『NEW JAPAN CUP 2019』では、破竹の連勝ぶりで一気に決勝戦まで駆け上がった“Cold Skull”SANADA。
準優勝で終わったもののファンの期待感がさらに膨らんでいる中、新日本マットでも一、二を争う“寡黙な男”が大いに語った! ロングインタビュー(前編)!
撮影/山本正二
聞き手/編集部
■自分はむしろ「期待されなかったことがない」というか……
――さて、SANADA選手。本日は『NEW JAPAN CUP 2019』(以下、『NJC』)を振り返って頂きたいんですが
SANADA ハイ。よろしくお願いします。
――「おめでとうございます」と言っていいかわからないんですけどが、今回の“準優勝”という結果に関しては?
SANADA まあ、こういうことは優勝しないと結局は忘れられちゃうんですよね。正直、1位になるのと2位になるのでは、天国か地獄かみたいになっちゃうわけで。
――『G1 CLIMAX』の歴史なんかを見ててもそうですよね。
SANADA ただ、それでも自分の中では「今回は、それなりの価値が出たんじゃないかな」と。いままでの2位よりは“価値のある2位”だったんじゃないかなと、いまはプラスに捉えてますね。
――今年は、新日本プロレスからいろんな選手が離脱して、2月頃は不安を抱えているファンも多かったと思いますが、今回のこうした状況に奮起するというか、期する思いはありましたか?
SANADA いや、あんまり考えてないですね(アッサリと)。
――あ、とくには考えていなかった。
SANADA ええ。自分的には「選手が抜けたからヤバくなる」っていう感じは一切しなかったですし、むしろ「選手が抜けてもっと勢いはよくなるんじゃないか」とすら思ってましたから。
――選手が抜けたタイミングというのは、ファンからも「次はこの選手が来るんじゃないか?」と期待がかかる瞬間でもあります。今回もSANADA選手や飯伏幸太選手にかかる期待値は高かったと思いますが。
SANADA ウ~ン。なんかね、最近までというか、いまもそうかもしれないですけど、“4強”とかって言われてたじゃないですか。
――いまならジェイ・ホワイト、オカダ・カズチカ、棚橋弘至、内藤哲也というトップ選手4人のことですね。
SANADA もう、自分はその発想すらもなくしたというか、捨てたんですよね。そういう固定観念に縛られたら、みんながそういうイメージを持っちゃうので。いま自分的には「4強すらない」と思ってますから。
――その考えに至ったのはいつ頃ですか?
SANADA 完璧に自分の中で思ったのは、『NJC』をやってる最中ですね。前までは「あまり意識しないように」ぐらいに思ってたんですけど、どうしても意識しちゃう部分もあった。でも、今回はほとんど考えなかったです。
――ちなみに、事前に新日本プロレスのLINEアカウントでファンのみなさんの優勝予想をしたら、オカダ・カズチカ選手、飯伏幸太選手、棚橋弘至選手に次いでの4番目にSANADA選手が予想されてました。ファンの期待感は感じました?
SANADA ああ、そうですね。というか、自分はむしろ「期待されなかったことがない」というか……(ニヤリ)。
――期待されなかったことがない!
SANADA フフフ。まあ、レスラーとしては期待されなくなったらキツいですよね。
――その期待感がプレッシャーになったりはしない?
SANADA あんまりないですね。ただ、以前まではそういう部分もありましたよ。一昨年とか『G1』に出てる時期とか。結果が出ないことで「またかよ」「何年こんなことやってんだよ」「いつまで期待されてるんだよ」とか思ったことは。
■実現の可能性はべつにして、「後藤さんとは、組むのもおもしろそうだな」と。
――あらためて、『NJC』についてですが、まず初戦の3.11高松『NJC』1回戦の後藤洋央紀戦はいかがでした?
SANADA フフフ。試合後に、インスタグラムで、『l beat the most handsome prowrestler in japan』(私は日本で一番ハンサムなプロレスラーに勝った)と書いたら、後藤(洋央紀)さんが反応してましたね。選手日記で「おおきに……」って(笑)。
――複雑な心境を日記で吐露してましたね。SANADA選手の中では、後藤選手はそういう認識ですか?
