“伝説のタッグ”テンコジが、IWGPタッグ王座へ満を持して挑戦。10連続防衛で快進撃を続けるバッドインテンションズは、マシンガンとバズーカ砲でビジョンに映し出された東京スポーツ(棚橋がプロレス大賞のMVPをとり、1面を飾った号)を破壊するというド派手なパフォーマンスで入場。
天山対アンダーソンの場面。天山がモンゴリアンチョップ連射でアンダーソンの動きを止め、ロープへダッシュ。ところが、場外からバーナードが脚を引っ張って妨害。アンダーソンがエプロン上でギロチンドロップを投下し、天山の動きがストップしてしまう。
ここからバッドインテンションズが猛攻を仕掛け、代わる代わるの攻撃で天山をいたぶり続ける。さらに、アンダーソンがスリーパーホールドで絞め上げ、ブレーンバスターを予告。しかし、天山が阻止して反対にアンダーソンを投げ捨て、ようやく小島とタッチする。
その小島は、アンダーソンとバーナードへ逆水平チョップを乱射し、ラリアットでバーナードを場外へ叩き落とす。そして、串刺しジャンピングエルボー、「いっちゃうぞバカヤロー!」からのダイビングエルボードロップでアンダーソンに追撃。
だが、アンダーソンはローリングエルボーをかわして突破口を開き、ランニングパワーボムで逆襲。替わったバーナードは、串刺しボディアタック、コーナープレス、カウンターフロントハイキックで小島に追い討ち。しかし、小島はコジコジカッターでやり返した。
天山対バーナードの場面。アンダーソンが乱入し、ネックブリーカーをお見舞い。ここからバーナードとアンダーソンが、ジャンピングボディプレスとセントーンを交互に繰り出す。
劣勢となった天山は、串刺し攻撃をかわしてバーナードをコーナーへ激突させ、モンゴリアンチョップ。しかし、ショルダータックルを受け止めたバーナードが、張り手を放って「カモン!」と絶叫する。それでも天山は、カウンターニールキックでバーナードを倒し、小島がDDTで続く。
ところが、アンダーソンが乱入し、小島へガンスタン。さらに、天山にもカウンターガンスタンを炸裂させる。そして、バーナードがフォールへ行くものの、カウントは2。
続いて、バーナードが串刺しボディアタックで天山に反撃し、アンダーソンがジャンピングフロントハイキックで追い討ち。そして、2人の合体技マジックキラーからバーナードがフォールに行くが、小島がカット。すると、バーナードはバーナードボムから3カウントを狙うが、天山は辛うじて肩を上げる。
ここでバーナードはバーナードライバーの体勢に入るが、天山が脱出。すかさず小島が援護に入り、アンダーソンをコジコジカッターで排除。さらに、ラリアットをバーナードへ食らわせる。そして最後は、天山がムーンサルトプレスでバーナードにトドメを刺した。
試合後、見事にIWGPタッグ王座を獲得した天山と小島へ、小森さんがチャンピオンベルトを手渡した。そして、4人は握手をかわし、互いの健闘を称えあった。
さらに、天山が「みんな! ベルト獲ったぞ、オイ! コジ、ありがとな! また頼むで、オイ!」とマイクアピール。すると小島が「ありがとう、天山! 俺たちが、世界で一番ベルトの似合うタッグチーム、天山、小島、略してテンコジだ、バカヤロー、オイ!!」と絶叫した。
天山「コジ、ありがとう。最後やられてやらててホンマ、最悪……。あいつら強いよ。返せへんっていう。あれ以上受けたら、最悪死ぬところだった。それぐらいあいつら強いしね。一発一発のなんやもう飛んでくるし、ガンガンくるし、コジにタッチもできなかったし。最後はホンマあそこからよく勝てたなと思いますよ」
──天山選手、そんな中でそんな強い相手に勝ってベルトを手にすることができた一番大きな理由は何だと思いますか?
天山「最後のワンチャンスがね。コジがおもいっきりラリアットくかましてくれたし、あれで一気にいかなという気持ちでした」
──最後はムーンサルトも飛び出しました。
天山「あそこで迷っているヒマなかったし、やるしかないって感じでしたね」
──小島選手はテンコジタッグで臨んだタイトルマッチでしたけど、ベルトを手に入れた感想はいかがでした?
