いよいよ現地時間・4月6日、ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンに上陸する新日本プロレス。その『G1 SUPER CARD』のメインイベントを張るのは激闘続出の『NEW JAPAN CUP』を制したオカダ・カズチカ!
MSGの大舞台で、因縁のジェイ・ホワイトを相手に、IWGPヘビー級選手権に挑戦するレインメーカーにいまの心境を直撃!
撮影/山本正二
■今回はこの『NEW JAPAN CUP』自体のブランドが上がったと思います
――あらためて『NEW JAPAN CUP』(以下、『NJC』)優勝、おめでとうございます!
オカダ ありがとうございます!
――棚橋弘至選手は「生まれてから一度も疲れたことがない」というのが口グセですが、さすがのオカダ選手も今回は……。
オカダ ハハハ。やっぱり、“最初の何試合か”は疲れてましたね。
――あ、最初の何試合か。今回は歴代最多となる32人がエントリーし、優勝するには5試合勝ち抜く必要がありました。
オカダ ええ。でも、闘っていくうちに緊張感のほうが疲れよりも勝るというか。いまもそうですね。『NJC』が終わってゆっくりしようかなと思っても、マディソン・スクエア・ガーデン(以下、MSG)までは緊張が切れない状態が続くので。
――なるほど。4月6日のMSGでのジェイ・ホワイト選手とのIWGPヘビー級王座戦まではまだまだ気が抜けない、と。
オカダ じつは6年前もそうだったんですよ。『NJC』で初めて優勝して、そのあとの両国で棚橋さんからIWGPヘビーを獲ったんですけど、そのときも緊張したまま、ずっと気が抜けない感じだったのを覚えてます。
――オカダ選手は2013年の『NJC』で優勝し、その年の4.7両国でIWGPヘビーを獲得しましたが、今回も気持ち的には似ている、と。よくアスリートが集中状態を「ゾーンに入る」と言いますが、いまはそういう感じでしょうか?
オカダ というか、なんか“昔の感じ”が徐々に戻ってきたかなと思いますね。
――昔の感じというと?
オカダ チャンピオンだった頃の感覚、ですかね。
――なるほど。オカダ選手は昨年の6.9大阪城のIWGPヘビー陥落以降、ベルトからは約9カ月離れていますね。
オカダ すでに遠い昔のように感じますけど(苦笑)。今回の1回戦、2回戦くらいのときは、ひさびさの『NJC』ということもあってまだ慣れてないというか。でも、そのあとは感覚が研ぎ澄まされてきて……。
――大会前からご自身を「大本命」と宣言し、見事に有言実行をはたされたわけですが、そこにプレッシャーはなかったですか?
オカダ いや、自分でも「言っておいてよかったな」と思いますね。結果的に自分をうまく追い込めましたし。全体的に見ても、この『NJC』はいいシリーズになったと思います。
――優勝後にはリング上で「新日本プロレスはいろんな人がアメリカに行ったけど、『NJC』物足りなかった? 俺はこの新日本のリングが世界一だと思っています」とも発言されました。
オカダ ホント、それをあらためて実感したシリーズでしたね。加えて、今回はこの『NJC』自体のブランドが上がったと思います。また『G1 CLIMAX』とは違う楽しさ、トーナメントだからこそ感じられる楽しさがお客さんに伝わったと思いますし、また来年も盛り上がるでしょうね。
■ホントに「オカダの次はオスプレイでしょ」って言ってもいいくらいの存在だと思います
――オカダ選手は2012年2月のIWGPヘビー初戴冠以降、常にIWGPヘビーを巡る闘いの輪の中にいました。今回のように王座の挑戦権を獲るための闘い、今回の『NJC』はかなりハードだったのでは?
