新日本プロレスリング株式会社は、3月18日(月)東京・後楽園ホールにて、2016年以来となる新卒採用会社説明会を開催。前回を上回る約500名の応募人数があり、スーツ姿に身を包んだたくさんの就活生が“格闘技の殿堂”に朝11時から集まった。
ハロルド・ジョージ・メイ社長、棚橋弘至選手が登壇して、新日本プロレスの魅力について語っただけでなく、特別試合も2試合行われた。
※試合の模様は別項に記載。
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■「新しい発想を持った社員に入ってもらい、一緒に新日本を大きくしていきたい」メイ社長のプレゼンテーション。
入場曲に乗ってリングインしたメイ社長。場内から拍手が送られる中、まず新日本プロレスの会社概要からスタート。「現在の社員数はレスラーを除いて約80名」であり、男女比率は「7:3」と語った。
ここから、“新日本プロレス4つの特徴”として、「日本で1位、世界では2位のプロレス団体」であり、他の業界と比べても「相当に可能性がある」とその将来性に熱っぽくコメント。
2つ目は「年間150試合以上、1年に400時間以上のコンテンツを創り出している」こと。3つ目は他の団体と比べても「ユニークで幅広いファン層」。現在の新日本プロレスは約4割を女性が占めており、約5割が男性。約1割がお子さんとなっている。
4つ目は「大きなグローバル市場で通用するコンテンツ」ということで、「みなさんのような新しい発想を持った社員に入ってもらって、一緒に大きくしていきたい」と語った。
ここから、新日本プロレス“会社組織”の説明として、管理部、広報宣伝部、商品部、興行事業部、国際部、映像部、ビジネス開発部、経営企画部と8つの部門を紹介。
続いて、新日本プロレスの劇的なV字回復に言及したメイ社長は、現在の新日本プロレスが「究極の“コト”体験を提供している会社である」と定義した。
この「究極の“コト”体験」を伸ばす長期戦略として、メイ社長が重要視しているのが「新規顧客の獲得」。「常に新しいお客様、国内外、男女・年齢を問わずに新しいお客様の獲得を念頭に各部門が仕事をしている」と説明。
続いて挙げたのは「ロイヤルティの向上」。「いかにお客様が新日本プロレスを長く、関係を密にして、何度も観てくれるようにするか?」という点で「“お客様との絆”を非常に重視している」と語ったメイ社長。
そのための工夫として、
(1)ファンクラブでお客様同士の絆、サイン会などで選手との関係を密にしていくこと。グッズを販売し、着用してもらうことで、一層プロレスを愛してもらう工夫をすること。
(2)さまざまなSNS展開。会社や選手が、直接お客様とのコミュニケーションを行える時代に、お客様からの反応を会社の改善につなげていくこと。
(3)動画配信サービスで、全世界で試合体験を共有できる環境作り。
(4)なんといっても「会場での一体感」が一番のポイントであると語り、その上で、「新規ビジネスに繋げる」ことを目指すと言明。
続いて、就活生が気になる“新日本プロレスに就職するメリット”にも言及。
「一日中プロレスと携われるのは非常に幸せなこと」ことであり、「この6年ほど業績は右肩上がり、業界王手で勢いのある会社で働けること」こと。さらに「日本のみならず海外でも、知名度が高いこと」を挙げた。
さらに仕事の「手ごたえ」があること、会社規模が大きくないため「いいアイデアがあり、説得できればモノになる」「いろんなことにチャレンジできる」こと。開拓者としてのおもしろさを感じられる会社であるとアピール。
さらに現在、目黒にあるオフィスの紹介から、新日本プロレス10のポイントとして、
1:「意外なほどちゃんとしている」
2:「女性も働きやすい職場」
3:「外国人社員もいて、業務内容はグローバル」
4:「オフィスが新しくてかっこいい」
5:「始業時間が遅くて楽(午前10時)」
6:「駅直結でアクセスが良い。買い物や飲食にも便利。
7:「リベラルな考え方。どんどん改善している」
8:「基本的には土日祝休みの普通の会社(部署による)」
9:全員がプロレス好き
10:(メイ社長が)これまで働いてきた会社の中で一番好き
と項目をリストアップ。
続いて、こちらも就活生が気になる新日本プロレスが「どんな人材を求めているか?」に関しては、
・頑張る人、志の高い人
・新日本プロレスが好きで基本的なことは知っている人
・応援してくれるお客様のために、真摯に不満やクレームに耳を傾け、対応してくれる人。
・できない理由を並べるのでなく、厳しいけれどどうやったらできるのか? を必死に考えて動ける人。
・固定観念にとらわれず、ポジティブでエネルギッシュであること。ネガティブで内向きで、行動力に欠けた人はいらない。
