4月6日(現地時間)、米ルイジアナ州ニューオーリンズの「WRESTLE CON」イベント内で行われたRPW(レボリューション・プロレスリング)の大会に、石井智宏、棚橋弘至、ジュース・ロビンソン、ロッキー・ロメロ、鈴木みのる、ザック・セイバーJr.、飯伏幸太が出場した。
写真提供/週刊プロレス
英国ロンドンを本拠地にするRPWにとっては、昨年の同時期に次ぐ2度目の米国進出。
全6試合のメインで登場したのが石井智宏。3年前から準レギュラー的に遠征していたが、ようやく同団体の至宝であるブリティッシュ・ヘビー級王座に挑戦するチャンスをつかんだ(王者はザック)。
ピットブルが吠える声が流れただけで会場は大歓声。ザックはリングインするや、腰に巻いていたベルトを石井の目の前に突きつけて王者であることを誇示した。試合が始まると、ホームリングであるはずのザックに負けない声援が飛んだ。その後押しを受けてザックの得意とするグラウンドで対抗するものの、関節技に捕らえられると防戦一方に。
変幻自在のザックマジックに痛めつけられるも、決してギブアップだけはせず。ザックも関節技だけでは攻略は難しいと感じたのか、ヨーロピアンアッパーカット(エルボースマッシュ)、蹴りを織り交ぜて攻め立てる。しかし、こちらは石井の土俵。パワーで巻き返し、ブレーンバスターでザックを叩きつけると、逆水平、串刺しラリアット、雪崩式ブレーンバスターで反撃。
ザックの卍固めを強引に後方に倒れ込んで封じた石井だが、ザックはすかさず腕十字に切り返すなど、一度絡みついたら、そう簡単は振りほどけない。しかもそこから三角絞めに移行するのだから、一瞬も気を抜くことはできない。
三角絞めを強引に持ち上げてパワーボム気味に叩きつけた石井はエルボー打ち合いに持ち込むも、関節技に切り返されて動きを止められてしまう。ジム・ブレイクス・アームバーをサードロープに足を伸ばして脱出した石井は、バックドロップ、パワーボムと大技で応戦。
頭突きでダウンさせてからのスライディング・ラリアット。ザックの丸め込みの連続をいずれもカウント2で跳ね返すと、ジャンピング・ハイキック、ラリアット、垂直落下式ブレーンバスターと畳みかけてカウント3。力技で英国の至宝を強奪した。
レフェリーからベルトを渡されると、リング下で大の字のザックに見せつけるが、表情は一つ変えず。観客の大歓声に応えることもなく、引き揚げていった。
■RPW『LIVE IN NEW ORLEANS/WRESLE CON』
現地時間・4月6日 アメリカ・ルイジアナ州ニューオーリンズ ザ・シュガー・ミル
【ブリティッシュ・ヘビー級選手権試合 時間無制限1本勝負】
〇石井智宏(挑戦者)[18分19秒、片エビ固め垂直落下式ブレーンバスター]ザック・セイバーJr.(王者)×
※第7代王者が8度目の防衛に失敗、石井が第8代王者に。
■石井智宏選手・コメント
石井「やっと結果がついてきた。そんな感じだね。(これまで)まったく結果がついてこなかったから。やっと形になって。しかも、このベルトだけじゃねえ。あいつ(ザック)は『NEW JAPAN CUP』も獲って2冠王だから。それを倒したこともデカいよ。IWGP(ヘビー級)に挑戦した男というより、『NEW JAPAN CUP』を優勝した男。『NEW JAPAN CUP』っていつも、ベルト先行になってるけどよ、俺はチャンピオンだと(思ってる)。『G1』と変わらない。だから2冠王者を倒した。イギリスに来て(行くようになって)3年か。
はじめはまったく興味のない異国の地だったけど、今は何か、石井智宏を見せてやるって、そういう気持ちで行ってるよ、いつも。ただ、あいつらもこれで黙ってねえだろ。まずはザックだ。もう1回って言ってたな。ま、(イギリスには)日本に知られてねえ、面白いヤツもいっぱいいるしね。そういうヤツが名乗り上げてきたら、俺はドンとかかって来いって待ち構えてやる。新日本の連中でもいい。ま、とりあえず、明日もシングル一発残ってるから。また、ROHで石井智宏を見せつけてやるぜ」
--『NEW JAPAN CUP』では1回戦で敗れた次の日に、このタイトルに目を向けてましたよね?
石井「まず、(優勝まで)来るとは思わなかったけど、俺自身。(ザックが勝ち上がっていくごとに)“よし、よし”って見てたよ、俺。何なら、“(4.1両国で)オカダが負けたら面白い!”とも思ったし。でも、俺はあいつがチャンピオンだと思ってるから、負けられねえと思ったし。獲物がどんどんおいしくなっていった、実がどんどんついていった。まさか俺の言った通りになると思わなかったぜ。『総取りしてやる』ってな。予言通りだ」
■ザック・セイバーJr.選手コメント
ザック「(2日連続で王座から転落して)当たり前なんだろうだろうけど、正直言うとビッグマッチで負けが続いて残念だね。自分はインディーでキャリアをスタートさせてニュージャパンにたどり着いた。だからインディーのことも大切にしたい。だけど今回はちょっとスケジュールがきつすぎたかな。『ニュー・ジャパン・カップ』には優勝したけど、そのあとのタイトルマッチ(4.1両国)で負けて、そしてこのインディーの連戦でも負けが続いた。疲れているのは確かだ。
今の自分はニュージャパンを中心に考えている。それ以外ではレボリューション(プロレスリング=RPW)が少し。でも、もう今は新日本に照準を絞っている。インディーはいろんなことが試せる場なんだ。ニュージャパンではどうしてもタッグマッチが多くなってしまう。だけど自分のスタイルはシングルマッチ向き。70~80パーセントはニュージャパンに比重を置いてるけど、それじゃ試せないこともある。インディーでシングルマッチを組んでもらって、シングルでの試合勘を鈍らせないことと、技を試す場にしてるんだ。でも、今回はちょっとシングルマッチが続きすぎたかな。また気持ちを切り替えて、ニュージャパンに乗り込んでくよ」