レッスルキングダムⅤ in 東京ドーム
- 日時
- 2011年1月4日(火) 15:00開場 16:00開始
- 会場
- 東京・東京ドーム
- 観衆
- 42,000人(満員)
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第11試合 60分1本勝負
IWGPヘビー級選手権試合- (第55代王者)
- (挑戦者)
棚橋が第56代王者となるレフェリー|レッドシューズ海野
MATCH REPORT
これに対し小島は、棚橋の蹴り脚を取り、ドラゴンスクリューで反撃。さらに、低空ドロップキックで追撃すると、棚橋の脚をロープに固定し、膝へカチあげ式ラリアットを見舞う。
小島の攻撃は続き、エプロンに立つ棚橋の膝にラリアットを打ち込む。さらに、エプロンに戻ると、サソリ固めでロープエスケープを奪う。そして小島は、「いっちゃうぞ、バカヤロー!」と叫び、コーナー最上段からダイビングエルボードロップを投下。
エルボー合戦を挟み、小島がトーキック、エルボー連打、ローリングエルボー。すると棚橋は、張り手で逆襲し、エルボー&太陽ブロー連射、フライングフォーアーム、ダイビングサンセットフリップに繋ぐ。
これに対し小島は、DDT、ネックブリーカーで反撃。そして、ブレーンバスターを狙うが、後ろに着地した棚橋がドラゴンスープレックスを狙う。小島はこれを振り切ってコジコジカッターに行くが、一瞬早く棚橋がファイナルカットを決める。
続いて棚橋は、腕への低空ドロップキックからショルダーアームブリーカーを連発。だが、強引に脱出した小島が、コジコジカッターで反撃。そして、雪崩式コジコジカッターで追い討ちをかける。
ここで小島はエルボーのサポーターを投げ捨て、ロープへ走る。しかし、追走した棚橋が後方回転エビ固め。そして、その流れからダルマ式ジャーマンスープレックスホールドを決めると、うつ伏せ状態の小島めがけてハイフライフロー。
さらに棚橋は、もう1度ハイフライフローでダイブするが、小島が両膝を立ててブロック。そして、後頭部へのラリアットで追撃すると、正面からのラリアットを放つものの、棚橋がカウンタースリングブレイドで反撃。そして、変型ファルコンアロー2連発からハイフライフローを投下してフォールに行くものの、小島が返す。
そして小島は、ショルダースルーで棚橋をエプロンに出し、ラリアットで場外に叩き落とす。棚橋はエプロンに叩きつけられて場外に落下。すると小島は、棚橋を無理やりエプロンまで持ち上げ、トップロープ越えの垂直落下式ブレーンバスターで追い討ち。
続いて小島は、棚橋をコーナー最上段に乗せて雪崩式フランケンシュタイナー。そして、ラリアットを発射するものの、棚橋が両手でブロック。そして、腕へのドラゴンスクリュー2連発で追い討ちをかける。
それでも小島はラリアットを放つが、棚橋が2度かわす。だが、小島は3発目のラリアットを命中させ、フォールへ。しかし、棚橋はキックアウト。
20分が経過し、小島がもう1度ラリアットを炸裂させてフォールに行くものの、棚橋は辛うじて肩を上げる。すると小島はショートレンジラリアットを発射するが、腕をキャッチした棚橋がドラゴンスープレックスホイップ。それでも小島はラリアットを放つが、棚橋はドラゴンスープレックスホールドで反撃。
だが、小島はそれでもラリアットを発射。しかし、かわした棚橋がスリングブレイドでなぎ倒す。そして、ボディアタック式ハイフライフローからのハイフライフローに繋ぎ、ついに小島を沈めた。
COMMENT
■棚橋弘至のコメント
──腰にベルトが戻ってきました。どんなお気持ちですか?
棚橋 「すげえしっくりきます。ようやく元カノを取り戻した充実感でいっぱいです」
──それも東京ドームという舞台で取り戻したというのは棚橋選手の中で大きいんじゃないですか?
棚橋 「同じぐらい大きい20回目のG1クライマックスで敗れているんで、しっかり借りを返しました」
──その借りを返すという意味でも今日の闘いは絶対に負けられない闘いだったと思うんですが、闘いに臨む前はどんな心境だったんですか?
棚橋 「非常にいい状態で、緊張感も程良く臨めたんですけどね。やっぱり序盤は慎重になったと思います」
──今日の試合では小島選手の右腕に焦点を絞っているように見えました。作戦はあったんですか?
棚橋 「右腕、ラリアットさえ封じればっていう思いはあったし、右腕を殺しにいくにはどうしても泥臭い動きになるけど、俺らしくないけど勝てるならそれでいいかなっていう感じです」
──ただ、最後は僅差の勝負だったと思うんですが、そこで勝負を分けたのは?
棚橋 「やっぱりそれは序盤から試合を通じて腕を攻めていったんで、ラリアットを強烈なのをもらいましたけど、一瞬カバーが遅れたっていうところが勝負を分けたんじゃないかと思います。あとは気持ちですね。意地ですね」
──棚橋選手にもの凄い声援が沸き上がっていました。聞こえていましたか?
