プロレス界随一の論客・“GK”金沢克彦氏の独特の視点から、現在進行形の新日本プロレスのビッグマッチの感想を続々レポート(不定期連載)!!
今回「“個々に進化した男たち”EVIL&SANADAはタッグ戦線の救世主! 12.9盛岡決戦を大総括!」
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■EVIL&SANADAが、問題提起とともに今後のビジョンを語っていたことが私には響いてきた。
11月17日に開幕し、12月9日、岩手産業文化センターアピオ大会で、全17大会の幕を閉じた年末の祭典『WORLD TAG LEAGUE 2018』。
シリーズ開催中はもちろんのこと、優勝決定戦が行なわれた最終戦をみとどけて、いろいろなことを考えさせられたシリーズだった。
結論からいうと、タッグリーグの優勝戦カードは昨年と同一カードとなるタマ・トンガ&タンガ・ロア(リーグ戦1位)vsEVIL&SANADA(リーグ戦2位)の顔合わせ。局面が二転三転する波乱万丈の試合を制したのはロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン(以下、ロス・インゴ)の2人。
公約通り、EVIL&SANADAがタッグリーグ戦を連覇し、この実績を踏まえて1.4東京ドームのIWGPタッグ王座挑戦権もゲットした。
ただし、すんなりと現王者GODへの挑戦試合とはいかずに、そこに前王者チームのヤングバックス(ニック&マット)が挑戦の名乗りをあげたことを受け、ドームのIWGPタッグ選手権は、GODvsロス・インゴvsヤングバックスの3WAYマッチと決定した。
では、ここから本題となるのだが、連覇を達成したあとのバックステージでの優勝インタビュー、さらに翌日の一夜明け会見でEVIL&SANADAが、問題提起とともに今後のビジョンを語っていたことが私には響いてきた。
やはり、あの事だった。ここ数年のタッグリーグ戦では、すでに1.4東京ドームでのビッグマッチカードが決まっている選手は出場しないのが通例化してきた。そこは選手自身の意思が明確に反映されているわけではないが、今回もケニー・オメガ、棚橋弘至、オカダ・カズチカ、内藤哲也の現4トップはエントリーなし。
さらに、後藤洋央紀、ジェイ・ホワイト、飯伏幸太もリーグ戦に不参加。米国マットのスケジュールもあるのだろうが、タッグのスペシャリストであるヤングバックスも参戦しなかった。
「個人的には、東京ドームのカードが決まっている人が出ないっていうのはあまり好きじゃない。出たいんだったら出てほしい」
多くを語らないSANADAはその程度であったが、ここ最近多くを語るようになったEVILは思いの丈をぶちまけた。
「最近のタッグリーグは東京ドームのカードがちらつくからか、ドームのカードを発表されている人間が出ないからか、なんか下に見られてる感じがするな。実際去年、内藤哲也に『史上最低』と言われ、今年は公式戦だけでは物足りないと感じたのか、“ドリームタッグ”なるものが発表されていたしな。前年度覇者のEVIL&SANADAとしては、プライドを傷つけられた感じがしたな。だからこそ、今年のリーグ戦はクソほど燃えてたよ。ずっと、『なめんなよ』と思ってたよ。まあ、終わってみてどうだった? 間違いなく、EVIL&SANADAが中心となって、このリーグ戦の価値は爆発的に上がったよ」
EVILの主張はさらにエスカレートして、次はIWGPタッグ王座のベルトを大阪城ホールや東京ドームのメインを張れる位置までもっていく、という壮大な目標を掲げた。
■正式なタイトルとしては、じつはIWGPタッグがもっとも長い歴史をもっているのである。
この主張に関して、私的見解を述べるなら“異議なし”である。まず、タッグリーグ戦に触れる前に、IWGPタッグ王座の価値観についていま一度検証してみたい。
周知のとおり、新日本プロレスの強さの象徴であるIWGPの歴史は、3大タイトルから始まった。IWGPヘビー級王座が正式にタイトル化されたのは、1987年6月のこと。それ以前のIWGPは、いまでいう『G1 CLIMAX』のような扱いであり優勝者がIWGPヘビー級王者を名乗るカタチをとっていた。
一方、IWGPタッグ王座は1985年12月に初代王者が誕生し、IWGPジュニアヘビー級王座は1986年2月に創設されている。
王者がベルトを防衛するという正式なタイトルとしては、じつはIWGPタッグがもっとも長い歴史をもっているのである。
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