SANADA イケメンですよね。和風の日本っぽいイケメンというか。ただ、試合をやってみて「この人がいなかったら、新日本のスターが生まれなかったのかな」っていう感じもしましたね。
――ああ、そうですか。
SANADA そのぐらいプロレスがうまい。闘っている中で相手をドンドン成長させる力があるというか、そういったイメージが強いですね。……あと、“牛殺し”って後藤さんのオリジナルホールドなんですかね?
――あれは後藤選手のオリジナル技だと思います。
SANADA あれは素晴らしい技ですね。そういうオリジナルムーブを作るプロデュース力も凄いじゃないですか。自分は、オリジナルムーブがないですもん(苦笑)。自分の試合は基本の技をいかに美しく魅せるっていう感じですけど、後藤さんは技のオリジナリティが凄い。去年ぐらいから、相手をヒザに落とす技を使う人が多かったじゃないですか。あの本家は後藤さんの牛殺しだと思ってるので。
――SANADA選手と後藤選手は、“柔と剛”というか試合スタイル的に真逆な感じがありますね。
SANADA ああ、そういう意味では、実現の可能性はべつにして、「後藤さんとは、組むのもおもしろそうだな」と。あくまで直感的に思っただけですけど。
――あ、意外と波長的に合いそうですか?
SANADA いや、合わないかもしれないですけど(笑)。なんか自分の中でそういう感じも見えましたね。
■鈴木みのる戦をたとえて言うなら……。レディー・ガガっているじゃないですか?
――では、3.17後楽園『NJC』2回戦で対戦した鈴木みのる選手に関しては?
SANADA もう、10年前ぐらい、全日本プロレス時代からシングルマッチを何度もやってますからね。ただ、10年前ぐらいにやった時は明らかに格差がありましたけど、ここ2ヶ月では2試合やってますし。
――2.2札幌大会では好勝負のはて、ゴッチ式パイルドライバーで敗れました。
SANADA あと、新日本では(2017年7.22後楽園)『G1』でも1回やってるんですけど、あの時は自分の実力がなさ過ぎて、まだ差が見えましたけど。
――コラムでGK金沢克彦さんが書かれてたんですが、鈴木選手はSANADA選手を「あいつはオレが相手でもビビらないんだよ。だいたい若いヤツってビビるじゃん」とおっしゃっていたようで。鈴木選手に“怖さ”は感じないですか?
SANADA リングに上がったら、そういう怖さとかは感じないですね。
――対戦相手としてはいかがですか。鈴木選手は、技の数は少ないですけど、一つ一つの技にこだわるタイプというか
SANADA そうですね。鈴木戦のような試合は、いま日本であんまり観れないというか。ああいうスタイルって、自分が日本の伝統的な基礎を習ってきたうえの試合なんですよね。ああいう試合は逆に外国人の選手にはできないんじゃないかなと。
――表面的ではなく、奥深いルーツが垣間見られるようなジャパニーズスタイルの世界というか。
SANADA もちろん外国人選手でも、ああいう基礎的な動きができる人はいますけど。いまはできない人が多いんじゃないかなと思いますね。
――なるほど。
SANADA ……あと最近イヤなのが、試合中に凄くムダが多いなと。試合を観ていると「なんでここでこういう動きするんだろう」って思うこともあるんですよ。でも、あの試合に関しては、まったくムダがなかったじゃないですか。おたがい勝ちに行くだけのことしかやってない。
――SANADA選手はそういう部分に凄くこだわりがありますよね。
SANADA そうですね。コレをたとえて言うなら……。レディー・ガガっているじゃないですか?
――たとえて言うなら、レディー・ガガ!
SANADA ハイ(笑)。レディー・ガガも一見、ルックスは奇抜じゃないですか。だけど、あれは基礎ができるからやっていいんですよね。基礎ができなくて、ただ奇抜なことをやったら凄く安っぽく見えちゃうんですよ。
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