棚橋 「はい、しっかり聞こえています。特に黄色い声援は」
──小島選手からベルトを取り戻しました。新日本として取り戻した意味をどのように考えられますか?
棚橋 「リング上でも言いましたけど、プロレス界は俺に任せてください。俺が引っ張っていきます。俺が切り開いて、プロレスのステージをより高い位置に持っていきます。それが俺が生まれてきた使命です」
──2011年の目標を聞かせてください。
棚橋 「2012年のドームもチャンピオンで迎えるということです」
※選手が集まり、ライガーの音頭で乾杯
──ビールの味はいかがですか?
棚橋 「ああ、久しぶりだな。1年何ヵ月ぶりかな。最高の味です」
──1年何ヵ月ぶりっていうのは最後に飲んだのは覚えていますか?
棚橋 「う〜ん。大阪はビールかけがなかったような気がするな......。それぐらい記憶にないですね」
──過去に4回ベルトを獲って、今回5回目になるんですけど、過去と比べて違うところは?
棚橋 「ベルトを獲るたびに新しい野望というか、前回チャンピオンの時にやれなかったことをやろうという思いがありますし、それはなんだろうといつも考えていますし、プロレスをもっともっと広めたいし、今日改めて思ったのは第1試合からずっと観ていて、ドームという舞台には夢が詰まっているなと思いました」
──小島選手が「棚橋の愛の深さと意地の深さに負けた」という名言を残していたんですが。
棚橋 「うん、すげえ素晴らしいレスラーだと思いますよ。ただ、いま置かれているシチュエーションが複雑なだけで、どうなっていくかわからないけど、俺は懐の深いところを見せて、べつに新日本に戻ってきてもいいんじゃないかと思うし、あとは本人が決めることだと思うし。また、何度でも挑戦したいって言うなら受けますし」
──真壁選手が今日のメインの勝者に挑戦したいと言っていたんですが。
棚橋 「それはベルトを獲った瞬間にいいチャンピオン像が……。いいチャンピオンっていうのは挑戦者が列を作りますからね。あいつと闘いたい、あいつとだったらいい試合ができる。早くもチャンピオンらしさ全開ですね」
──真壁選手の挑戦を受ける気持ちは?
棚橋 「真壁選手とは2009年だったかな、眼の怪我でチャンピオンシップが流れているし、いつでもやりますよ。まあ、力の差は見せますけどね」
──新日本として5月にアメリカツアーが予定されていますけど、新チャンピオンとして抱負は?
棚橋 「もちろん5月まで持っているつもりだし、アメリカ進出っていって、ベルトを巻いている人間を見て、向こうの人は日本のプロレスラーはこういうもんなんだって受け取るだろうから、俺の素晴らしさ、俺がやってきたこと、道場で培ったモノを全米に見せます。大丈夫です。俺はいつでも世界を見てやってきましたから」
■小島聡のコメント
小島 「凄いかけがえのない5ヵ月間を過ごすことができました。正直、ここまで来れるとは思っていなかった。いまだから言えるけど、東京ドームのメインイベントまで辿りつけるとは思っていなかった。最初、復帰した時はこんなことになるとは正直思わなかった」
──中盤ではこれまで封印していた「いっちゃうぞ、バカヤロー!」という声も聞こえました。あれはどういうお気持ちで?
小島 「そんなの説明はいらないし、俺の気持ちの中で勝手に出た心の叫びだからさ。そんなの言おうと思って言ったわけじゃないし、言おうと思って言えるわけでもないしさ」
──途中、棚橋選手への場外カウントが進んでいる中で、場外カウントを進めるレフェリーを制する場面もありましたけど。
小島 「よくわかんないけど、ドームのメインイベントはやってるっていうのは、これだけはやってみないとわかんないし。ドームのメインで試合をすることはプロレスラーとしてこんなに最高のことはないと思っているし。いろんな意味でいま終わって、言葉では上手く言い表せないけど、感無量ですね」
──2010年新日本の中で突っ走ってきた小島選手ですけど、2011年走っていく道、どんな感じになりますか?
小島 「今日は棚橋弘至の愛の深さと意地の深さに負けてしまったと思います。あいつはすげえ。すげえ深い。とてつもないプロレスラーだと感じました。本来ならこの5ヵ月間、俺のやりたいようにやってきて、やられてしまって、もしかしたら撤退っていうのもあるのかもしれないけど、悔しいけど俺はこの新日本に魅せられてしまった。新日本というプロレスのリングに虜になってしまった、この5ヵ月間で。だからまだ諦めないでやっていきたいと思うし、俺の居場所が少しでもあるなら、この新日本プロレスでやっていきたいと思います」
──改めて、IWGPのベルトを手放して、IWGPというモノをどう感じていますか?
小島 「最初に重いって言ったけど、ずっとずっと重たいまま俺の胸の中に染みこんでました。いろんな場所にベルトを持って行って、たくさんのファンに見てもらいたかったし、いろんなプロレスを知らない人に見てもらうために、いろんな所に持って行きました。そのたびにいろんなプレッシャーを背負って今日を迎えたと思います。今日、ベルトはなくしてしまいましたが、俺の中にやりたいことはいっぱいあるし、この新日本のリングでまだまだのさばっていきたいと思います」