こんにちは。株式会社カプコンでゲームプロデューサーをしている野中です。
『WORLD TAG LEAGUE 2019』はジュース・ロビンソン選手、デビッド・フィンレー選手組の初優勝という予想外の結末でした。ロビンソン選手とフィンレー選手のフレッシュなチームがタッグ戦線に新たなうねりを生み出してくれると思うとワクワクが泊まりません。
広島大会ではドーム大会のカードを期待させるいろんな動きが起こりました。史上初のドーム二連戦に向けて2019年の新日本プロレスはラストスパートに入ったと言えるでしょう。
今回のコラムでは東京ドーム2連戦の目玉ともいえる、IWGPヘビー王座とIWGPインターコンチネンタル王座のダブルタイトルマッチについてゲーム的プロレス論を展開してみます。
■『バンドリ! Presents WRESTLE KINGDOM 14 in 東京ドーム』
2020年1月4日(土) 15時開場 17時試合開始
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※「ロイヤルシート」「アリーナA」「アリーナB」「バルコニースタンド」「レディースシート(アリーナB)」は完売となりました。
※ただいまスタンド席種のみ発売中!
2020年1月5日(日) 13時開場 15時試合開始
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■ダブルタイトル戦のおさらい
まずは状況を整理しましょう。ダブルタイトル戦は2日間に渡って開催される構成です。
●1月4日(土)東京ドーム
[IWGPヘビー級選手権試合]
(王者)オカダ・カズチカ選手vs(挑戦者)飯伏幸太選手
[IWGPインターコンチネンタル選手権試合]
(王者)ジェイ・ホワイト選手 vs(挑戦者)内藤哲也選手
●1月5日(日)東京ドーム
[IWGPヘビー級・IWGPインターコンチネンタル ダブル選手権試合]
前日の勝者同士の対戦
1日目で勝った選手同士が2日目に闘う。
そうです。これは2日間に渡る4選手参加のトーナメント戦なのです。
2日で2連勝した選手は晴れてIWGP二冠王となるのですが、その候補者は4人。
ダブルタイトル戦の結果に関してはなんと8通りにも及びます。
図解すると下記となります。
なんとも複雑ですが、1.5のメインイベントが決定するにはこのような分岐になります。
ここで忘れてはならないのがプロレスというジャンルの性質です。ただ、“勝つ”というだけではなく、“誰からどのように勝つ”のかが重要なのです。
例えば、オカダ選手が二日連続で防衛をして二冠王になる場合であっても、ダブルタイトル戦でジェイ選手と闘って破ればジェイ選手との決着戦に勝利する構図になり、内藤選手に勝つ場合は内藤選手の二冠プランを打ち砕く構図になります。
つまり、同じ選手が勝つとしても相手が誰なのかによって全くテーマの異なるメインイベントになるのです。
1.4の試合結果によって翌日のカード、テーマが変わる。
これはまさにマルチエンディングシステムと言えます。
■マルチエンディングとは
マルチエンディングシステムとはゲームのストーリー形式のひとつです。
本や映画とは違ってゲームはユーザーさんのプレイがゲームの進行に反映されるインタラクティブさを持つエンターテインメントです。そのインタラクティブな魅力をストーリーの結末にまで反映させたシステムが「マルチエンディングシステム」です。
わかりやすい例を挙げてみましょう。
グッドエンディングとバッドエンディングの分岐例です。
クリアまでに善人的な行いを多く選択すると、最後のボスを倒したあとに世界中から感謝されるグッドエンディングになり、敵を倒すことだけを考えた自己本位的な選択をしていると、世界は平和になったけれど、誰からも感謝されないバッドエンディングになります。
ユーザーさんのプレイ内容によってエンディングが分岐することがマルチエンディングシステムなのです。
ゲーム業界合ではマルチエンディングを採用しているタイトルが非常に多くあります。
殺人事件を調査しつつ、犯人捜しに失敗するとやられてしまう「かまいたちの夜」。
世界を救うタイミングによってラスボスが変わる「クロノトリガー」。
親密度を上げたキャラクターが伝説の樹の下で待つ「ときめきメモリアル」。
などなど、ユーザーさんの選択がエンディングに影響することでストーリーへの没入感が高まるタイトルが非常に多いのが特徴と言えるでしょう。
マルチエンディングの魅力は何と言ってもインタラクティブ性です。
ユーザーさんのプレイ内容、強いて言うならプレイ態度そのものがエンディングを決定するのです。
制作者が書いたシナリオの上を歩いて、定められたエンディングにたどり着くだけではなく、ある程度の幅でユーザーさんがストーリーに関与し、エンディングを左右する“参加性の醍醐味”が感じられるシステムなのです。
■ファンの参加がドームのエンディングを変える?
