7月27日、8月6日から開幕する「Powered by HEIWA G1 CLIMAX XX」に備え、永田裕志選手が特訓を敢行。その舞台はなんと、品川駅に隣接する人気ラーメン店の「せたが屋」!

約束の時間どおりに現地へ登場した永田選手は、お店のユニフォームである黄色いTシャツと前掛け、そして青義軍てぬぐい(7月19日札幌大会における青義軍応援シートのノベルティグッズ)を装備。さっそく厨房に飛び込むと、店主の前島司氏(株式会社せたが屋代表取締役社長)の厳しい指導のもと、ラーメン作りに挑んだ。
巨大なずん胴鍋や釜が煮えたぎる厨房内は、まさに灼熱の戦場。早くも汗だくになった永田選手は、口を真一文字に結び、真剣な表情で作業に没頭する。
中でも緊張が走ったのが、ラーメン作りの中でも特に重要なウェートを占める湯切りの場面。前島氏の指導もいっそう熱を帯びてくる。永田選手は、アドバイスを受けるたびに「ハイ!」と大きな声で答え、初の湯切りに挑戦。やや苦戦したものの、ついに1杯のラーメンを完成させた。
試食を務めたのは、“日本一ラーメンを食べた男”として知られる大崎裕史氏。初めてとは思えない出来栄えに、驚きの声をあげていた。
■永田選手のコメント
--今回の“ラーメン修行”の狙いは?
永田「『G1』を前に初心にかえり、自らを省みるというのが目的でして。プロレスの世界で18年やっていて、厳しく僕を指導してくれる人がいなくなってしまった。そういう部分で、ホントに畑違いのものに触れることで、厳しく指導をしてもらい、一から基本を学ぶ刺激というのが、どうしても欲しかったんですね。それでたまたま縁がありまして、せたが屋さんに協力してもらったんですけど、テレビでよくやってるじゃないですか? ラーメン職人の人が一から徹底的に怒られて、1杯のラーメンを愛情を込めて作り上げ、お客さまによろこんでいただく苦労というのを。そういうのを見てる中で、『こんなに厳しい世界はない』と。今日は本当に緊張して、余計なところで力が入っちゃいました(苦笑)。『G1』前に初心にかえるという意味では、目的はかなり達成できたんじゃないかなと。もう42(歳)になりましたし、キャリアも18年積んでる中で、厳しい世界の基本を教えていただいたことで、自分の足元が見えるようになった気がしました。なんか、さっきの汗の量を見ると、僕の想像した以上の収穫があったんじゃないかと(笑)」
--プロレスとラーメンの通じるところは?
永田「ラーメンというのは、人の好みもあるんでしょうけど、やっぱり細かい好みがある。プロレスも一緒で、試合をやっていく上で、自分のフィニッシュホールドに持って行く、いい段階を作っていくというか。相手にダメージを与えながら表現して行くプロレスと、お客様の気持ちを計算して、麺の硬さ、スープの味、そういうものを考えて作るラーメン。最終的にはお客さんによろこんでいただくという目的は、一緒なのかなと思いますね。だからこそ、初心にかえる上でのいい刺激をもらえたなと」
--「G1」で意識する選手は?
永田「ここんとこ、自分自身でノッているのがわかる。『G1』に向けて、いい状態でもっていけるんじゃないかなと。強豪ぞろいのBブロックなんだけど、そこへ向けて怖いものなく闘いに出ることができる。強敵がいるけど、そんなにプレッシャーとかは感じないですね」
--小島聡選手(フリー)とは11年ぶりのシングル対決となりますが?
永田「彼も全日本プロレスで色んなものを背負って、人間的に大きなものを築いてきてますよね。11年前、僕が始めて『G1』に出た初戦の試合が小島戦だったんですよ。99年の大阪大会で。それ以降、タッグは闘ったことがあったけど、シングルはなかったんですよね。そういう意味では、自分たちが築いてきたもの、背負ってきたものの勝負というか、そういう試合になるんじゃないかなと。もちろん、負ける気はサラサラない。向こうは僕の試合を見てないかもしれないけど、見たら背筋がピンと伸びるんじゃないかな」
--プロレスリング・ノアの潮崎豪選手についてはどう思いますか?
永田「潮崎君は、凄くいい選手ではあるけど、まだまだ磨く必要のある選手だなと思いますよ。僕が昔、小橋(建太:ノア)さんの持つGHC(ヘビー級王座)に挑戦したことがありますけど(2003年9月12日)、そこで強烈なものをもらって惨敗したわけです。そのとき、小橋さんの色んな重い攻撃を受けて成長できた部分が大きかったので。小橋さんに返せないぶん、潮崎君にしっかりと。これからトップでやっていく上で必要なものというのを、徹底的にブチこんでやる。小橋さんにやられた以上にね」
--優勝の自信は?
永田「自信は毎年あるんですよね。ただ、どこかで計算が狂ったり、調整ミスだったり、ほかの人たちの勢いに押されて届かないというのが、ここ10年ぐらいあるからね。でも、『今年ダメでも次がある』という気持ちがあったんですけど、もうこれからは“次”というのはあんまり考えてはいけないような。そんなに現役で『G1』に出れる年月というのも多くないでしょうし。とにかく一戦一戦を大切にするという意味で、あとは考えないで。まぁ、『G1』のチャンピオンを獲ってね。もしかしたら、僕の“長年の恋人”(秋山準:ノア)がGHCヘビーのチャンピオンになれば。9年前のタッグ組んだ東京ドーム(2001年10月8日)ってあったでしょ? もしかしたら、同じシチュエーションでお互いチャンピオンになったら、今度は対角線上に相手がいるって可能性もあるでしょうし。Bブロックは強敵ぞろいで、その目標を達成するにはハードルが高いですけど。とにかく楽しみな闘いがいっぱいありますね。(これまでの)積み重ねがあって、いまの“プロレスラー永田裕志”があるわけで。積み重ねたものを、もう1度初心にかえって見つめ直しながら『G1』に向かえたら、『俺、つえぇじゃないか?』って。そういう思いに、今日させてもらったんで。貴重な経験をさせてもらいました」
■『G1 CLIMAX XX 〜20th Anniversary〜』シリーズ情報
【写真:山本正二】