1.4東京ドーム以降、欠場が続いていた“ゴールデン☆スター”がいよいよ新日本マットに帰ってくる! 『NEW JAPAN CUP』で完全復活をはたす飯伏幸太はいま何を思うのか? 直撃ロングインタビュー!
※このインタビューは、2月27日に収録。
聞き手/鈴木佑
撮影/中原義史
■ドームが終わってから、2.11大阪でリングに上がるまでは、もの凄く長く感じました……
――飯伏選手は今回の『NEW JAPAN CUP』で新日本マット復帰を果たしますが、その欠場の原因となったのは1.4ドームのオープニングマッチで、ウィル・オスプレイ選手と繰り広げた死闘でした。あらためてあの一戦を振り返っていかがですか?
飯伏 そうですね。ドームのオープニングマッチで、オスプレイと真っ向から試合ができたという部分では「最高だった」と思ってます。
――二人のスリリングな攻防でビッグマッチに火をつけましたよね。
飯伏 結果的にボクが脳震盪を起こしてタンカ送りにはなりましたけど、あの結末についても後悔はないです。欠場にはなったのも前向きに捉えれば、いろいろなことについて考える時間も取れたので。
――その後、脳震盪の影響もなく、少しずつ練習も再開されたそうですが、その中で先ほどおっしゃったようにいろいろなことを考えた、と?
飯伏 ハイ。ドームが終わってから、2.11大阪でリングに上がるまでは、もの凄く長く感じました……。本当にいろんなことがありましたね。
■いま振り返ると、新日本でのケニーはボクよりも先に行き過ぎていたのかなって思うんですよね
――あらためて、新日本プロレス残留を選んだ決め手になったものは?
飯伏 そうですね。自分がやりたいのはプロレスを広めることだっていうのは昔から言ってるんですけど、日本をベースとしてそれをやりたいな、と。もちろん、プロレスを広める上で自分が有名になりたいというのもありますし、そういうことを考えたときに新日本プロレスが一番だと思いました。
――そこには新日本の闘いに対する思いも?
飯伏 もちろんです。新日本での闘いをもっと日本で広めたいですし、それは自然と世界につながっていくと思っているので。ケニーはプロレスで世界を変えると言ってますけど、ボクは新日本で世界を変えたいというか。
――約1年前に感動的な復活を果たしたゴールデン☆ラヴァーズ(以下、GL)が、また袂を分かつことになりましたが、いまケニー選手にはどういう思いを抱いていますか?
飯伏 ケニーが選んだ道に関しては、全力で応援したいと思っています。ケニーがプロレスで世界を変える姿は観てみたいですし、そこに負けないようにボクはボクの闘いに臨むので。いま振り返ると、新日本でのケニーはボクよりも先に行き過ぎていたのかなって思うんですよね。
――逆にケニー選手はGLが復活したときに「イブシとオレは50/50の関係だ」と発言していましたが、飯伏選手の中では違った、と?
飯伏 ハイ。それは実績を見ても、ボクと違ってケニーのほうは『G1』も獲ってますし、IWGPヘビーも巻いているわけで。自分が同列にいないのに、あのまま組んでいてもどうだったんだろうっていう思いはあります。
――今度はケニー選手と違うかたちでの勝負というか。
飯伏 そうですね。もちろん、プロレスは何が起こるかわからないですし、またリング上で会うこともあるでしょうけど、とりあえずは違うリングでお互いを意識しあうことになるのかなって思いますね。
――そして2.11大阪を迎えるわけですが、飯伏選手の入場テーマが鳴った瞬間、場内は凄まじいどよめきに包まれました。あのときの気持ちというのは?
飯伏 もの凄い緊張感でした。なんか、どうやって花道を歩いてあのリングに立っていたんだろうっていう、入場の仕方が一瞬わからなかったというか(苦笑)。
――そこまでの緊張感でしたか(笑)。そして、飯伏選手が「新日本プロレスに残ります!」と力強く宣言したときに、大歓声が巻き起こりました。
飯伏 あれはメチャクチャうれしかったですね……(シミジミと)。早くコスチュームを着て、このリングで闘いたいなと思いました。
――「ボクはどこにも行きません。新日本プロレスで全力を尽くしていきたいと思います」という言葉は、飯伏選手の決意表明というか。
飯伏 そうですね、いろいろハッキリさせたかったし、スッキリしたかったですね。ファンのみなさんもモヤモヤした部分はあったと思うので。
――やはり去就について、ファンからの問いかけは多かったですか?
