• 2019.3.2
  • #Media
「“NEW ERA”という言葉を聞くたびにイラッと来るんだよ」ウィル・オスプレイに直撃インタビュー(前編)!

3月6日『旗揚げ記念日』で、IWGPヘビー級王者のジェイ・ホワイトとスペシャルシングルマッチで対戦する、NEVER無差別級王者のウィル・オスプレイ。

ジュニア戦士でありながら、ヘビー級戦線で破竹の活躍を続けるオスプレイがジェイへのライバル心を告白!

撮影/山本正二
通訳/MIZUKA

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※以下、コラムの「序盤部分」をWEBで無料公開!

■ジェイの戴冠? 信じられないような展開だった。いや、信じたくなかったというのが正直なところかな。


──まず、先日はダルトン・キャッスル選手相手にNEVER王座防衛おめでとうございます。
 
オスプレイ サンキュー。防衛できてうれしいよ。

──そんな中、今回は突然、ジェイ・ホワイト選手との対戦をぶち上げました。この理由は?

オスプレイ いま、まさに準備が整ったからだね。つまりボクがジェイ・ホワイトと闘える能力を持ってるからでもある。たしかにジェイも成長しているよ? 『WRESTLE KINGDOM』ではオカダに勝って、『NEW BEGINNING』ではタナハシにも勝って、今は連勝街道の真っ只中だ。ただ、そのジェイをボクはROHの大会で倒したという実績があるんだ。

――2017年5月12日にROHニューヨーク大会で行われたシングルマッチですね。

オスプレイ イエス。あの時から自分が成長していないかと言えばそうじゃない。ボクもさらに成長してベストゲームができる状態になっているんだ。だから、ジェイ・ホワイトはスイッチブレイドだ? NEW ERAだ? とかぶち上げているけど、「いまの自分なら勝てる」という自信があるんだ。

──ただ、ジェイ選手が棚橋選手を倒してのIWGPヘビー級王座戴冠には大きな衝撃が走りました。あの試合に関してはどう感じていらっしゃるんですか?

オスプレイ あの日、ボクはイギリスにいたので『新日本プロレスワールド』で観戦していたんだ。タナハシのハイフライフローをキャッチしてからの逆襲(ブレードランナー)で勝ったよね。信じられないような展開だった。いや、信じたくなかったというのが正直なところかな。

――オスプレイ選手も信じたくなかった。

オスプレイ イエス。これはジェイ自身が言っていたけれども、ボクたちは彼の実力や成長ぶりをそこまで真剣に受け止めていなかった……という部分はあると思う。試合の現場にいなかったのでなんとも言えないけれど、現実的に彼がIWGPヘビー級王者になったということは、“それなりの器”なんだろう。

■誰がジェイを倒すのか? もしかしたら一度、彼を倒したことがある、“イングランドから来た男”かもしれない


──かつてオカダ選手が起こした「レインメーカー・ショック」になぞらえて、ジェイ選手の王座戴冠を「スイッチブレイド・ショック」と呼ぶ声もあります。ただ、ジェイ選手自身は「スイッチブレイドショックではない」と言っていますが。
 
オスプレイ う〜ん。まあ、ボクにとっては少なからずショックだったね(苦笑)。ボクが今回ジェイを倒したらそれはそれで「ショッキングだ」って言う人が出てくるかもしれない。でも、人がなんと言おうと、自分が最高の試合ができる状態だと信じ、その上で結果が出せたのならショックでもなんでもないと思う。ジェイが言っているのはそういうことなんだろうね。

――なるほど。
 
オスプレイ ただ言っておくけど、いまのウィル・オスプレイも最高の状態なんだ。だから、今回ジェイを倒してもボクにとってはショックでもなんでもない(ニヤリ)。過去の実績においてもボクが1勝、ジェイが0勝という事実は変わらないしね。

──そのROHでのシングル戦を少し振り返って頂きたいんですが。

オスプレイ いま考えてもアレは圧倒的な試合だったと言えるだろうね。終盤までシーソーゲームのような展開だったんだけども、最後のほうになるとジェイのほうが疲れてきて動きも鈍くなり、焦りも見えていた。ボクは何度も顔面に対しての攻撃も加えてリングの外に出し、トップロープからのシューティングスターを放った。彼はそれも全身で受け止めた。そして最後にリングに戻って、「ワン! ツー! スリー!」という展開だった。

