• 2018.12.1
  • #Media
「俺が“自称”スーパースターだって? それはナイトーが“無知”なだけだろ!?」リマッチも徹底拒否! 荒ぶるクリス・ジェリコに独占インタビュー!(前編)【WK13C】


11.3大阪府立大会では、EVILを相手にインターコンチネンタル王座“初防衛”に成功したクリス・ジェリコ選手。

今回は、その激闘の翌日に直撃インタビューを敢行! EVIL、内藤哲也との対戦、そしてサムソン冬木さんについても語った独占インタビュー!

撮影/山本正二

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※以下、インタビューの「序盤部分」をWEBで無料公開!
 
■EVILはタフでグレイト。攻撃に迫力があり、“当たり”も強かった。あのキャラクターもすばらしいじゃないか?
 

――さて、ジェリコ選手、昨日の大阪でのEVIL選手とのIWGPインターコンチを賭けた防衛戦は、壮絶な激闘となりました。新日本のビッグマッチの初メインを勝利で締めくくったかたちで。

ジェリコ いいか? 俺は世界中のリングでメインイベントのリングに立ってきた男なんだぞ。『レッスルマニア』のメインだって務めている(2002年3月17日、vsトリプルH)。だからこそ俺はメインに出る重みを誰よりも深く理解しているし、いつでも特別な感情が渦巻くんだ。
 
――なるほど。

ジェリコ たしかに今年のトーキョードーム(1.4東京ドーム)やオーサカ(6.9大阪城ホール)で、俺の試合はダブルメインイベントと謳われてはいたが、実際にはその第1試合目であり、ニュージャパンで正真正銘のメインは昨夜が初めてだった。俺の使命はメインイベンターとして最高の試合をすること、それを胸にリングに上がったよ。

――以前のインタビューで、あなたは「ドームのようなスタジアムよりもアリーナ会場のほうが好みだ」とおっしゃってました。実際、昨日は試合をエンジョイできましたか?

ジェリコ フフフ。トーキョードームはいわば“ジャイアント・アニマル”(巨大な猛獣)さ。その全体をコントロールするのはたやすいことじゃないよ。

――東京ドームは大きすぎて、レスラーも観客の反応が伝わりにくいと言いますね。

ジェリコ それに比べたら、エディオンアリーナは観客の反応にしろ、照明にしろ、本当にやりやすかった。まあ、どこの会場もいい点と悪い点があるもんだよ。それは東京ドームのようなスタジアムから、クラブチッタ(川崎)のような小さいハコ、その大小は関係ない。そして会場の雰囲気というものは、そこに集まる観客によって作られるものなのさ。

――昨日のアリーナの雰囲気はいかがでしたか?

ジェリコ グレイトだね! ファンの反応もエキサイティングだった。新日本プロレスのメインイベントで外国人と日本人がベルトを賭けてシングルで闘う……。この日本で外国人である俺がベルトを持っている、そこで観客の感情も沸き立ったろうし、よりドラマチックなシチュエーションを作ることができた。俺の気持ちも昂ぶったよ。

――試合後には「とんでもなくタフなヤツだった」と、EVILを評価するコメントをされてましたね。

ジェリコ イエス。EVILとは初めて闘ったけど、タフでグレイトなレスラーだった。攻撃に迫力があり、“当たり”も強かった。あのキャラクターもすばらしいじゃないか? 俺自身、ヤツとの試合を存分にエンジョイしたし、ヤツにとってはキャリアのベストマッチになったんじゃないか? あのシチュエーション、スウィングした攻防ができたからこそ、俺は試合後に“クラシックな試合”、すなわち“名勝負”と言ったんだ。

――クラシック=名勝負という意味でしたか。では、ジェリコ選手にとっても満足のいく試合内容になった、と。

ジェリコ イエス。俺は過去に何百とそういった試合を闘い抜いてきた。だから、EVIL戦はその中の一つに過ぎない。まあ、今回は“ヤツにとっての”ベストマッチを作り上げることができたってところだな(ニヤリ)。

――あなたにとっては珍しくないけど、EVIL選手にはキャリアを代表する特別な試合になったと。

ジェリコ EVILは俺との試合で、いろいろなものを学ぶことができたんじゃないか。まあ、ヤツのレスラーとしてのクオリティはたしかにサプライズだったが、実際に試合に勝ったのはこの俺様、クリス・ジェリコだ。

■サムソンクラッチ? フユキサンへのリスペクト(敬意)は常に持ってるから試合の中でごく自然に出たんだろう


――ちなみに過去、WWEなどで闘った選手で、EVIL選手と似たタイプのレスラーはいましたか?