小島「また俺たちの青春が舞い戻ってきたと言うか、天山と組むと俺は必ず青春時代に戻れる。それがいくつでも、30代でも40代でも、今41歳になっても青春だと思える、こんな素晴らしいタッグチームは他にどこ探してもいないから」
──テンコジとしては闘ったこともあるし、いろんなことを乗り越えて掴んだベルトだと思うんですが、昔と今と違う点はありますか?
小島 「違いはいっぱいありますよ。お互い、それだけ長い時間生きてきたんだもん。やっぱり生きているっていうのはさ、いろんなことがあるもん。いいこともあれば悪いこともある。多分、悪いことのほうが多いかもしれない。特に天山もそうだし、俺もそうだし、プロレス界に入っても大変なことが多かった。それでもこうやって、たった一瞬かもしれないけど輝ける瞬間っていうのがあるんだ。だから、プロレスは辞められないし、こんなに面白いことはないってずっと思っている、20年間。どんなにつらいことがあったって、こうやって素晴らしいパートナーがいて、闘った素晴らしい相手がいて、本当に幸せだなと思います」
──天山選手も最後、勝った瞬間に東京ドーム中のファンがガッツポーズしていました。ファンの声援はいかがでしたか?
天山 「自分らにとってはお客さんの熱い声援が後押しになるし。俺らだけじゃなくテンコジをねお客さんが支えてくれるし。やっぱりその期待に応えないと、俺らも一生懸命ファンのために闘っている。お互い、20年、今年から21年目に入るけど、いろんな場数踏んでやってきてますけど、まだまだこれから、コジが新日本にいる以上、俺が新日本にいる以上、テンコジとして、ベルトを獲った以上はこっから進まなと思っていますよ」
──改めてチャンピオンになったこの先のテンコジについて聞かせてもらえますか?
天山「ベルトを巻いて、もう一回テンコジっていう一つの時代を、俺らの確固たる時代をおびき寄せて築きたいですよね」
小島「初めて天山とタッグチャンピオンになってから10年以上が経ちました。1999年1月4日、それからこんなに長い時間経って、こうやってまたチャンピオンベルトを獲れるっていうのはプロレスを好きでいて良かったという以外の何者でもないから。やっぱり、これからも。また、いつか対決する日が来るかもしれないし、それでもいいんじゃないかっていう。それがテンコジだから。闘っても組んでも、こうやって天山と関わっている時間が俺の青春だから、これからも大事にしていきたいと思います」
──天山選手は長期欠場で一時はリングに戻れるかわからない状態から、目の間にベルトがある状態はどういう気持ちになっていますか?
天山「ホンマに去年、一昨年、復帰してここまで来たっていう。やっぱり、1・4ドーム、3年前のドームで挑戦するっていうのが俺のせいで流れた。そっから始まって、こうして2012年1月4日、またこうして巻くことができたのは感無量ですよ。レスラーとしても人間としてももう終わりかなと思った。そういう時間もあったですけど、やっぱり最後まで諦めんと、プロレスやってて良かったと思いますよ」
——残念ながらベルトを失うという結果になりましたが、テンコジと闘った印象から聞かせていただけますでしょうか。
バーナード「それなりの作戦を立てて臨んだつもりだったが、いつも俺たちの思い通りにいくとはかぎらない。結果は悪かったが、われわれがベストなタッグチームであることは確信している。リマッチで必ずベルトを取り戻したい」
アンダーソン「昨日の会見でも言ったが、今年は自分たちにとって歴史を作る年にすると考えていた。過去2年間、俺たちは無敵でタッグベルトを守り続けてきた。これを常に続け、歴史を積み重ねて、ベルトを10回防衛し、さらに防衛して歴史を作っていきたいと考えていた。でも、今日の天山と小島は確かに強いチームだった。それは認める。世界でもベストなタッグチームのひとつであると言ってもいいのではないか。そのようなチームに負けたことを恥とは思わない。リマッチのチャンスがあれば、必ずベルトを取り戻したい」
バーナード「(東スポの記者に向かって)お前、俺たちが負けてハッピーだろ?」
記者「そんなことはないです」
アンダーソン「東京スポーツ、握手をしよう……(記者と握手をしながら)ゴメンナサイ」
※次の瞬間、バーナード&アンダーソンが記者を襲撃
バーナード「天山、小島、俺たちとリマッチしろ! 俺たちは日本で長期にわたってベストタッグチームとして君臨してきた。必ず俺たちは戻ってくる!! 」