翌日(3月15日)に行われる『NJC』2回戦を目前に控え、柴田とジュースが前哨戦で激突。なお、北村は前日の福井大会で緊急デビュー。これがプロ2戦目となる。
北村対小島で試合が始まり、小島のショルダータックルを北村が6連続でブロック。そして、7度目のタックルに来た小島を反対になぎ倒す。
ここから北村は、エルボー連打、ボディスラム、スリーパーホールド。だが、小島がエルボー連打、ランニングエルボーで報復。
これで北村は沈黙してしまい、天山がモンゴリアンチョップ、小島がエルボーを交互に連打。さらに、ダブルショルダータックルで追撃すると、天山が本間朋晃のアクションで小こけしを食らわせる。
北村のピンチは続き、天山が顔面へのヘッドバット、ジュース&天山がレッグスプリット、ジュースがヘッドバット、セントーン。さらにジュースは逆エビ固めを極めるが、柴田がカットに入り、敢えて北村にストンピングを浴びせる。
それでも天山が北村にモンゴリアンチョップを食らわせ、北村の顔面をかきむしる。そして、ブレーンバスターの体勢に入るも、北村が抵抗して反対に天山を投げ、ようやく永田とタッチ。
その永田は、ミドルキック3連射、串刺しフロントハイキック、エクスプロイダーで天山に追い討ち。その後、永田がフロントハイキックを見舞うと、天山はすぐにマウンテンボムで挽回した。
柴田対ジュースの場面。柴田が出合い頭にカウンターフロントハイキックを食らわせ、エルボー連打でジュースをコーナーへ押し込んで対角コーナーへ走る。すると、ジュースが追走して串刺しボディアタックを食らわせるが、直後に柴田が追走式串刺しフロントハイキックでお返し。
さらに柴田は、エルボー連打から改めて串刺し低空ドロップキックを見舞い、フロントネックチャンスリー、コブラツイストへ繋ぐ。それでもジュースがトップロープを掴むと、柴田は即座にミドルキックを浴びせる。そして、ローキックを放つも、ジュースが回避して顔面パンチ連射。さらに、フロントハイキックで追い討ちをかけるが、柴田が武者返しで動きを止めた。
ここで北村が激しくタッチを求め、柴田が頬に張り手を見舞って交替。すると北村は、ジュースをショルダータックルでなぎ倒し、逆エビ固めで捕獲。しかし、天山&小島がカットに入り、テンコジカッターで柴田を蹴散らす。
その後、ジュースがカウンターラリアットで北村を吹き飛ばし、パルプフリクションでとどめを刺した。
試合後、柴田とジュースが急接近し、一触即発で睨み合った。
ジュース「ヘイ、タッグチーム・チャンピオンズ(※とテンコジをインタビュースペースに迎え入れる)。ほら、テンコジの2人だぜ。気分良く試合させてくれて、アリガトゴザイマス」
天山「(※ブロークンイングリッシュで)次は柴田とだよな?」
ジュース「Tomorrow」
天山「トゥモロー? OK。ユーが勝つさ。俺はそう思う。勝ってどんどん上がっていってくれ」
ジュース「Yeah。ガンバリマス。サンキュー」
天山「ホンマ、ジュース・ロビンソン、最高のパートナーで。(これまで)あんまり組むことなかったんですけど、安心して(組めた)。今、勢いが違うんで。この『NEW JAPAN CUP』、ちゃんとした目標を持ってノリにノッてると思うし。まあ、柴田も強敵やけど、ジュースの今の勢い、実力でいったら、何も問題ないと思うんで。俺らも背中を押したいなと。もちろん俺らもタッグチャンピオンとして今シリーズ乗り切って、次いつ防衛戦なるんやろかって、いつでも来いって思ってるし、明日、明後日に決まったとしても、俺らはいつものテンコジで、しっかりといい試合をして、お客さんに喜んでもらえてハッピーになるように。“こけし・イズ・ハッピー”やないけども、やっぱりこけし(本間)の思いも心の中にあるしね。このベルト、俺たち2人だけ、テンコジだけのものやないっていう思いもあるし。ま、どっちにしろ、このシリーズ、あとちょっとやし、乗り切って、しっかり闘っていきたいと思います。コジもめっちゃ好調やしね。ありがとうね」
小島「これだけは言えると思います。北村は中西学以来の、最強の化け物だと思います。中西学がデビューして25年、四半世紀に一度の怪物だと思う。まだデビューして2戦目だよ。あんなヤツ、初めて見た。あんな化け物みたいなプロレスラー、俺は25年前に中西学見て以来だよ。それぐらいの大物。たぶんこれからどんどんどんどん(能力を)出していくと思うから、早いうちに叩いておかないと。このままだとテンコジがボロボロにされてしまうから。先に、出る杭を思いっきり打っておこうと思います」