飯伏 そうですね。それだけ心配させたのは申し訳なかったですし、ああやって口にすることで、自分自身も気持ち的に楽になりました。ただ、まだ全部は楽になっていないですね。
――その楽になっていない部分とは?
飯伏 これはまだちょっと……。
――そこは言えない部分ですか。いつか言える日は来るんでしょうか?
飯伏 言える日は来る……、と思います(苦笑)。そのときに楽になるのかも知れないですね。
■これからのボクを見てもらって、自ずと真意が伝わればなとは思います。
――ちなみにあの飯伏選手の新日本残留宣言に対して、内藤哲也選手は「違和感しかなかった」と語り、オカダ選手もそこに関して同調しています。要するに所属選手はみんな新日本に残り、年間のシリーズを通して戦っている中、スポット参戦も珍しくはない飯伏選手の言葉が腑に落ちなかったようで。
飯伏 ああ、なるほど。ただ、どちらかというとあの言葉はファンであり、ケニーに向けた言葉ではあるので……。
――つまり、内藤選手やオカダ選手から反発が出るのも理解できる部分がある、と?
飯伏 そうですね。それはしょうがないと思いますし、「ごもっともです」としか言いようがないです(苦笑)。
――なるほど(笑)。以前、棚橋選手が飯伏選手について「レスラーとして実力も華も揃っている。あとは“覚悟”だけ」という言い方をされていました。その覚悟というのが、フリーと所属の違いにつながる部分があるのかなとも思うのですが、いかがですか?
飯伏 ウ~ン……(熟考)。結局、いろんなものに縛られたくないという部分もあってフリーでやってきたんですけど、去年を振り返ると新日本プロレス以外のリングには上がっていないですし、べつにそのこと自体に苦痛はないんですけどね。
――試合数の差こそあれ、新日本での闘いに没頭したということですよね。
飯伏 だからいま、自分の気持ちの中では所属とフリーで何も差はない……つもり……なんですけど……。
――また、少し口が重くなってきましたね(笑)。たとえば新日本の通過儀礼というか、道場で下積みを経験していないという部分で、何か引け目を感じる部分はありますか?
飯伏 ああ……。本当、これは言ったら失礼かもしれないですけど、それはないですね!(キッパリ)。ないのがおかしいのかなと、いま一瞬思ったんですけど(苦笑)。
――そういえば、DDT時代も若手の頃から合同練習に参加せず、単独行動だったらしいですし(笑)。
飯伏 ハイ(笑)。まあ、自分が所属選手だったとして、フリーの飯伏幸太のことが、どこか責任逃れのように見えるのは理解できます。でも、フリーとしての立場から言わせてもらうと、ただの責任逃れだけではなくて、本当にプロレスを広めたいという思いからいろんなところに出て試行錯誤したというのはありますし、それは所属の立場だったら自由にはできない部分なので。
――まさに“飯伏プロレス研究所”としての活動というか。
飯伏 でも、今回は大阪で満員のお客さんの前で「新日本で全力を尽くします」と発言したわけですし、あとはこれからのボクを見てもらって、自ずと真意が伝わればなとは思います。
■1回戦の内藤戦? ボクの中では「あ、いきなり決勝が来たな」っていう感じですね(ニヤリ)
――今回の『NEW JAPAN CUP』(以下『NJC』)について伺います。まず、出場者数が歴代最多の32選手になったことについて、率直な感想は?
飯伏 いや、32人っていうのは凄いですよね。単純にいままでの倍ですし。
――飯伏選手の場合、2016年に出場したWWEのクルーザー級クラシックが32名出場のトーナメントでしたが、それ以来となりますね。
飯伏 そうですね。去年までの『NJC』に比べて、優勝するには勝たないといけない試合が増えるのできつくなるとは思いますが、出場者が2倍増えるなら、そこは2倍楽しめばいいかな、と(笑)。
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