期待の大型新人・岡が「大プロレス祭」リングで待望のデビュー。対するは、岡にとってブシロードクラブからの恩師である永田。
ゴング直後、永田が脚を取って岡を倒し、レッグロックを狙う。それを岡が切り返して腕を取ると、永田は体勢を入れ替えて上から押さえ込む。
その後、岡がヘッドロックで絞ると、ロープエスケープした永田がローキックでけん制。すると岡は再びヘッドロックに行くが、永田がポジションを入れ替えて腕ひしぎ逆十字固めを極める。
それでも岡は腕を取って永田を投げ、さらにヘッドロックで絞る。そして、カウンターショルダータックル、カウンターアームホイップ、ボディスラムへ繋ぐ。
さらに岡はエルボーを連射するが、永田がエルボー、ローキック、ミドルキックでお返し。そして、フロントスープレックスの体勢に入るも、岡が反対に投げ捨てる。
続いて岡は逆エビ固めを極めるが、永田がロープエスケープ。そして、カウンターフロントハイキックで岡をなぎ倒し、背中へ強烈なローキックを浴びせる。
それでも岡はエルボー連打で攻め込むが、永田が強烈なエルボーで報復。さらに、ローキック連射、フロントハイキック、カウンターフロントハイキック、ミドルキック3連射で追い討ちをかける。
これで場内は「岡」コールに包まれるが、永田がエクスプロイダーで叩きつける。そして最後は、ナガタロックIIでギブアップを奪った。
試合後、永田は岡の手を挙げて健闘を称えた。
永田「新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします」
――岡選手のデビュー戦の相手を務めましたが?
永田「20年ぶりくらいですかね? 藤田(和之)のデビュー戦をやって以来、新しい選手のデビュー戦というのは。たぶんそれぐらいです」
――岡選手はいかがでしたか?
永田「まあ、あれだけの身体で。身のこなしも素晴らしいものがあるし。あの身体でシッカリ動けるしね。対応もできてるなというのは感じますけど。まあ、まだまだですけどね。……まあ、たぶん俺らもそうだったけど、レスリングから入ってきた人間というのは、ファンの人やマスコミの人もそうだけど。レスリングの技術とか、格闘技の技術とか、そういうものをプロレスでもドンドン出したほうがいいと。今日もそういうのを見たかった、という声もあると思うんですけど。彼はそういう武器はいっぱい持ってますよ。格闘技の技術とか、タックルとかっていうモノは。ただ、それを使いこなすには、プロのリングでプロレスの技術をシッカリ覚えてからでないと。その場では喜ばれるかもしれないけど、将来の自分のためにならないと。これはやっぱり、今年は新日本プロレス45周年になりますけど。過去の歴史の中で、格闘家がポッと出てきて、自分たちの持っている技術をパパッと披露して終わって行く。でも、そういう格闘技上がりのプロレスラーは長続きしない部分もある。そういう現状があった中で、岡にはそうなってほしくなかった。10数年前に、よくボクらが相手をした格闘技の選手が来るのはいいけど、ちゃんと基本を学ばず、自分らの技をひけらかして終わっていく離れていく、みたいな。そういうレスラーがいまいるかと言ったら、まったくいないわけで。岡はそういうふうにはしたくないなと。岡にはそういう凄い潜在能力もありますんで、まずはシッカリとプロレスの技術を学んで。そうすることで、いま彼が持っているいろんなレスリングだ、グラップリングだ、柔道だ、空手だ……そういうモノが活かしていけるんじゃないかなと。まあ、まだ未熟なのは当然で、ここから学んでいった時に凄い選手になるんじゃないかなと。ボクはそう思いましたね。頭も柔軟だし、動きも柔軟だし、気持ちも強いしね。それの表現というものはプロレスのフィールドではまだ少しできないかなという部分もあるけど。そこは日々、試合をして。練習して、いろんな人に怒られたりしながら、学んでいくことだと。まあ、今日は第一歩なんで。なかなか、こういう大きな人材と言うのは新日本プロレスにいないですからね? いまの新日本プロレスのヘビー級戦線とは違う、重みのある重くてスピードがあってパワフルなヘビー級選手になってほしいなと。彼の色を出しながら。そうするとヘビー級の景色が変わってくるんじゃないかなと。そこをちょっと期待します」
――フィニッシュがエクスプロイダーからのナガタロックだったんですが、意味があった?
永田「いや、とくにはないけど(笑)。どうだろう。まあ、大きい選手だったということもあるし。通常、若い選手とやる時は、逆エビ固めなんですけど。身体も重かったし。まあ、彼への期待も込めてね」
岡「ハアハアハア……。クッソ!」
――あらためて、プロレスのリングで正式なデビュー戦をやってみていかがですか?
岡「やっぱ……ココ来てよかったなって。プロレス、その中でも新日本を選んでよかったなって。勝つことがあたりまえだったオレにとって、こういう刺激、ホントに燃えるんで。ホントにココへ来てよかった。この舞台に立てて、ホントによかった。ああっ……! でも、やっぱ負けるのはムカつくんで、もういいっす。次からは全部、勝ちます。ハイ」
――永田選手が相手だったということに関しては?
岡「デビュー戦だから、一度だけ言いますけど、スゲー感謝してます。やっぱ、アマチュアの頃から面倒見てもらったし。プロレス入ってからも、あの人にお世話になって、デビューも最高のモノにしてくれたし。ホント、ありがたいって思います。でも、今回だけっす。次からは、ライバルとしてぶっ倒します!」
――今後、どういうレスラーになりたいですか?
岡「そんなの誰よりも強いレスラーに決まってるじゃないすか。具体的なことをいえば、全ベルトを獲るくらい。ボクはアマチュアでも、そうやっていろんなタイトルを獲ってきたんです。だから、プロレスもベルトを全部獲ります!」