いよいよ1月末で新日本プロレスからの退団、ラストマッチが近づいてきたKUSHIDA選手。決意に至るまでの葛藤や、最後の試合となる1.29後楽園の棚橋弘至戦、新日本ジュニアに関しても言及!
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■「もっと世界を隅から隅まで、自分のこの目で見てみたい」という気持ちに至った
――1月7日の退団会見から少し日が経ちましたが、どこか心境面の変化はありますか?
KUSHIDA いや、それが意外とそうでもなくてですね。退団会見のあとも、いつもどおりの新日本のレスラーとしての日常を送ってたからですかね。
――たしかに会見のあと、KUSHIDA選手は『CMLL FANTASTICA MANIA』の1.11大阪から1.16幕張まで5大会に参戦しましたね。
KUSHIDA ええ。ルチャ・リブレはボクのプロレスラーとしての出発点なので、メキシコ人のレスラーたちと闘えたのも原点回帰というか、ひとつ運命めいたものは感じました。
――KUSHIDA選手は大学生時代にメキシコで修行をして、現地でプロデビューしてますから。残す試合は1.26春日部、そして1.28&1.29後楽園の計3大会となりましたが、あらためて退団を決意した経緯について伺えますか?
KUSHIDA 会見でも言いましたけど、「世界で活躍したい」という昔からの夢があって、それが消えた時期もありつつ、やっぱり頭の片隅にはあったというか。そして2018年になって、レスラーKUSHIDAがこれから進むべき道っていうのが明確に見えたということだと思います。
――以前、内藤哲也選手が「ロス・インゴの加入前、俺に対するアメリカのファンの反応が薄かった。当時、KUSHIDA選手も入場段階ではそんな感じなのに、試合が始まると誰よりも歓声を巻き起こしていた」とおっしゃっていました。そういう部分でKUSHIDA選手自身も相性がいいというか、“海外”で闘うことに手応えを感じていた部分はありますか?
KUSHIDA ウ~ン。ただ、今回の決断については海外の反応がどうこうというよりは、プロレスラーKUSHIDAが生まれ持ったアイデンティティですかね。それプラス、そういったいろんな“材料”に触発されて「もっと世界を隅から隅まで、自分のこの目で見てみたい」という気持ちに至ったんだと思います。
――いまが最後のタイミングという気持ちも?
KUSHIDA そうですね。現在36歳ですから、もし次に新日本プロレスで複数年契約をしてもらった場合、そのあとで踏み出すとしても年齢的にどうなのかなって。最後の冒険をするにはベストなタイミングかと判断しました。
――大きな決断をした、と。
KUSHIDA ただ、本当に一つ言っておきたいのは、この新日本プロレスに対しては何一つ不満はないんです! こんなにも戦いに集中できる環境はないですし、よき仲間でありライバル、サポートしてくれるスタッフのかたがたに恵まれて。
――新日本プロレスという会社自体も成長し続けていますし。
KUSHIDA にも関わらず、自分でそれを投げ打って辞めるなんて……(苦笑)。われながらこんなバカなことがあるかと思ったり、「俺、頭おかしくなったんじゃないか?」って自分にあきれたり。そうやって自分自身にツッコミを入れつつ、考えてきたのがこの一年でした。
■「テーマ自体を自分で探さないといけない状態」に陥っちゃったというか
――いろいろな葛藤があったわけですね。
KUSHIDA 本当にいまの新日本プロレスの状態は凄いですから。世界中からいいレスラーが集まってきますし、「これだ!」っていう自分が納得する闘いができる。プロレスラーの喜びが、このリングには詰まってますよ。
――やりがいしかない、と。
KUSHIDA ハイ。ただ、その反面、いまこのタイミングでは「I have to go」(行かなきゃいけない)と思ったのも事実で……。交差点に差し掛かって、ちょうどよく進むべき道が青信号になったというか。
――人生の岐路に立ったということですね。この一年考え続けたということですが、逆に言えば2年前には思い描いていなかった、と?
KUSHIDA まったく思わなかったです。リング上が充実してましたし、「こんな試合、誰ができるんだ?」っていう、世界のどこにでも胸を張れるような身を削る試合をしてきたので。
――まさにKUSHIDA選手は新日本ジュニアの牽引役でした。
KUSHIDA 気づけばジュニアの頂点と言われている冠を何度か奪取し、誰かの挑戦を受けるというシチュエーションが多くなってきて。でもね、そういう状況について「やり尽くした」という言い方は絶対にしたくないんですよ。
――どうしても周りからはそういう見方をされる部分もあると思いますが、そこは否定したい、と。
KUSHIDA やっぱり闘いのテーマというものは、探せばいくらでもあるわけなんで。ヤングライオンと組む機会も増えてましたけど、新日本を繁栄させるためにはプロレスを教える役割も必要ですからね。
――団体を底上げし、未来の戦力や後進を育てるということですね。
KUSHIDA 新日本プロレスを後世に伝えていくための作業っていうのは、ボク自身も凄くやりたいことだったんですよ。ただ、そういうものを含め、「テーマ自体を自分で探さないといけない状態」に陥っちゃったというか。
――自分を取り巻く環境に変化を感じた、と。
KUSHIDA いままでは目の前にパッとあったはずのものが、キョロキョロ探さないといけなくなって。あとは“挑戦”ということが、自分に求められていないというか。
――ポジション的に受けて立つ側であり、自分から踏み出すという感じではなくなってきましたね。
KUSHIDA そこはジレンマもありましたね。レスラーとしての野心、野望を我慢していると、プロレスラーとしての自分を見失うことになるんじゃないかなって。
■IWGPヘビー級王者・プロレス界の大横綱が相手ですから、これ以上のカードはない
――そして新日本のラストマッチとして、1.29後楽園のメインで棚橋弘至選手とのスペシャルシングルマッチが組まれました。退団会見では新日本でやり残したこととして、棚橋選手と肌を合わせていないとおっしゃいましたね。
KUSHIDA シングルはもちろん、タッグでもまったくやったことがないんですよ。タッグを組んだときに、タッチで手が触れたくらいで(笑)。ロックアップすらしたことないはずです。
――一応、棚橋選手は確証が持てないながらも「クッシーの掟破りのスリングブレイドを食らったことがあるような気がする」とおっしゃっていたんですが、これは勘違いですかね?
KUSHIDA あれ……。それを聞いて、自分の記憶にちょっと自信がなくなってきました(苦笑)。
――ハハハハ。
KUSHIDA 棚橋さんのスリングブレイドが強烈だったような気も……(笑)。
――まあ、シングルでは正真正銘の初対決ですよね。この一戦の実現について思うことは?
KUSHIDA これはもう新日本プロレスや棚橋さんの器のデカさを感じるというか、本当に感謝しかないですね……。
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