――今回、IWGPタッグベルトを獲って、テンコジ、第三世代はまだまだ最前線でいけるぞというのを証明したと思うんですけど…。
小島「史上最強のリザーバーじゃないけど、そういうものを常に、新日本プロレスの中にいるだけで、誰が出てもいい。ぶっちゃけ、第三世代じゃなくてもよかったかもしれないけど、ただIWGPタッグにテンコジが出されて、『NEW JAPAN CUP』に永田裕志が出たっていうこと、そこをファンの人たちはいっぱい見てくれてたと思うんで、そのファンの方の支持とか声援とかというものを私たちに分けてもらえれば、おのずと力が出せると思います」
――野球に例えれば、“代打の切り札”みたいな存在ですね。
小島「最初から代打にされてるのも残念なんだけど、ただ、代打・イコール・いつでも前に出れるよっていうことを証明したいと思います」
永田「(※北村を連れてインビュースペースにやって来ると、北村に向かって)痛ぇだろ? 痛いだろ? キツイか?」
北村「やれます!」
永田「やれる?」
北村「まだいけます!」
永田「よし。頑張っていけよ!(※と言いながら2度、3度と張り手をかます)」
北村「(※張り手を入れられながら)ありがとうございます!」
永田「よし、今日はよく頑張った」
北村「お願いします!」
永田「次、いくぞ! よし、頑張れよ!」
北村「お願いします!」
永田「(※最後に1発、張り手を入れて)よし、(向こうへ)行け」
北村「ありがとうございます」
永田「(※北村が控室に戻ったのを見て)やっぱり並みの新人と違って、リングに立って、小島選手とあれだけのタックルでぶつかり合って、打ち勝つとこが……。ものすごい潜在能力持ってますよ。本人の気持ちがしっかりお客さんに伝わってるんで。今日はそれに十分すぎるぐらい応えたんじゃないですかね。もちろんまだまだ未熟だし、まだまだ経験が足りないのはわかってますけど、それでもやっぱり彼の持ってるポテンシャル、持ってる素材っていうのはものすごいですよ。これを生かすも殺すも、本人の日々、毎日、気持ちを引き締めて、考えてやることが大事。やっぱりいい人材をスカウトしてきたなと思いました」
――昨日のデビュー戦も見てましたが、昨日と今日で違いや成長は感じられましたか?
永田「昨日はもうガンガンガンガン、相手(タマ&タンガ)が、こんな新人とやらせやがってという気持ちで向かってきたんで。それでも(相手の)技一つひとつに受け身が取れてた。やっぱり1年以上、受け身中心に練習してきた成果は出てました。ただあの中で、自分のタイミングを見つけて、自分の攻撃に転じるっていうのは、まだすぐにはできないですけど、そういうものを持ってしても、あれだけの素材っていうのは脅威ですよ。脅威じゃなかったら、ああいうタッグチームが最初(の相手)に来ませんよ。とにかく将来的にはものすごく有望です。ホント、新日本プロレスにいろんな風を起こすんじゃないですか。普通に入ってきた新弟子も負けてなるもんかっていう気持ちになるし、今の、現世代の頑張ってるヤツらも、ああいうのを見れば、たぶん俺たちの気持ちがわかるんじゃないですか。後ろから追いかけられるっていう気持ちがね。そういう思いが沸いてくると思います」
――実際、今日も川人選手が自分から積極的に試合に参加しようとしてました。
永田「やっぱり日々、若いヤツが成長する。それが新日本の良さで、それがなかったら苦しい練習してる意味がありませんから。刺激し合って、各自が上にのぼっていくっていうのが新日本の伝統ですよ。今、新日本のマットがそれだけ活性化しているっていことじゃないですか。ま、俺も今日、組んでいて、熱くなるものを感じました。一番は柴田かもしれないね」
――北村選手と青義軍復活は考えてませんか?
永田「青義軍っていうか、そういうカテゴリーにはまだ入らない。ただやっぱり、岡も含めて僕がレスリング界から引っ張ってきた人材。これからもどんどん、新日本にスカウトしていく中で、そういう人材を温かくも厳しく育て上げていく。早く俺の首でも刈ってくれれば。まあ、そう簡単にはいかせられないっていう気持ちもあって、複雑な心境ですが、とにかく彼らをはじめ若い人材には、どんどん上にのぼって欲しいなと思います」
※柴田はノーコメント