と就活生に向けて熱いメッセージを寄せた。
最後に「働くということは、人によって理由があるはず」「イメージ、業務内容、規模、知名度が高い、給料、安定や将来性、休日、アクセスなど、人によって条件は変わるけれど、嫌なことがあっても自分にとって大事なことがもし満たされていれば、ある程度は我慢できるのでは?」と語ったメイ社長。
「けれども、悩みや苦しい状況を我慢するのではなく、いつでも相談に来てほしい」「私の社長室のドアはいつでも誰でも開いている。それは相談に来ていいよという合図です」とオープンな環境をアピールしつつ、「みなさんと一緒にプロレスの歴史を作っていきたい」とプレゼンテーションを締めくくった。
■「面接のときには笑顔と声のトーン、自分の志を伝えていただきたい」棚橋選手からのメッセージ
メイ社長の会社説明のあとは、司会の阿部リングアナの「ここからは肩の力を抜いてリラックスしてください。ある選手を呼びたいと思います!」という言葉と共に、スーツ姿の棚橋弘至が『LOVE&ENERGY』に乗って、にこやかな笑顔で登場。
会場が拍手に包まれる中、リングインした棚橋選手はセカンドロープに上るといつものように逸材ポーズ。続いてマイクを握り「みなさん、はじめまして。新日本プロレス、100年に一人の逸材、棚橋弘至です! 今日は会社説明会にに集まっていただき、本当にありがとうございます!」と挨拶。
そして、「僕にとっての就活はジムに行って身体を鍛えることでした。大学3年の12月に新日本のテストに受かった段階で“内定”を手に入れたので、就職部に一番に行って内定先を新日本プロレスと書いてビックリされたのを覚えてます(笑)」と自身の学生時代を振り返ると、「ですので就活に関しての知識はゼロなんですが、僕はいつもみなさんに応援されているので、今日はみなさんの就活を応援できるような、役にたつような話を三つ、お話ししたいと思います」とスピーチを開始。
一つ目は“受身”について。
棚橋選手は「レスラーは受身の数だけ強くなる」と語ると、これを日常生活に置き換えて説明。「大きな問題が起きたり、就活でしんどいと思っても、逃げずに真正面から向かっていく。そうすると心が強くなります。辛い気持ちは心の筋肉痛であり、乗り越えるとメンタルが一回り強くなる。だから、逃げずに受身を取りまくってください」とエールを送った。
続く二つ目は“疲れない方法”について。
棚橋選手は12年の1.4ドームでオカダ・カズチカ選手に「お疲れさまでした! これからはレインメーカーが新日本を引っ張っていきます」と挑発された際に「俺は生まれてから疲れたことがないんだ」と返答したエピソードを振り返り、「それ以降、疲れてはいけないという十字架を背負おいました」と場内の笑いを誘う。
しかし、「本人が認めなければ疲れではない。疲れたことがないって言った人間のほうが頼りがいがある。なので、どれだけしんどくても笑顔でいられるという能力を身につけました。見てください、この笑顔」とスマイルを披露し、場内は拍手に包まれる。
そして、「先日読んでた本に、面接において笑顔と一緒くらい大事なのが声のトーンと書いてありました。“笑声”(えごえ)と言うそうなので、ぜひ面接官と話すときは声のトーンにも注意をしてみてください」とアドバイス。
最後の三つ目は“物事をおもしろがる能力”。
「仕事は楽しいことばかりではなく、やりたくないこともあります」と語った棚橋選手は、こちらも最近読んだ本からの知識として「人間の生活は寝る時間、働く時間、遊ぶ時間のみっつにわけられます。仕事の時間が楽しいと感じられたら、起きてる時間はずっと楽しくなる」と説明。
そして自身がブーイングを受けていた時代を振り返り、「悩むんじゃなくて、おもしろがる。その物事の受け取りかたによって、生き方や時間の過ごしかたも変わってくる。この能力は生活を充実できるスキルだと思います」と経験を踏まえて語った。
三つの話を終えた棚橋選手は、そのまとめとして企業が欲する人材についても言及。「新日本を退団したKUSHIDAは『何をしてきたかじゃなく、これから何をしていくか』と言っていました。企業も『この人材は会社で何をしてくれるか』」を見ていると思うので、面接のときには笑顔と声のトーン、自分の志を伝えていただきたいと思います」とメッセージ。
そして、最後は「どれだけ偉大な過去でも未来は作れない。未来を作れるのはいま。僕は若い外国人選手に“You Are Future”、キミは未来なんだって伝えてるんですけど、ここに来ているみなさんもFuture。たいへんですけど、心から応援しています。新日本プロレスに入ってくれたかつきには、すばらしいものを一緒に作り上げていきましょう」と熱いエールを送り、最後は「会場のみなさん、愛してま~す!」の雄叫びでスピーチを締めくくった。