DOMINION 6.16

日時
2012年6月16日(土)   17:00開場 18:00開始
会場
大阪・大阪府立体育会館
観衆
6,850人(超満員札止め)

第9試合 60分1本勝負
IWGPヘビー級選手権試合

  • (第57代王者)
  • (挑戦者)

VS

境界線

※棚橋が第58代王者となる。
レフェリー|レッドシューズ海野

MATCH REPORT

 2月12日に、今回と同じ大阪府立体育会館で行なわれたIWGPヘビー級選手権試合のリターンマッチ。オカダの入場時には、大量のレインメーカードルがステージ下部から巻き上がった。
 
 棚橋がオカダをコーナーへ振り、スライディングで場外へ飛び出す。そして、オカダの足を掴んで引き倒すと、膝を鉄柱に叩きつけた。
 ここから棚橋はオカダの膝を狙い、ニードロップ、ストンピング、レッグロック。そして、監獄固めで絞り上げ、オカダをロープエスケープさせた。
 続いて棚橋はコーナーにのぼるが、オカダに反撃されて場外に落ちそうになる。しかし、トップロープを掴んで逆上がりで復活。ところが、オカダはショルダースルーの形で棚橋をコーナー最上段に乗せ、ドロップキックで場外に叩き落とした。
 場外戦となり、オカダが鉄柵付近の棚橋にランニングフロントハイキックを食らわせ、観客席まで吹き飛ばす。さらにリングへ戻ると、DIDで追い討ち。
 すると、ロープへ逃れた棚橋が張り手2連発で逆襲。ところが、オカダがカウンタードロップキックで逆襲し、その打点の高さにどよめきが起こった。
 オカダの攻撃は続き、ランニングフロントキックから首を狙ったジャベ。さらに、クロス式ネックブリーカーで叩きつけると、エルボースマッシュ連打で追い討ちをかける。
 苦しくなった棚橋は、フライングフォーアームでようやく逆転。そして、エルボー、太陽ブロー、エルボースマッシュを連発すると、オカダの膝にカウンター低空ドロップキックをお見舞い。
 さらにオカダは、フロントハイキックで反撃するが、棚橋がその蹴り脚を受け止め、軸足に低空ドロップキック。これでオカダが場外に落ちると、コーナー最上段からボディアタック式ハイフライフローを食らわせる。
 追い込まれたオカダは、エプロンから棚橋の髪の毛を掴むが、棚橋が膝に低空ドロップキック。さらに、ロープのあいだから脚を掴み、そのままドラゴンスクリューを敢行。そして、テキサスクローバーホールドを極めるも、オカダが素早くロープエスケープ。
 ここでオカダはフラップジャックで流れを引き戻し、DDT、DID、コーナー最上段からのダイビングエルボードロップ。続いてのレインメーカーは回避されたものの、バックフリップに移行して棚橋を叩きつける。すると、棚橋は大きな叫び声をあげて立ち上がるが、その後頭部へオカダがショートレンジドロップキックをお見舞い。
 さらにオカダは、フロントハイキックからリバースネックブリーカーの体勢に入る。だが、棚橋が前方回転エビ固めに切り返し、返された直後にグラウンドドラゴンスクリュー2連発。そして、再びテキサスクローバーホールドを極める。
 オカダがロープへ近づくと、棚橋はポジションを中央に引き戻し、腰を落としてさらに絞りあげる。だが、オカダは辛うじてロープへ手を伸ばす。ここで棚橋は両手を広げてアピールし、ダルマ式ジャーマンスープレックスホールド、TWELVE SIXで追撃。そして、コーナー最上段からハイフライフローでダイブするが、オカダにかわされて自爆してしまう。
 両者へのコールが激しく交錯する中、オカダが突進してきた棚橋を捕まえ、リバースネックブリーカー。そして、ヘビーレインで叩きつけるが、いずれも3カウントには繋がらない。
 ピンチに陥った棚橋は、レインメーカーとツームストンパイルドライバーをことごとくかわし、フロントハイキックを受け止めてドラゴンスープレックスホールド。これを返されると、うつ伏せ状態のオカダへハイフライフローをお見舞い。さらに、オカダを仰向けにし、もう1度ハイフライフローに行くが、両膝でブロックされてしまう。
 ダブルダウンとなり、オカダがエルボースマッシュ3連発で先制。そして、ツームストンパイルドライバーを狙うが、棚橋が切り返してその体勢のまま反対にパイルドライバーを決める。
 続いて棚橋がスリングブレイドを繰り出すと、オカダがかわしてレインメーカーに行く。だが、棚橋がその場飛びスリングブレイドで逆転し、今度こそハイフライフローで激闘を制した。

