第7試合は高橋ヒロムがIWGPジュニアヘビーのベルトを賭けて、リコシェと初対決。ヒロムは自分の人形と、赤く染まったリコシェの人形を持って入場。その人形をコーナー下に設置した。
開始のゴングと同時にリコシェはフロントキック。ヒロムが場外に落ちると、すかさずトペ・スイシーダを敢行。そして、ヒロムをリングに戻すとミサイルキック。またもリングに落ちたヒロムに対し、リコシェは空中でひねりを加えるケブラーダアタックをヒット。さらにファイヤーバードスプラッシュと、一気にたたみかけていく。
短期決戦を狙うリコシェだったが、ヒロムはキングスランディングとベナドリラーをかわし、逆にTIME BOMBの体勢へ。これはリコシェが切り返すも、ヒロムはロープに飛んだリコシェを空中で捕獲し、投げっぱなしジャーマン。
続いてヒロムはスピアーでリコシェを場外に吹き飛ばすと、エプロンサイドを疾走してミサイルキック。リングに戻ると、ヒロムは変形のドラゴンスクリュー、変形の足四の字固めでリコシェの足を攻め立てていく。リコシェはロープに逃げるも、苦悶の表情を浮かべる。
しかし、リコシェはヒロムの串刺し攻撃をカウンターのキックで迎撃すると、続けざまにドロップキック。そして、619からスワンダイブ式のアッパーカット。だが、続くリコシェのスワンダイブ攻撃を阻止したヒロムは、場外への前方回転エビ固めを狙う。これをリコシェがフランケンシュタイナーで切り返すと、場内は大きくどよめく。
リコシェはトップコーナーに登るも、ヒロムはカサドーラボムの体勢へ。しかし、リコシェはこらえると、顔面からリバースの雪崩式パワーボムのようにヒロムを叩きつける。そして、リコシェはエプロンサイドに移動したヒロムにキックを狙うが、これを受け止めたヒロムはリコシェを抱え上げ、エプロンでデスバレーボムを炸裂。さらにヒロムはエプロンからランニングセントーンを狙うが、受け止めたリコシェは場外マットの上でノーザンライトスープレックスから、ブレーンバスターに繋ぐ連携技を披露。
両者はリング上に戻ると、エルボー合戦を展開。続いてロープを使った攻防からリコシェは強烈なキック。そして、ノーザンライトスープレックスの体勢に入るが、ヒロムは切り返すとジャーマンを二連発。さらにデスバレーボムを狙うが、切り抜けたリコシェはリバースDDTの体勢から持ち上げ、垂直に落とす荒技を敢行。そして、コーナーに登るとシューティングスタープレスを繰り出すが、ヒロムはヒザで迎撃。
続くヒロムの串刺し攻撃は、リコシェが回避。しかし、ヒロムもリコシェが突進してきたところを、カウンターのフロントスープレックスで切り返し、コーナーに叩きつける。そこからヒロムは変形のTIME BOMBを敢行。続いてデスバレーボムでコーナーに叩きつけると、TIME BOMBの体勢に。これを切り返したリコシェはキングスランディングを狙うが、ヒロムは前方回転エビ固めに切り返す。フォールを返したリコシェは、ヒロムにニーを叩き込むとベナドリラー2pointへ。しかし、当たりが浅かったか、ヒロムはカウント2でキックアウト。
ならばとリコシェはロープに登ると630°スプラッシュを繰り出すが、ヒロムは間一髪でかわす。そして、ヒロムはカナディアンデストロイヤーでリコシェをマットに突き刺すと、コーナーにデスバレーボム。最後はTIME BOMBで成功させ、リコシェから3カウントを奪取した。
ヒロム「(※インタビュースペースにたどり着くなり仰向けに寝転がって)リコシェ、あれは人間じゃねえな。人間じゃねえ。いままで世界でいろんなハイフライヤーとやってきたけど、あれは人間じゃなかった。あれ、何の生まれ変わりだよ? 人間か? 宇宙人なのか? もしあれが人間だとしたら、あいつの前世は間違いなく猫だよ。猫、あの動きは猫だよ。猫ちゃん、猫ちゃんだよ。あの動きは間違いない。猫が大好きな俺にはわかるよ。はあ、もう当分は、あんなのとやりたくないよ。凄すぎた。まあ、俺はリコシェのことを心からリスペクトするよ。あれは素晴らしい。パーフェクトな人間……いや、人間じゃねえな、パーフェクトな猫だ。いやあ、こんな試合をしてもさ、きっと言うんだろ? 『危なすぎる』だとかさ、『危険だ』とかさ。今、なに、そういうのがはやってんの? そうやって、『危険』とかって言って、『危ない、危ない』って言って、その割にいい試合しようとかっていう、そういうのがはやってんのか? 何だか知らないけどさ、俺たちは新日本プロレスで闘ってるレスラーだよ。な? ここまで来るのによ、何千回も、何万回も受け身とってんだよ。俺は、あえてもう1回言わせてもらうよ。(※ゆっくりと上体を起こしながら)俺たちはプロレスを愛してる。俺たちと同じぐらい、お前らもプロレスを愛してるんだったら、俺たちの闘い、もっと楽しまなきゃ損だぜ。俺の言ってる意味わかるか? 心の底から叫んで、暴れろ。そして、楽しめ。じゃなきゃ、心の底から、人のこと応援できねえだろ? 心の底から、人のこと愛せねえだろ? 俺たちのこと、もっと愛してくれよ。(※ゆっくりと立ち上がりながら)あ、そうだ、この後、EVILさんと内藤さんの試合だろ? 見なきゃ。いつまでも長々とコメントしてる場合じゃないよな。ありがとよ、お前ら。ああ、でも、どうせ最後に内藤さんと大合唱やるんだったら、俺(リングに)行けるかな? 先にここでやっちゃおうかな? Nostros(ノストロス=俺たちは)、LOS INGOBERNABLE~S de Ja…………ニャ~」
リコシェ「(※インタビュースペースに座り込んで、左手首に巻かれていたテーピングをゆっくりほどきながら、つぶやくように)なんて言ったらいいのかわからない……。わかるかな、この何も感じなくなってしまった感じ……。俺の首も、肩も、足首も、ほかのパーツも、悲鳴を上げてるんだけど……。せっかくのチャンスだったのに……。これまでも2回チャンスがあったけど、その時以上に今は打ちひしがれている……。せっかくのチャンスを……。これまで以上に、この階級では衝撃を与えてきたのに……。今回こそはいけると思ったのに。ここにたどり着くまでの4年で、最大のものだったのに……。ああ、俺は最後の最後には何も与えてもらえないのだろうか……。これで十分なのかな? はあ、もう言葉もなくなってしまったよ……(※ゆっくり立ち上がって、うなだれながら控室へ消えていった)