オカダ でも、「この経験がこれから活きるだろうな」っていうのはありますね。そもそもトーナメントは常に100を出して勝っていかないといけないので。
――ええ。たしかにトーナメントは「一度負けたら終わり」ですし。
オカダ 『G1』の場合はリーグ戦なので、最悪1~2敗してもまだ優勝の可能性がありますけど、『NJC』は「その日の試合に賭ける」という要素が強いですよね。
――優勝後の一夜明け会見ではオカダ選手から「ボクからしたら観てる人たちが急に変わったような気がする」という言葉もありましたが、ここに来てオカダ人気が再燃しているというか。
オカダ フフフ。それは……パンタロンやめたからですかね?(ニヤリ)。
――あ、ショートタイツに戻したのが人気の原因(苦笑)。そこは常にトップ戦線に君臨していたオカダ選手が、またイチから駆け上がろうとしている姿が多くのファンの感情移入や共感を誘ったのかな、と。
オカダ たしかに今回、一番ビックリしたのが長岡の決勝なんですけど、大「SANADA」コール一辺倒かなと思ったら、意外にそうでもなかったんですよね。
――ああ、地元出身のSANADA選手ワンサイドに声援が集まると思っていたのが、フタを開けてみたら違ったということですね。
オカダ 正直、試合前は完璧アウェーでやるもんだと思っていて、「どうしようかな?」っていうのはあったんで。そうしたら意外と「オカダ」コールがあって。それはありがたかったですし、「応援してくれるんだ、オレのこと」って思いましたね。
――トーナメントの試合はいずれも好勝負でしたが、3.20静岡の準々決勝のウィル・オスプレイ選手との試合はいかがでしたか? オスプレイ選手はオカダ選手がCHAOSにスカウトし、“弟分”として非常に認めている存在ですが。
オカダ やっぱり改めて「すばらしいな」って思いました。ああいう選手が新日本プロレスで活躍してくれるのもうれしいですし、オスプレイがいれば新日本も安心だなって、試合を通して感じましたね。
――大きな信頼を寄せているわけですね。
オカダ ボクが最初にオスプレイを日本に連れてきたときは、もちろん空中殺法は凄いけど、「何かもう一つきっかけがあれば伸びるんじゃないかな」っていう部分もあった中、新日本ジュニアでの試合をはじめ、いろんな経験をしていまのようなレスラーになって。「もっともっと、オスプレイは伸びしろがあるんじゃないかな」とも思いますね。
――オスプレイ選手は新日本に対して大きな恩義、忠誠心を感じているようで「ニュージャパンに来て、自分の人生が変わった」と発言されていました。
オカダ いや、ホントに「オカダの次はオスプレイでしょ」って言ってもいいくらいの存在だと思います。
■つくづく石井さんとは「仲間でよかったな」と思います
――3.23長岡の石井智宏選手との準決勝も、壮絶試合となりました。同じ日にメインでSANADA選手と試合する棚橋選手と事前に話したら、「自分の試合の前が、オカダvs石井戦か……」と困惑を隠してませんでしたし。
オカダ フフフ。まあ、石井さんとの試合はたしかにキツいですけど、なんていうか、爽快感だったり、いろんな感情が出てくるというか。仲間との絆というのもありますし。
――なるほど。
オカダ つくづく石井さんとは「仲間でよかったな」と思います。「こういう人たちのおかげで俺もいるんだな」って実感するというか……、ホントにいろんな思いが出てくるんですよね。
――特別な感情がある、と。
オカダ ボクもいまだに石井さんに学ばせてもらう部分はありますし。ふだん、なかなか試合で当たらないからこそ「石井さん、こういうところが凄いな」って実感しますね。決勝の前に石井さんと当たれてよかったです。最終決戦を前に気合が入ったというか、「『NJC』、楽じゃないよね」と実感できたので。
――とくに終盤の技の切り返し合戦は凄まじかったです。
オカダ 何回、レインメーカーを切り返されたかわからないですし、「背負い投げなんて、石井さんやるんだ?」って驚きましたし(笑)。
――石井選手はここ一番の試合では、とんでもない引き出しを開けてきますよね
オカダ それだけ石井さんはいろんなことを経験してるし、研究してるってことだと思います。うれしいですよ、そこまで自分を研究対象にしてもらっているので。「オカダが想像しない技で返してやろう」っていうのを考えるってことでしょうし。
――試合後、石井選手と健闘を称え合ってましたね。
オカダ ハイ。自分にとってはオスプレイが弟分なら、石井さんは“兄貴分”ですかね、フフフ。
■ボクはホントに「同世代で盛り上げたい」という気持ちが強くて。もうボクたちの下の世代も増えてきてますから
――そして、同じ日のメインではSANADA選手が大声援を背に棚橋選手を下し、オカダ選手と決勝で対峙することが決まりました。
オカダ あの準決勝の試合、全部は観られてないんですけど、最後の攻防が凄かったですね。ボクの脳には出てこないような発想があって。
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