COMMENT

——まずは、おめでとうございます!
棚橋「ありがとうございます!……やっとベルトが戻ってきて。そして、俺が、ずっと見たかった、風景が、この大阪府立にありました。超満員ありがとうございます!(自ら拍手)」
——勝因はなんでしょう?
棚橋「エースの意地ですね。これからは!また!新しい新日本プロレスを、俺は作っていきます。なぜなら、なぜなら!……なぜなら、俺の記録を抜けるのは、俺しかいないから!(キッパリ)」 
——ファンの後押し、応援がもの凄かったが?
棚橋「雨降って、足元が悪い中、本当にありがとうございました!」 
——ベルトを獲られたこの4ヶ月間、どんな気持ちでした?
棚橋「ジレンマですね。新日本プロレスを盛り上げたい、その気持ちがあるのに、いまひとつから回りして。……でも、ベルトがあるから、できることがあて。これからは、またそれをやっていきます」 
——これからのチャンピオンロードは?
棚橋「もっと、もっと、みなさん、俺に期待してください!2012年後半、クソ! 盛り上げていきます!!」 
——挑戦者が名乗りを上げましたが?
棚橋「うん、前回の防衛戦では、名乗りを上げてこなかった方々なんで。新しい闘いが生まれると思います。喜びにひたれない?大丈夫です!逸材ですから!」 
——最後にメッセージを
棚橋「……じゃあ、最後の最後に、PPVをご覧のみなさん、大阪のみなさん、愛してま〜〜す!」
  
■ 報道陣との一問一答
——オカダ選手に関しては?
棚橋「ホンモノ。外道が言わなくったって、みんな気がついてますよ。ただ、プロレス界にとって、新日本プロレスにとって、それはいいことだから。いいことだけど、俺はさらにその上をいけばいいと、シンプルな答えです。後輩の突き上げがこんなにあるとは思わなかったけど、この4ヶ月間、いままでにない経験をさせてもらいました。また一回り、デカクなりました」]
 
——ベルトを巻いたとき、涙を流していた?
棚橋「そうすね……。うれしかったんで。ま、たまにはいいじゃないすか?」
 
——これで、7月1日の40周年興行に王者として、上がれます。
棚橋「ハイ、まかせてください。プロレス界の“顔”ですから。よくこの顔を覚えておいて。これからも歴史に刻んでいきますから!」
 
——凱旋帰国後のオカダ選手に初めて、土をつけた格好ですが?
棚橋「そうすね。今日、俺が負けたら、完全にエース交代だったかもしれないけど。プロレスは今日で終わりじゃないから。こんなにも……多くのファンが、ずっと……見てて、くれた(声をつまらせて)。大丈夫、プロレスは大丈夫です……」
 
——超満員の大阪、今日の会場の雰囲気は90年代のばく進していた、新日本プロレスの雰囲気によく似ていました。
棚橋「俺が見たかった……景色です、ハイ(涙を流して)」
 
——新日本の90年代の隆盛は大阪から始まったんですよ。
棚橋「(涙をこらえながら)このプロレスを、今日のプロレスを、また熱い新日本プロレスを、伝えていきます……エースですから!ありがとうございました……(涙をこらえながら)」
※  頭を下げて、その場でしばし号泣し続ける棚橋。
棚橋「フー……。ありがとうございました!」
※    報道陣から、拍手を送られて、退室。

