2月11日(火・祝)に開催された全日本プロレスの『2020 EXCITE SERIES』の開幕戦となる後楽園ホール大会に、2月22日の後楽園ホール大会で引退をする中西学が参戦。専修大学レスリング部の後輩でもある全日本の秋山準、新日本プロレスの先輩である西村修、後輩の吉江豊と組んで、ヨシタツ&崔領二&TAJIRI&田村男児と6人タッグマッチで対戦した。
写真提供/週刊プロレス
これが最後の全日本参戦となる中西は一番先に一人で入場。リングに上がると大量の紙テープが投げられる。続いて秋山の入場曲に乗って秋山、西村、吉江がそれぞれ花束を持って入場。試合前に中西に花束を贈呈し、4人で記念撮影を行った。
先発は中西とTAJIRIでスタート。しかし、TAJIRIは一つも交わることなく、ヨシタツにタッチだ。中西にとってはやはり新日本の後輩にあたり、現在は全日本所属となっているヨシタツと、まずはリストの獲り合いを展開。ヘッドロックに獲られるが、ヨシタツをロープに飛ばす。
ヨシタツはショルダータックルでぶつかるが、これ仁王立ちして受けた中西は逆にショルダータックル。ヨシタツを見事にふっ飛ばしてみせた。ここで両軍、吉江とランズエンドの崔にタッチ。崔は果敢にも吉江の巨体を持ち上げようとするが、持ち上がらず。逆に吉江のショルダータックルでふっ飛ばされてしまった。
続いては秋山と男児が対峙。エルボー、ショルダータックルでぶつかる男児を秋山は場外に放り投げる。しかし、男児はすぐさまリングに帰還。秋山もエプロンに戻りかけるが、そこに男児がビッグブーツを食らわせて、秋山を場外に転落させてみせた。
だが、秋山は男児を場外で捕獲すると、ボディスラムで叩きつけてお仕置き。さらに硬い床に叩きつけていたぶっていく。代わった西村はエルボースマッシュ。これに対して男児もエルボーで返していくが、西村は強烈なエルボースマッシュで反撃してからスリーパーだ。
さらに吉江を挟んで再び中西登場。全日本の若手である男児に容赦なく逆水平チョップを見舞っていく。しかし、男児はコーナーに振られたところで足を突き出して反撃。コーナーからフライングショルダータックルを食らわせた。
これを合図にヨシタツ、TAJIRI、崔が入ってきて中西を袋叩き。しかし、中西はこれを一人でチョップを振るって蹴散らす。すると今度は秋山たちが入ってきてトレイン攻撃。秋山が捕まえたヨシタツに中西はコーナートップからブレーンチョップを投下。さらにTAJIRI、崔もチョップを振るって蹴散らし、ヨシタツには野人ダンスからラリアットだ。
ここは男児がカット。その男児はヨシタツからタッチを受けると、エルボー、ショルダータックルで中西に攻め込む。さらにサイドスープレックスを狙った男児。中西が踏ん張るとボディスラムに切り替えるが、中西は持ち上がらない。
逆に中西はハンマーパンチからニードロップを投下。だが、男児に避けられて自爆してしまい、ボディスラムを被弾してします。その男児は中西のお株を奪って、「ホー!」と叫んでから野人ダンス。そしてラリアットを発射だ。
しかし、中西は男児を喉輪でキャッチ。ショートレンジのラリアットでなぎ倒すとアルゼンチンバックブリーカーに捕獲する。TAJIRIたちもカットに入ってくるが、すぐさま秋山たちもリングに入ってきてアシスト。グリーミンストを発射しようとするTAJIRIを、中西は抱え上げている男児を振り回して蹴散らしてしまう。そして男児も力尽きギブアップ。中西が全日本最後の参戦を勝利で飾った。
試合後は集まった観客から大中西コールを浴びた中西はマイクを握って、全日本のファンに挨拶を行った。
■中西学選手のリング上マイク
「全日本プロレスのお客様、こんにちは。新日本プロレスの中西学です。暖かい応援、ありがとうございました。同じ後楽園ホールで19〜22日までの4日間、新日本も試合させてもらいます。ごめんな、秋山。宣伝させてもろうて(笑)。完全燃焼しますんで、今日の試合に負けないぐらい燃えます。ぜひ皆さん、応援してください。それと全日本プロレス、めっちゃ熱いです! 後楽園最後になるのはホンマ惜しいんですけど、せやけど、皆さん、この闘い、これからも応援していきましょう! 今日はありがとうございました
■試合後コメント
──こういった特別試合が組まれると、引退をさらに実感されるんじゃないですか?
中西「そうですね。全日本最後の試合って銘打たれていて、全日本にお世話になってたなと思いつつ。それと、こういった形でこの4人と組めたのも凄く意味のあることやし、まあ秋山選手と組むのは2回目なんですけどね。機会は少なかったけど、おもしろい闘いができたと思います。この2人(西村と吉江)とはイヤというほど組んでますけど(笑)。そのなんちゅうか、おもしろいもんも出せるし、出さなくてもそういったものが見えてくると思うし、今日はホンマに楽しい闘いでした。ありがとうございます」
──秋山選手、最後となりますけど、組んでみていかがでしょうか?
秋山「まあまあ中西先輩が言ったようにそんなに組んだことはないですけど、インタビューとか見てて、ずっと大学からの姿とか思い起こしていて寂しいですね」
──先程「イヤという程組んでいた」と言われていましたが。
西村「まあ、3人でも組んだし、2人でも蝶野&天山組に挑戦しましたよね。大阪府立が60分フルタイムを昨日のように憶えていますしね。身体も落ちないし、まだまだいけんじゃないかって思いますけど、残念で仕方がありません」
吉江「私はもうG-EGGSなどでチームを組ませてもらっていますし、俺の中で“ザ・レスラー”は中西さんでしたので、残念ですがこれからまだまだ私はがんばっていきたいと思います」
──全日本プロレスという空気の違う会場でしたが。
中西「新日本育ちで新日本好きですけど、得も言えん雰囲気がありますね、全日本には。その雰囲気が凄いですね。優しさばっかりじゃなくて厳しさもあって。その中で精一杯やった奴に対しては凄い声援が来るし、そらなんとも言えないですね。ええ感じの。新日本も見習ったほうがええかもしれないですね」
秋山「大丈夫ですか?(笑)」
中西「やばい?(笑)。さっき宣伝しちゃったから上げとかないかんなと(笑)。でも、新日本の方向性もあるんでね。まあ、全日本の方向性とは若干違うんで。そういうことで」
■全日本プロレス「2020 EXCITE SERIES」
2月11日(火・祝)後楽園ホール
・中西学 全日本プロレスファイナル スペシャル8人タッグマッチ
〇中西学&西村修&吉江豊(10分29秒 アルゼンチンバックブリーカー)ヨシタツ&崔領二&TAJIRI&田村男児●