プロレス界随一の論客・“GK”金沢克彦氏の独特の視点から、現在進行形の新日本プロレスに関するコラムを続々レポート(不定期連載)!!
今回は「新日本プロレスはまたも“国境”を超えた」オカダvs鈴木が壮絶マッチ! 大熱狂の8.31ロンドン大会を大総括!!
写真協力/週刊プロレス
※以下、インタビューの「序盤部分」をWEBで無料公開!
■英国マットが本当の意味で息を吹き返したのは、この10年ほどとなるだろう
8月31日(日本時間9月1日)にイギリス・ロンドンで開催された『NJPW ROYAL QUEST』。ちなみに、QUESTは、「探求」とか「遠征」という意味である。
今回、なんといっても特筆すべきは会場がザ・カッパーボックスであったこと。2012年にロンドンで開催されたロンドン五輪に向けて建設されたスポーツ施設であり、由緒ある会場。
ハンドボール、バスケットボールなどに使用されることが多いのだが、その競技によってキャパシティは6000~7000人。今回、ロンドン(イギリス)初進出となる新日本プロレスが、6119人(満員)の大観衆を集め、しかも前売りチケットが早々に完売し、予定より席数を増席したというのは快挙といっていいのかもしれない。
ちなみに、私の友人が2年前からロンドンに住んでいるのだが、大会4日前に残りわずかとなったチケットをなんとかゲットすることができたという。もちろん、スタンド最後方に近い席しか空いていなかったらしい。
当スマホサイトで鈴木みのるが語っていたように、プロのレスリング発祥の地はイギリスと言われている。いわゆるキャッチレスリングで、それが海を渡ってアメリカのカーニバル・レスリングとなった。米国大統領史上、もっとも人気のあるエイブラハム・リンカーン(第16代大統領)が、カーニバル・レスラー出身であったのも有名な話だ。
なぜ、そんな話から振ってみたかといえば、数々の名レスラーを生んだイギリスのプロレスシーンであるが、じつに浮き沈みの激しいジャンルであり、1990年代~2000年代の一時期にはプロレスが瀕死の状況に置かれている時期もあった。
たとえば、リングに上がっている選手が、WWEやWCWといった米国メジャー団体スターレスラーのものまねキャラばかり。そんな時代もたしかにあったのだ。
英国マットが本当の意味で息を吹き返したのは、この10年ほどとなるだろう。レスラーのレベルも試合内容も格段に上昇してきた。
かといって、米国のWWEや日本の新日本プロレスのように抜きん出たメジャー団体があるわけではない。団体はインディークラスが群雄割拠の状態。
そのなかでも、いまもっともファンの熱烈支持を獲得しているのが、新日本と提携しているRPW(レボリューション・プロレスリング)なのである。
伝統と格式、そして正義を重んじる英国人気質とは一線を画すかのように、RPWは次々と外国人選手をリングに上げていく。日本からは新日本のメインイベンターからヤングライオンまで。米国ROHからもいま旬のレスラーを招聘する。
2012年の旗揚げだから、まだ7周年を迎えたばかりにも関わらず、いま英国マットでイチバン革新的なプロモーションと言っていいだろう。まさに、「レボリューション」を地でいっているのだ。
だいたい、同団体の看板であるベルトのバックル部分には「REV」と大きく記されている。「RPW」ではなく、「REV」だ。つまり、「REVOLUTION」のほうを前面に押し出しているのである。
それに、プロレスという単語が日本で生まれたものであることは周知の通りであろうが、プロフェショナル・レスリングという英単語も本来は存在しない。これもまたメイド・イン・ジャパンの単語。
本場の米国マットでは昔からプロレスは、すべてレスリングを称される。プロ競技でもアマチュア競技でもレスリングはレスリングなのだ。
そのメイド・イン・ジャパンの「プロレスリング」という単語を団体名に使用しているところにもRPWの斬新さ、いかに日本から影響を受けているのかがわかろうというもの。
閑話休題――。
さて、ここまで英国マット事情に関して軽くガイダンスさせてもらったが、いま注目のRPWといえどもやはり普段のビッグマッチの会場は2000人規模。そこで、新日本が総力をあげて進出した結果、格式のあるカッパーボックスに6000人を超える観客が詰めかけた。
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試合開始時刻は、31日(土曜日)の午後5時30分。日本との時差はサマータイムで8時間。日本時間にすると翌1日(日曜日)の午前1時30分開始となる。
私たち実況陣は午前0時にテレビ朝日と言う名のロンドンに集合。ちょうど、そのころに会場に着いたという友人から写真付きでメールがとどいた。
「凄い行列です。たぶんイギリス人ばかり。日本人の姿はまったく見られないですね」
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