外道「ノーコメントだバカヤロー!(と言って控室へ)」
※オカダはノーコメント
  
田中「リングで言うた通りやがな。アイツが、数ヵ月前ベルト獲られた時に名前出したやろ?『いつやる?いつやる?』って、俺言うてたやろ?今ほんで、チャンピオンになったんやったら、そのベルト懸けてやれって言うことや。簡単やろ?アイツから言うたんやから。やって当然。しかもよ、数ヵ月前の大阪で、アイツ俺に負けとるやろ。せやろ?そんだけの権利があんねん。アイツが(俺の)名前出しとんねん」
——真壁選手も名乗りをあげましたが?
田中「そんなもん関係ないんじゃ!俺がアピールする場に、出てくんなっつうんだ!」
   
——挑戦表明されましたが?
真壁「当たり前ぇだ。何回も言ってるだろ?レスラーだったら、その団体、その業界のナンバーワンのベルト、狙いに行くだろ。ただそれだけだよ」
——思い返せば2年前、タイトルマッチを行なって防衛もありましたが?
真壁「なんだろうな、勘違いしないでもらいたいんだけどよ、なにが『苦しい時に支えた』だ?コノヤロー!オイ!本当に支えたのは誰なのかわかってるだろう?みんな。な?くだらないウソを祭り上げるのはやめとけよ。俺はそれを言ってんだ。なんべんも言うぞ、俺のプロレスが本物かどうか、アイツと闘ったらわかるだろ」
——田中将斗選手も挑戦表明しましたが?
真壁「そりゃそうだろ。アイツも同じだよ。俺はアイツのこと買ってるわけじゃねぇんだ。ただ、一レスラーだったら、そこのトップ狙うってのは、当たり前ぇだろ?他のヤツらが来ねぇのが、俺にはわからねぇ。信じられねぇよ。そうだろ?あれはスマートだよ。その通りだよ。ただ、今回ばっかりはよ、俺が先にいかせてもらうぜ。決めるのは棚橋だろうけどよ、好きにやってくれって。また俺が2番手、3番手になったら、吹くけどな。『怖ぇから逃げた』だのなんだの、吹くだろ。それを食らいたくなかったら、次のチャレンジャー、俺にしろよ」
——タイトルマッチが実現すれば、一昨年の10月ベルト失って以来のタイトルマッチですが?
真壁「タイトルマッチについて、何もねぇよ。一時期、俺も迷走した部分あるよな。『なんでこんなヤツらとやらなきゃならねぇんだ』って。実際勢いがついて、やり始めたらさ『この程度か』って。でもこの程度かもしんねぇけどさ、結果獲れてねぇんだよな。自分のジレンマとよ、闘ってたよ、毎日。でもここでわかったよな、『なるほどね』って。俺がチャンピオンシップの戦線に上がったらさ、誰も獲れねぇだろ?だから俺が獲ってやるんだよ。だから俺がわからせてやるんだよ。俺のプロレスが本当かどうか、俺の本物のプロレスで、ヤツらにわからせてやる」
——棚橋選手が11度防衛している間、真壁選手は挑戦していませんよね?
真壁「だからわかるじゃねぇか。俺が獲れなかったら、俺が吹いてるだけだろ?吹かしヤローだろ。それで終わりだろ。俺が獲ったらどうだ?俺の言ってることが正しくなるだろ?だから意地でも獲ってやるよ。意地でもだよ」
——もしこれでタイトルマッチ挑戦が実現するとなったら、7.1新日本全日本40周年合同興業のメインになる可能性があるかと思いますが?
真壁「そういうことになるな。なるのか本当に?そういうこと?実際どこでも構わねぇ。俺はよ、いち早くアイツ、ボコボコに倒して、ベルト巻きてぇんだよ。1つ言える事はよ、せいぜいよ、身体磨いとけよ、な?ライトヘビー級よ!」
——リング上で、古いか新しいかと言うようなことが出てましたが、その真意は?
真壁「古いか、新しいか?いろいろ時代が変わってて、プロレスの形も変わってると思う。だけど、ヤツのプロレスがいいか悪いか、俺のプロレスがいいか悪いか、そんなことどうでもいいんだよ。一レスラーとして、同じリングに立って、どっちの志すプロレスが、どっちのプロレスが、生き方が、本物かどうかっていうのをわからせる、その闘いだよ。“生き様の闘い”だって。それが本当に如実に現れるのが、プロレスのリングだろ?だから引けねぇんだよ。やってやるよ。それだけだ」
  

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