『NEW JAPAN CUP 2017』1回戦、最初の公式戦は永田裕志vsタンガ・ロアの一戦。本間朋晃の負傷欠場により緊急出場となった永田と、新日本プロレスでのシングルトーナメントは初出場となるタンガが初シングルで激突した。
試合は場内の「永田」コールでスタート。まず、バックの取り合いから腕の取り合い、ジックリとレスリングを展開していった両者。ロープ際でもクリーンブレイクを見せる。
さらにヘッドロックでグイグイ締め上げた永田はショルダータックル。さらにスピーディーな展開から、タンガの腕を狙いにいく永田。
再度のロープ際では、タンガが永田のボディにパンチ。しかし、永田もフェイント式の低空ドロップキックをお見舞いしてニヤリ。ここで試合は、場外へ展開。タンガは永田を鉄柵付近でめった打ち。永田もエルボーで反撃するが、タンガもすかさずエルボーでお返ししていく。
リング上に戻ったタンガはバックドロップから、重いレッグドロップ。さらにフェイスロック気味に永田を締め上げていく。これをエスケープした永田は、立ち上がりながら「アイ・ネバー・ギブアップ!」と吠えてタンガをひるませる。
ここから永田はエルボー連射で反撃するが、タンガもヘッドバッドで対抗。さらにリングに永田をリングに叩きつけると、トップロープへ。胸をドンドンと叩いてからのジャンピングヘッドバッドを狙ったが、これは不発……!
反撃体勢の永田はタンガにミドルキックを連射し、鋭いエルボーも発射。さらに串刺し式のフロントハイキック。そしてエクスプロイダーを狙うが、これはタンガがこらえると、フロントスープレックスで引っこ抜いた。
さらに永田はタンガにフロントハイキック! しかしタンガは2発目のハイキックを捕まえると、力任せにぶっこ抜きジャーマンを決めていく。ここでタンガは対角線から串刺し式ボディアタック。さらにバスター気味に投げ捨てると、場内からは「永田」コール発生。
しかし、負けられない永田もスタンディングから腕固めへ一瞬で切り返すと、場内の「白目」コールにこたえて白目式の腕固め! これでペースを握った永田はタンガの背中にサッカーボールキック、さらにスタンディングの腕殺しも披露。タンガも永田を担ぎ上げてコーナーに走りこむが、永田は再び串刺しフロントハイキック、そしてすかさず垂直式のブレーンバスターを爆発!
さらに延髄切りを放つと、ダメ押しのように必殺のバックドロップホールド! これで完璧な3カウントを奪取。リング上で勝利の敬礼ポーズを笑顔で決めた永田だった。
――急きょエントリーした『NEW JAPAN CUP』でしたが、見事に1回戦を突破しました。
永田「タンガ・ロアでしょ? そりゃたしかにいい素材だしね。やっぱり将来性とかそういうモノを物凄く秘めていて、これから先、とんでもない怪物に変身するんじゃないかなって素質は、肌でヒシヒシと感じましたよ、正直。…ただね、まだまだ顔じゃないな。彼のその素材が、お客さんはわかりきってないし。対戦した俺にしか“未知のとてつもない底力”っていうのを感じなかった試合だったんじゃないですかね? それを万人に知らしめられるようになれば、彼はとてつもない選手になるだろうし。そのためにも、彼は今日とてもラッキーでした。なぜなら、永田裕志と闘うことができたから。この今日の経験は、彼にとって物凄い将来の大きな財産になるはず。最近は若い連中がどんどん出て行く中で、俺が退くのは簡単。でも、こうやって大きな壁として、あんな未知の怪物を叩き落としたからこそ、彼は大きな財産になったわけだから。俺が『NEW JAPAN CUP』を卒業せずに、“留年”してこの1回戦で闘ったことっていうのは、タンガ・ロアのためにも、新日本プロレスの将来のためにも、とてつもなく大きなこと。だからこそ、俺の体が動くうちは、まだまだ闘って行きたいですね、この新日本プロレスのリングで。ぶっちゃけ、『NEW JAPAN CUP』には未練はないけど、IWGP王座には思いっきり未練があるんで。それを目標に、まだまだ永田裕志、突き進んで行きますんで、よろしくお願いします」
――『NJC』出場直前に、同じ第三世代の天山・小島がIWGPタッグベルトを獲ったというのは、精神的な励みになりましたか?
永田「一部によると、あの(3月6日)大田区大会でいろんな試合があった中で、あの試合(IWGPタッグ戦)が一番お客さんの盛り上がりが凄かったという声も聞きましたしね。それはやっぱり、天山と小島、両名の『自分たちの力をリング上で見せてやる』っていう心意気が、思いっきり伝わったし、それを望んでいたファンの人も、余計にそれを感じたから、あれだけ爆発したんじゃないかなと。だからこそ、まだまだ死んではいられないです。大きな高い目標に向かって、まだまだ突き進みますよ。俺も、天山も、小島聡も、中西学も。『NEW JAPAN CUP』卒業しても関係ねぇよ。まだまだ行きます」
――急きょ、『NJC』へ出場することになったときの率直な気持ちは?
永田「まずは本間(朋晃)の大きなケガというのがあったんで。本間の代わりに俺が出るっていう上では、やっぱり身が引き締まった。真摯な気持ちでリングに立たなきゃいけないなと。本間の無念さというのはわかりますからね。俺が昔、脳疾患で欠場したとき(2008年2月)にも、カール・アンダーソンが(『NJC』へ)代わりに出場して、彼はそれをきっかけに世界へ羽ばたいたわけで。一番悔しいのは本間だし。それはよろこんじゃいけないことだと思うし。そんな中で、本間の代役ではなく、永田裕志っていう価値観をいま一度この新日本のリングで見せつけてやろうって、そういう思いで闘って来ました。まあ、まずは第一歩。次は、棚橋、EVIL。どっちが来るかな!? 棚橋とやりたいな、俺は(ニヤリ)。以上です」
ロア「ハア…。まあ、ナガタとはいい試合ができたかな。結果はともかく、ヤツと闘えたのはよかった。でも、ここから急ピッチでヤツを追いかけていく。これで俺は敗退だ。俺は負けてしまったが、BULLET CLUBのトーナメントは終わってないからな」