──凄い波状攻撃だったと。今回、3月6日の『旗揚げ記念日』でジェイ選手との試合が組まれましたけど、これはジェイ選手がマディソン・スクエア・ガーデンでIWGPの防衛戦が決まっていることもあってスペシャルシングルマッチになりました。

オスプレイ オーケー。自分としても「それはそれ」という思いでいるよ。そのマディソン・スクエア・ガーデンは2万人のチケットが完売したんだって? それはありえないくらい素晴らしいことだ。そこにIWGPヘビーのチャンピオンとしてジェイ・ホワイトがリングに上がらなければいけないというのであればスペシャルシングルマッチでも仕方がない。

――なるほど。

オスプレイ ジェイ自身、いま疑うことなく自分が最強だという自信を持っているはずだ。タナハシを倒し、オカダを倒し、いまは自信に満ち溢れている時期だろう。……去年、ジェイがこういう成長を遂げるとは誰も思っていなかった頃、BULLET CLUBに誘われてケニーと仲間になるようなふりをしてブレードランナーで彼を倒したという展開があっただろ?

──ありましたね。昨年の1月5日の後楽園大会でした。ジェイ選手はその後のUSヘビー級王座戦でもケニー選手には勝利しています。

オスプレイ だとしたら、いまいったい誰がジェイ・ホワイトを倒すのか? それはもしかしたら一度、彼を倒したことがある、“イングランドから来た男”かもしれないよ(ニヤリ)。

──目の前にいるあなたですね(笑)。

オスプレイ フフフ。ボクが誰もが想像し得なかったような展開を見せることは可能だと思う。なぜなら、ウィル・オスプレイという選手もずっと以前からIWGPヘビー級王座に挑戦できる価値のあるレスラーだと思っているからだ。

■「いまのボクにできないことなんてないんじゃないのか?」というのが率直な気持ちだね。


──今回はノンタイトル戦ですけど、やはり現在のIWGPチャンピオンとの闘いになりますから、この試合はオスプレイ選手にとっても非常に大きな意味を持つと思うんです。

オスプレイ その通りだよ。この一戦はボクのキャリアにとっても非常に重要な試合になる。ただ、忘れないでほしいけど、ボクは去年、当時チャンピオンだったオカダとも闘っているんだ。

──それこそ昨年の旗揚げ記念日に組まれたスペシャルシングルマッチですよね。

オスプレイ 「去年、オカダで勝っていれば、その後どんな展開になっていたかわからない」という思いが自分の中にはあるよ。そして、「ジェイにできてなんで、ボクにできないんだ」という思いがあるのも事実なんだ。

――アイツにできるなら、自分だってできるハズだと。

オスプレイ そもそも多くの人がボクのことをただのジュニア選手だと思っているふしがある。そうじゃない。だって、考えてみてくれよ。ボクは去年タイチを倒したし、東京ドームではイブシ(飯伏幸太)を倒した。そして、ダルトン・キャッスルを倒してNEVER王座の防衛にも成功した。「いまのボクにできないことなんてないんじゃないのか?」というのが率直な気持ちだね。

──凄い自信ですね。ただ、ジェイ選手のファイトスタイルはオスプレイ選手が以前ROHで闘った時と比べて、ダーティーでクレバーなファイトスタイルになりました。それについては?

オスプレイ まあ、変わってることはたしかね。そして彼はいまも毎日一生懸命練習を繰り返していると思う。けれども、彼の頭の中にはいまだに「俺はオスプレイに負けた」という事実が刷り込まれている思う。ジェイは一度の敗戦で味わった恐怖と不安を抱えたまま、2度目のオスプレイとのシングルマッチを迎えるんだ。彼はキャラクターをガラリと変えてしまったけど、そうしないとリングに上がれないんじゃないのか? 

――あのキャラクターは、昔のジェイの隠れ蓑かもしれないと。

オスプレイ まあ、いいだろう。もし、ジェイが汚い手を使ってくるなら、ボクはそのまま返してやるだけさ。危険なスラムをしてくるならそれもすぐに返す。正々堂々とジェイに立ち向かうだけだね。

■ジェイとの最初の出会いはイングランド時代。当時、あのプリンス・デヴィットがボクと引き合わせてくれた

──コメントでは「以前は友だちだった」っていう発言もありましたけど、CHAOSでのチームメイト時代はある程度仲が良かったんですか?

オスプレイ フフフ。ちょっと待ってくれ。(しばらく写真を探した後、スマホを見せながら)こういういい写真があるんだよ。これは彼のインスタなんだけど、この写真をボクに送ってきたこともあったんだ(ニヤリ)。

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