ジェリコ いや、俺はレスラーやパフォーマーの比較はしないよ。なぜなら一人一人が個性を持ち、一人一人が異なるからさ。たとえばオカダ(・カズチカ)、タナハシ(棚橋弘至)、ケニー(・オメガ)、すべてが違うレスラーだから単純に比べることはできない。EVILも素晴らしい個性を持っていて、なおかつストロングスタイルであり、動きもスピーディーでエキサイティングな男だ。

――やはり、EVIL選手のことをかなり評価されてるようですね。

ジェリコ まあ、それだけEVILがユニークな存在ということだ。ニュージャパンの過去を遡ればチョーシュー(長州力)やナガタ(永田裕志)のように、そういうチャンスが巡ってくると思う。EVILはいずれニュージャパンのトップに立つんじゃないか? そのチャンスはめぐってくると思うよ。フライヤーじゃないが、なんでもオールマイティにできるレスラーだ。そこを武器にこれからさらに存在感を高めることができるんじゃないかな。

――あなたは6.9大阪城の内藤で、90年代中盤に日本の団体「WAR」にレギュラー参戦していた頃にボスだった故・冬木弘道さんを彷彿とさせるポーズを見せていました。今回のEVIL戦でも冬木さんの得意技であるサムソンクラッチを披露していましたね。

ジェリコ ああ、試合中のことだから、あまり覚えていないんだが、フユキサンへのリスペクト(敬意)は常に持っているから試合の流れの中でごく自然に出たんだろうな。

――狙ったわけではなく、ごく自然に出してましたか。

ジェリコ 俺はフユキサンから非常に影響を受けてるんだ。WARではチーム・フユキ(冬木軍)に所属し、ジャドー(邪道)、ゲドー(外道)と一緒に行動を共にした。

――あなたが“ライオン道”を名乗っていた時代ですね。

ジェリコ そうだ。フユキサンは英語をしゃべらなかったが、その姿を観て学ぶことが多かった。彼は非常にスマートであり、ヒールとしてサイコロジーにも長けていた。当時、何度かチーム・フユキとヘイセイイシングン(平成維震軍)の8人タッグがマッチメイクされた。

――冬木軍vs平成維震軍!

ジェリコ その8人タッグでは、リングにいる7人が日本人、外国人は俺一人だけだったよ(笑)。そういう環境の中で俺はジャパニーズスタイルのレスリング、そしてレスリングに対する考え方を学んでいったんだ。

――なるほど。

ジェリコ 彼が亡くなったのを聞いたときは寂しかった。いま思えば、リング上のフユキサンは威圧的だったが、リングを降りた普段の彼はとても物静かでエレガントな人だった……。フユキサンは俺にとってかけがえのない師匠の一人なんだよ。

■いつかナイトーとリマッチをするにしろ、それはいまじゃない。「おとなしく順番を待ってろよ」と言いたい


――EVIL戦の試合後、インターコンチの前王者である内藤哲也選手がリングに現れ、次期挑戦者として名乗りを上げました。しかし、試合後のバックステージであなたは再戦をキッパリ拒否しました。その真意は?

ジェリコ そもそも、なんでナイトーは俺にリマッチを求めたんだ? たしかにナイトーは昨日、ザック(・セイバーJr.)を倒した。ザックのテクニック、実力は俺も認めているよ。だからといって、なんで俺が一度叩きのめしている相手の挑戦をわざわざ受けなければならないんだ?

――単純に一度勝った相手の挑戦を受けなければならないことに、納得がいかないと。

ジェリコ たとえばWWEだって世界チャンピオンのジョン・シナを倒したら、いくらシナがリマッチを要求したところで、そう簡単に話は通らないぞ。ニュージャパンの社長であるハロルド・メイが何を言おうが、俺はナイトーとリマッチをやるつもりはない!(キッパリ)。

――そこはあらためて強調したいと(この翌日に正式にタイトルマッチが決定した)。

ジェリコ ナイトーが才能あふれるレスラーであることは俺も認めているさ。たしかにニュージャパンのベストのレスラーの一人だろう。……ただ、すでに倒しているという時点で、俺は次の標的を考えるべきなんだ。たとえばオカダ、スズキ(鈴木みのる)、イブシ(飯伏幸太)、そしてタナハシ……。いま俺が見ている道の先にナイトーはいないんだ。

――ほかにもたくさん対戦候補、挑戦者候補がいるということですね。

ジェリコ イエス。いつかナイトーとリマッチをするにしろ、それはいまじゃない。アイツには「おとなしく順番を待ってろよ」と言いたいね。

――ただ、内藤選手は「クリス・ジェリコに決定権は残念ながらない」と発言しています。さらにあなたのことを“自称・世界のスーパースター”と挑発していますが、それについて……。

ジェリコ はあ? (さえぎるように)このクリス・ジェリコ様のことを“自称・世界のスーパースター”だと? 

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