話を東京ドームのダブルタイトル戦に戻しましょう。
ダブルタイトル戦は言うまでもなく、4選手の中でもっとも強い選手が勝ちます。
しかし、そのエンディングは我々ファンにかかっていると言っても過言ではありません。
スタート地点に立つ4選手は以下のテーマを持っていると言えます。
オカダ選手……史上最強のIWGP王者となりプロレス界をけん引する。
飯伏選手 ……2夜連続タイトルマッチを戦い抜き、有言実行の二冠王になる。
ジェイ選手……新日本のベスト、世界のプロレス界のベストであることを証明する。
内藤選手 ……夢をあきらめない粘り強さを見せつける。
しかし、これは1.4の試合前の状況です。
1.4、1.5のタイトルマッチ2連戦を終えるとその存在感、テーマは大きく変わっている可能性が高いです。
たとえば、オカダ選手がギリギリの防衛を勝ち抜いて、進化する王者となったり、はたまたジェイ選手が予想を裏切る正統派ファイトでニューヒーロー誕生のエンディングになったり、ということも考えらます。
そのエンディングを左右するのは戦う選手だけではなく、声援を送る我々ファンにかかっているのです。
ファンが声援を送れば選手はベビーフェースになり、ブーイングを送ればヒールとなる。これがプロレスの醍醐味です。4選手の戦いの中から我々ファンがどのようなテーマを見つけるかによって最後の光景は大きく変わることでしょう。
つまり、ファンの声援が作り出すマルチエンディング、それがこのダブルタイトル戦であると結論づけましょう。
ビッグマッチと言えばシングルのタイトルマッチが定番です。
王者が防衛するのか、挑戦者が新王者となるのか? 戦前はその結果に妄想を膨らませて楽しむのが通例ですが、今回のドーム二連戦は結末が8通りです。妄想の余地も8通りあるのです。
なんと贅沢な大会なのでしょう!
■最後に予想
まだまだ妄想を楽しみたいところですが、あえて現時点の予想(というか希望)を書きます。
僕の予想は内藤選手がジェイ選手、オカダ選手を連破しての二冠奪取です。
これは内藤選手が春から掲げていた目標です。インターコンチネンタル王者をジェイ選手に奪われ、現在は丸腰状態。4選手のなかでは二冠王に最も遠い立場です。
一度は遠ざかった二冠の夢を成し遂げる。
さらに東京ドームではじめてオカダ選手に勝つ。
そして、極めつけは2014年のファン投票で味わった悔しさを、ファン投票で選ばれた二冠戦で勝利することで払拭する。
そう、内藤選手にとってはトリプルリベンジとなるのです。
このシチュエーションって、最高じゃないですか?
深読み好きなプロレスファンがいつまでも妄想を楽しめる、そんな奥深さのある1.4.1.5のダブルタイトル戦をみなさん一緒に盛り上げましょう!
まさに、「伝説創るイッテンゴ」ですね!
■野中大三(のなかだいぞう)
株式会社カプコン プロデューサー
ロックマンシリーズ、めがみめぐりなどゲームタイトルのプロデュースを行っている。
プロレス観戦歴、ゲーム歴ともに35年。
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https://twitter.com/daizonnonaka
●お知らせ
ロックマンシリーズ最新作『ロックマン ゼロ&ゼクス ダブルヒーローコレクション』
http://www.capcom.co.jp/rzzxc/
■『バンドリ! Presents WRESTLE KINGDOM 14 in 東京ドーム』
2020年1月4日(土) 15時開場 17時試合開始
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※ただいまスタンド席種のみ発売中!
2020年1月5日(日) 13時開場 15時試合開始
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※「ロイヤルシート」「アリーナA」「アリーナB」「レディースシート(アリーナB)」「バルコニースタンド」は完売となりました。
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■『NEW YEAR DASH!!』
・2020年1月6日(月)18時30分~東京・大田区総合体育館
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※「ロイヤルシート」「アリーナ席」は完売となりました。
※「1FスタンドA」「2FスタンドC」は残りわずかとなりました。
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