本のリングに元WWEのスーパースターであるディーン・アンブローズことモクスリーが上がり、またWWEを退団したKENTAが上がっているなど誰ひとりとして予想しえなかったことだろう。
さらに言うなら、2018年の7.7サンフランシスコ(カウパレス)大会のIWGPジュニアヘビー王座防衛戦でドラゴン・リーと対戦し首を骨折したヒロムなど、復帰の目途さえ立っていない状況。
そして、トドメはこれ。内藤哲也がIWGP&インターコンチの二冠王者として、大阪城ホールのリングに凱旋したこと。
激動するにもほどがある。そう言いたくなるほど、動きつづける新日本マット。ただし、すべてが予想外、想定外でありつつ、それでいてリング上の闘いは激しさとグレードを上げる一方だから、新日本にマンネリはないし、層が厚くなればなるほど選手間の競争もレベルアップしていくわけだ。
2.2北海きたえーる大会の解説についたワタクシ金沢は放送のエンディング間近で、こう言った。
「私なりに他団体の試合、また世界のプロレスを見るようにしていますけど、間違いなく新日本のリング上は世界一です」
ふだん、比較論は口にしないようにしているが、このときばかりは自然にその言葉が出てきた。それほど、いまの新日本マットは第1試合からハイレベルで充実しているからだ。
■爽やかな意地の張り合い。この一戦からヒロムvsリーのライバル闘争パート2が幕を開けたと言っていいだろう
では、本題へ。1.5東京ドームの引退試合で、ライガーにジュニアヘビーを託された男であるヒロムと、その永遠のライバルといっていいリーのタイトル戦。
あのサンフランシスコの悲劇から、582日ぶりの一騎打ち。こと、IWGPジュニア戦に関していうなら3度目の決戦。過去の2戦はいずれもヒロムが勝利を飾っている。
1年7カ月前のカウパレス大会。ドラゴン・リー(当時)が初公開した投げっぱなしドラゴンドライバーによってヒロムは首に重傷を負った。レスラー生命の危機に瀕する大怪我。
身体に傷を負った男と、心に傷を負った男――。
まさに、いい得て妙というか、そう表現するしかないだろう。メキシコCMLL時代からつづく6年のライバルストーリーがヒートアップしすぎた結果の代償である。
それ以降、互いに紆余曲折を経て、待望のこの日を迎えた。ヒロムのコンディション面での不安は、1.4東京ドームでのウィル・オスプレイ戦で完全に払拭された。難攻不落の最強王者を目されていたオスプレイを堂々と打ち破ったからだ。
そういえばシリーズ開幕前に、ある場所でヒロムとバッタリ顔を合わせた。
「いやあ、ホントに驚いたよ。首をやって1年以上もブランクがあるのに、あれだけ動けるんだからねえ」
「いえいえ、大したことないですよ。小指の骨が折れたくらいのものですから」
こういった何気ないプライベートの会話のなかにも、ヒロムのプロレスラーとしてのプライドを感じてしまうのだ。
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